おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

「暮らしの手帳」編集長の花森安治とは…

2016年08月03日 | Weblog

 

午前6時の気温はプラス21度。

今日も暑くなりそうな1日でござる。

この夏初めて、寝苦しい夜となりましたです。

日中の気温も30度近くになり、じりじり日差しが照りつけて、肌は痛いほど。

蒸し暑くて、なにをする気にもなれませんでしたが、午前中の涼しいうちに薪小屋の柱などの塗装をしております。

木部が腐って小屋が壊れては困るので、雨や風の当たるところだけは、しっかり防腐・防虫効果のある塗料を塗ったのでした。

この小屋は2010年にニセコ町のストーブ屋さんに建てていただいたもの。

もう6年も経ったゆえ、屋根の雪が落ちないことになっちゃった。

なので夏のうちに薪小屋の屋根も塗装することに。

そんなこんなの過日、ホームセンターで発見したのがラク雪塗料」という優れもの

なんでも超親水性で雪が滑りやすくなるというから助かります。

毎年、薪小屋だけで3回は屋根雪を下ろしますから、これが勝手に落ちてくれるなら、楽チンなのでござる。

広告の通りなら、この先物置小屋も我が家もこの塗料にしようかと思っておるところ。

マンション住まいの皆さまには全く関係のない話ではありますけどね…

さて、

NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、我が家では毎朝楽しみに拝見しておりまする。

とと姉ちゃんのモデルは、ご承知のように雑誌「暮らしの手帳」の創刊者である大橋鎭子さん。

俳優の唐沢寿明さん演じる編集長、花山伊佐治のモデルが「花森安治さん」なのです。

上記写真の雑誌は、「暮らしの手帳 別冊」。

花森さんがどんな想いでこの雑誌を編集していたかがよくわかる本なのです。

「戦後の日本 暮らしを変えた」とされる花森さんはこう申しておったそうな。

「もう二度と戦争を起こさないために、『暮らし』を大切にする世の中にしたい」。

そこで言論の自由を守るため「広告を一切載せない」という唯一無二の雑誌が誕生します。

戦後間もなくですから、なんでもかんでも粗悪品が横行しておる時代でもありました。

有名な商品テストでは燃焼中の灯油ストーブを倒して火事が起きるかどうかを検証しておる。

そして「結論 残念ながら、これならとおすすめできるものは、この国産6種の中にはありませんでした」と書いた。

灯油ストーブのメーカーや家電メーカーはたいしたビビったに違いない。

実際の検証を元に記事を書いておるのだから、文句のつけようもない。

まして、広告が載らない雑誌だから、だれにおもねることもない。

一時は100万部を超える読者がいたというから、その信頼性はただものではなかったようじゃ。

ほかにも35人の男に2足の靴を1日おきに1年間はきつづけてもらい、性能を検証したり。

過日も書いたように4万3000枚のパンを焼いてトースターを検証したりもしたのです。

そして1968年の96号では「戦争中の暮らしの記録」を一般庶民から募集。

戦争中、庶民が何を食べ、なにに苦しみ、なにを着て、どんな暮らしをしていたか、どんなふうに死んでいったか、ほとんど残されていないことに着目したという。

139編の手記が掲載されたこの号、「暮らしの手帳はどうしたのか」と批判の声もあったそうだ。

結果、80万部が売り切れて10万部増刷した。

単行本として、今も読み継がれるロングセラーなのだそうな。

広告を一切載せず、徹底的に庶民サイドに立ち、戦争に反対して庶民の生活を守る雑誌。

これが花森安治が追い求めた「暮らしの手帳」でした。

世の中が「右へ右へと急旋回」する中、テレビや新聞など広告に支えられ、政権のベンチャラしておるメディアは、花森精神をも少し学んではいかがか、と思うおぢでした。