グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

竹かご

2010年11月26日 | 歴史・文化
 昨夜から今朝方にかけて、まとまった雨が降りました。
「雨後のタケノコ」という表現がありますが、季節はずれですね(苦笑)。

 でも、今日は竹のことについて少し・・・。

 我が家では、梅やビワやキウイ、ユズの実↓などを収穫する時に、この竹カゴ(籠)を愛用しています。



 この竹カゴ↑は、残念ながら大島のものではなくて、20年程前に信州松本の入山辺で雑貨屋の軒に下がっていたものを買い求めたものです。店のご主人の手作りで、山でキノコを採る時に使うキノコ籠とのことでした。口の直径24センチ、口の下が直径18センチにくびれていて中の物がころがり出ないように工夫されています。カゴ全体の高さ28センチ、腹は28センチ×23センチほど。

 大島を歩かれたら、所々で竹やぶをご覧になると思います。

こちら↓は、よく管理されたマダケの竹林。



 マダケ↑は中国原産という説と日本の在来種との説があるようです。
大島では、ごく限られた所にしかなく、人の手による移入種だろうと言われています。

 モウソウチクも同様で、社寺の境内や民家の庭木として植えられていますが、元来なかったもののようです。ホウオウチク、スホウチクなどと同様に、中国南部原産で移入された竹です。

 大島に多いのは、こちら↓アズマネザサ(別名:シノダケ)です。



 大島の気候は雨量が多く湿度も高いという点では、竹の生育に向いているようですが、水はけのよい土質は、どうなのでしょう?

 竹は、カゴやザル、竿(さお)や建築材料、食材など利用価値が高いので、移入・移植されることが多い植物の1つですね。この↑↓アズマネザサ(イネ科メダケ属)は、島内どこにでもある感じですので、自然分布していたのではないでしょうか。

 昔、家屋の建築で、土壁が主流だった頃、大島で盛んに切り出して、京浜方面へ出荷したそうです。「壁こまい」と言って、土壁の芯材にしたのですね。



 竹の幹をカンといいます。アズマネザサ↑のカンを使って、カゴやザルなどの竹細工をすることが多いようですね。

 見出しのカゴは、大島の島カゴで「ひやめしかご」などとも呼ばれます。山や畑へ農作業に出かける時、弁当を入れたからだそうです。鎌(かま)などの小さな農具も入れて運びます。

 縄(なわ)や紐(ひも)を通す「みみ」という部分↓が4箇所あり、フジづるで編まれています。これ↓も同じく「ひやめしかご」です。



 カゴの裏側も丈夫になるように、1.5~1.8センチのカンを半割りにして、6本並べられていました↓。



 大島でこのカゴは、主に女性が持ち、男性は背負い梯子(しょいばしご)を使っていました。

 このカゴは今のポシェットのようなもののようです。似たようなカゴが伊豆諸島で広く使われていました。今も、島や地域によって、生活に欠かせない用具であるそうです。

 特に、その運搬方法が特徴的です。背負ったカゴの紐を輪にして、前頭部にかける方法です。日本では、沖縄北部と奄美諸島、北海道のアイヌ民族にみられた運搬法だそうです。



 口は長径28センチ×短径24センチ。カゴの高さ23センチ。底面13センチ×23センチ。「みみ」は8センチほど。

 これは、元町のYさん宅で棚に飾っていらしたものを撮らせて頂きました。元町のTさんの作だそうです。ステキですね! いいものですね~ッ!!
 
 最近では、大島でもカゴが作れる人は少なくなっているそうです。伝統民具の継承をして行きたいものです。
 
 観光ポスターで、アンコさんが持つ花かごにするとか・・・どうでしょう?!


【おまけの1枚】
 
 タケは、タケでも、こちらは今、おいしいタケ!



 シイタケです!
たっぷり雨が降ったので期待できます(笑)

 そして、昨日のヒラタケ?へと続く・・・

(なるせ)
コメント
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