今日はカルデラ内の樹海をガイド中に、ボーイ&ガールスカウトの集団に出会いました。
(樹海で人に会ったのは初めてだったのでかなりビックリしました)
先頭を切って歩いていたのは団長のH氏。
「今日は21日だから、三原山を歩いているんだ。」との事でした。
そう、24年前の今日は、山頂で割れ目噴火が始った日です。
カルデラの中でも外でも割れ目火口から赤い溶岩が吹き上がり、中央火口からも噴火が再開しました。
11月21日は大島にとって特別な日なのです。
島の子どもたちに噴火を語り継ぐ活動を、確実に続けていらっしゃるH氏の姿勢に
「さすがだ~!」と思い、思わずお客様に、熱く語ってしまいました(^O^)
さて前置きが長くなってしまいましたが、昨日ついに、かねてから念願だった噴火実験を行いました。
あ、噴火実験といっても本物の火山で実験するわけではないのです。
難しくてなかなか理解してもらいにくい火山の仕組みを、特に子どもたちに向けて
わかりやすく説明するための、お菓子を使った実験です。
実験は2種類。
一つはコーラを使った噴火の実験です。
これは「コーラもマグマも圧がかかった状態では、液体の中に二酸化炭素や水蒸気などのガスを溶かし込んでいるが、
栓を抜いたり、マグマが上昇したりして圧が下がると一気に泡だって噴出する」という、噴火の仕組みを
理解してもらうための実験です。
コーラを3分の1飲み、フタにキリで穴を開けてまたフタをし、ボトルを振ると穴からコーラが勢いよく噴出します。
これが実際の噴火の仕組みとそっくりなのだそうです。
しかし、アッと言う間の出来事でした。
コーラのボトルを振ったとたん激しく泡が吹き出し、すごい勢いで飛び出しました!
4~5mは飛んだのではないでしょうか?
そして数秒で終わってしまいました…。
あまりの激しさと、時間の短さにかなり驚きました。
観客(スタッフ&お客様)は、ただ唖然…。
やはりこういう実験は理屈をきちんと説明してからではないと、ありがたみが少ないですね(^_^;)。
2つ目の実験は、ココアとコンデンスミルクと水あめを使ったカルデラ実験です。
(直径2km以上の火口はカルデラと呼ばれています。)
マグマだまりのマグマが大量に抜けると、マグマだまりの天井が抜けて陥没し巨大な火口ができることがあります。
大島では1300~1500年ほど前に、大きな水蒸気爆発が起こって山の頂上が吹き飛び
今のカルデラができたと言われていますが、そのカルデラのでき方を、お菓子で再現しようというものです。
今回作った簡単な装置はこんな感じです。(実験途中の写真ですが…)
まず四角いダンボールにアルミホイルを張って穴を開け、その穴にティッシュペーパーを詰め込んで栓をしました。
ティッシュペーパーの下にはマグカップを設置。
アルミホイルで土手を作り、それを下の台に水あめで固定します。そしてそこにコンデンスミルクを流し込みました。
初回はコンデンスミルクを半分しか入れなかったために、山頂部分の凹みを修復するためにココアが大量に必要になり
山はどんどん高くなっていきました。
そしてワクワクしながらティッシュを抜いたところ・・・
「あれ?」
山頂部分に亀裂はできたものの饅頭のように膨れた山が残り、とてもカルデラとは言えないような…?
「コンデンスミルクが半分だったのがいけなかったんだ。やっぱりマグマの量が多くないとね…。」
反省の後、再度実験。
今度はコンデンスミルクをたっぷり注ぎました。
そしてココアは少なめに。
大人たちの真剣な顔…。
「おお~!」「できたできた~!」
今度は丸く入った亀裂の中が、綺麗に陥没しました。
何だか大きさ的に大島の本物のカルデラみたいになりました。
(興味のある方は下記ページの、大島の航空写真と比べてみてください。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%B1%86%E5%A4%A7%E5%B3%B6
皆、「大きなボードの上でやろう」だの、「伊豆七島を作ろう」だの盛り上がり、
ライトアップして、「夕日に照らされたカルデラ」の撮影をする人も現れました(^O^)
でも、確かに噴火直後に火山礫が降り積もってできた山ってこんな感じかもしれませんね。
かなりリアルな出来でした!
実験終了後は皆でコンデンスミルクと水あめ入りのココアを飲んで「うまい~!」とさらに盛り上がりました。
この子どもたちに向けた実験、大人でもかなり楽しめるのではないでしょうか?
ココアと火山が好きな方、是非チャレンジしてみてください。
なお、今回の実験は「世界一おいしい火山の本 林信太郎著 小峰書店」を参照しました。
実験に興味のある方には、ご一読をお勧めします。
お近くの方には貸し出しも可能ですよ~。
(カナ)