グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

印象深かったものは・・・。

2010年11月25日 | ツアー
この1週間、2回ツアーで山を歩き、それぞれ印象に残る風景や生き物に出会いました。

まずかなり存在感があったのがコレ。

樹海の中でお客様が見つけてくれた、大きなきのこです。木が重そうですよね(^_^;)
画像は少しピンクがかっていますが、肉眼では真っ白に見えました。

裏からも撮影。

綺麗にヒダが入っていて、なかなか容姿端麗なキノコです。
調べてみたらヒラタケが一番近いようです…ということはかなり美味しいのでしょうか?
(どなたか詳しい方ぜひコメントください~。)
     ↑
(早速メールをいただきました。コメント欄にいただいたメールを貼りつけておきますので興味のある方はご覧ください。)


次に「おや?」と思ったのがイタドリとススキが混在する三原山斜面で、一つだけポツンとあった綺麗なピンク色です。

正体は、まだススキと同じ背丈のマユミの紅葉でした。
葉が赤く色づいた事で初めて、マユミがこの栄養分の少ない環境に侵入してきた事に気づきました。

私のイメージの中では、マユミは普通の林の中に生える樹木だったので少々驚きました。
けっこう栄養の少ない場所でも生きられるのですね。

どうやらマユミは、水分条件の良いところ(湿原など)を好む樹木のようです。
一見スカスカに見えるスコリア地帯ですが、一粒のスコリアは細かい気泡を沢山含んでいますし、
粒と粒の隙間もゆっくり水を浸透させる役目をするのでしょう。

スコリアの中は湿原ほどではないにせよ、1粒のマユミのタネが根を下ろし枝を伸ばすことが
できるだけの水分量は確保できる環境なのでしょうね。

さて次は、同行していた成瀬が見つけてくれた、「おお~!」と思ったもの。

多色使いの素敵なデザイン、シマガマズミの葉です。

なぜこのような色遣いになったのでしょう?
この葉の隣に、色分けの理由を説明してくれるような葉がありました。

一見、皆同じように色づいているようですが


葉が重なっていた部分は、見事に緑色でした。

紅葉の赤い色は、アントシアニンという物質が葉の中に新たに作られることで出てくるようなのですが、
アントシアニンの作成には太陽の光が必要なのだそうです。

ここまで見事に染め分けられると、納得できますよね。

最後は、一番印象に残った風景です。

昨日の午後、火孔周辺からモクモクと吹きあがる白い煙!
雨の後とはいえ、普段出ていない場所からもかなりな量の煙が立ち上り、広い火孔を隠してしまうほどでした。

さらに、ホルニトからも薄っすらと煙が出てきていました。
私がツアーで山に登った中で、一番煙の量が多かったような気がします。

昨日は支庁産業課の皆さんの3回目のツアーだったのですが、皆で穴を覗き込み、手をかざして「ホントに熱い。」と興奮気味。
(実は私が一番興奮していたかも(^_^;))
皆で「そろそろ噴火が近いんじゃないの~?」などと、少しドキドキ感を味わいながら歩いたのでした。

大島は定期的に噴火を繰り返す、若い火山の島です。
火山が溶岩を流し島の土地を増やしてきたからこそ、今の大島があるのです。

あまり破壊的ではない、美しい噴火をすると言われる三原山。
そして日本一観測が進んでいる火山と評される三原山。
三原山について色々勉強したはずなのに、やはり目の前の煙の量が多くなると、それだけで少しドキドキします。

でも考えてみれば、自分より圧倒的な力を持つ存在を恐れる気持ちを持つことは、生き物として健全なような気がします。

人間以外のほとんどの生き物が、捕食者の存在に恐れを抱きながら生活しているはず。
恐れるものの存在を感じない人間の生活の方が、どこかがおかしいような気もしますよね。

ということで、これからも日々の三原山の変化を肌で感じ、畏敬の念を抱きつつ
次回の噴火に備えたいと思います(^。^)。

(カナ)

コメント (3)
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