グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

伊豆大島ジオパークの旅

2012年03月25日 | ツアー
今日は、福島県いわき市からのお客様をお迎えし、シーサウンドの小川氏とうちのガイド3名で4チームに分けて、1日島を案内しました。お子様連れのお客様が多かったのですが、私は大人チームの担当で3人のご家族と島を回りました。

午前中は強風のなか三原山へ。

時々風の音で声が聞こえないほど吹いてましたが、天気が良かったので景色を堪能しながら歩けました。

昼食後は、まず桜っ株へ。
桜株の枝先には、新緑の葉が伸びはじめていました!

満開の白い桜はとても素敵ですが、こんなふうに枝先の明るい元気色の葉を見た時の気分も、また格別です。
ホノボノしました~(^。^)

そして裏砂漠は…予想通りの強風でした(^_^;)

ゴォ~っという風に向かって、その強さを体感中。

皆さん、果敢にも風上に向かって歩いていきます。

正面からは、唸るような風が吹きつけてきます。

「キャア~!」「ウワ~!」

全員、大いに盛り上がりました!(笑)

みんなで風の強さを楽しんだ後は、筆島海岸へ。お客様に誘導され(?)普段歩かない場所(と、言っても数mずれているだけなのですが(^_^;))を歩いてみました。

そうしたら…

なんと壁面には“火山豆石”と思われるものが、たくさんあるではありませんか!!
こんなに綺麗な豆粒がいっぱい~!(^O^)

この豆石は、噴火の際に火山灰が水でくっついてできるそうです。
大量の火山灰を噴き出すような激しい噴火が、以前この場所の近くで起きていたのですね。

強い南西風を避けられるこの場所には、釣り人もたくさん集まっていました。
釣り人が立っているのは、大昔に流れた溶岩流の上。

その上に火山灰が降り積もり、爆発で飛んできた岩がめり込み、それを雨や波が削り、そしてそこに植物が生えて、今の風景ができています。

火山、海、雨(たぶん風も)、植物、人間、鳥(釣りの成果を狙って飛び回っているようでした)という様々なものが一度に見える目の前の景色に、しばらくボ~っと見とれてしまいました。

さて、このあと「クサヤ汁を見てみたい」というお客様のリクエストを受け、クサヤの製造、販売の藤文さんへ。
お店のご主人は私達の突然の訪問にもかかわらず、クサヤについて詳しく説明をしてくれました。

5代目とおっしゃるご主人は、地域によってクサヤ汁の中の細菌の種類が違うことも、本から説明してくれました。
魚醤の大会でも何度も発表されているとのこと。

説明が理論的で、そこに島の歴史が積み上げられている…コレってまさにジオパークではないですか!
「クサヤもジオだ~。」と思っていたら、そこに登場した島の方が「波浮を案内してあげる」と言ってくれました。

その方は元波浮小学校(中学校だったかも…)で教員をされていた方で、50年前の波浮の光景を(栄えた理由も含めて)鮮やかに再現して教えてくれました。

「この通りは、すれ違う人の肩が触れ合うくらいに混んでいたのですよ。私が来たころはその少し後でしたけれど。」
すごくリアルでわかりやすい(^O^)

伊豆大島のジオを語れる人ってこんなにたくさんいるんだ…そのことを再認識して、とてもうれしかったです。

火山と風と島の歴史と…いわき市からいらっしゃったご家族の方達と一緒に、私自身も“伊豆大島ジオパークの旅”を、心から楽しんだ一日でした。

(カナ)







コメント (4)
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