グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

マメコガネとアカテガニ

2010年07月11日 | 
今日は、ここ数日で出会った生き物の中から、印象深かったものを2つ報告します。

一つは、出会う回数がダントツに多いマメコガネです。

きっと野山を歩くことが好きな方なら、何度か目にされているのではないかと思います。
マメ科やブドウ科の植物を好む、1cm位の小さなコガネムシの仲間です。

1匹でいるよりも何匹か集まって同じ葉を食べていることが多いので、
葉がボロボロになっていて気づくこともあります。

昨晩はシチトウエビヅルの葉の上に8匹も集合していました!

内2組は交尾中、残り4匹は我関せず・・・。

この時は夜でしたが昼でもしょっちゅう交尾しています。
ジックリ見ると光沢のある体をしていて、とても綺麗です。

翅はツヤツヤした渋い赤色で…


胸も輝くような深緑です!


ところでこのマメコガネ君、幼虫時代はムカデや蟻やゴミムシに、
成虫の時は鳥やムシヒキアブなどに食べられる上、
土壌中の細菌にも寄生され、数が調整されているようです。

でもアメリカでは、天敵となる細菌がいなかったために大発生して食物に被害を与え、
「ジャパニーズビートル」と呼ばれて恐れられているとか…。

どうやらマメコガネは故郷の日本でよりも、アメリカでのほうが有名なようです。

さて、本日2つ目の生き物は…。
昨日の夕方、海岸近くの道路を歩いていたアカテガニ君です。

広い道路を横断中。


近づいたら鋏を振り上げて威嚇してきました。(その瞬間は撮れませんでしたけど)

なかなか強そうです。

同じ日の夜9時ごろ、ナイトツアーのお客様を案内していた鴻池と浜で合流したら、
道路にこのアカテガニがたくさん歩いていたという情報をもらいました。

アカテガニは普段は海の近くの森や草原で暮らしていますが、
夏の大潮の日没にあわせて集団で海に入り、子どもを海に放流すると言われています。

鴻池の撮った写真には卵を持ったカニが写っていましたし、昨日は大潮だったので、
カニ達はまさに海に出産に向かうところだったのかも知れません。

海に入っていくカニを見たくて、カニが歩いていたという現場に向かいましたが、
1時間ずれてしまっただけで、カニは1匹もいませんでした。
波打ち際は結構波立っているし、諦めました…残念~。
来年は忘れずに見に行かなければ!

さて、最後の写真もアカテガニです。

さかさまから写真を撮ったら、頭を掻いて笑っているように見えたもので…。


(カナ)





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梅雨の晴れ間に

2010年07月10日 | 
今日の伊豆大島は朝から青空が広がりました。
梅雨の晴れ間、まさに本来の意味の五月晴れです。

波浮港(はぶみなと)のディンギーも気持ちよさそう!
しかし風が強くて操縦には難儀していました。

7月に入って鳥たちのさえずりもぐっと少なくなってきました。
それでも日課の鳥探しです。





乳ヶ崎(ちがさき)ではカケスを見つけました。


え?
よくわからない?

でもカケスなんです!!

大島ではとても珍しいです。
年に数回見ることができます。





怒涛の中のクロサギ。


・・・そんなすごい波でもないですね。
もっと大きな波が来れば飛んで逃げますからー。






もう子育てが終わったのか!?
の、キアシシギ。


あるいは繁殖がうまくいかなかったのかもしれません。
そう思うとなんだか落ち込んでいるようにも見えました。







キリコロビ~ンのカワラヒワ。


キリコロビ~ンって?
そりゃ鳴き声ですよ。






パタパタシノリガモ。


風切羽がずいぶんとスレてきました。
尾羽もね。
今月中に抜け落ちるでしょうか!?




んもう、一生懸命にハグハグカリカリしていました。








哀愁漂う後頭部。








風にあおられて近づいてきたディンギーに驚いて逃げてます。


「きゃー!!」






そんなシノリガモを横目で見ている(?)ウミネコの子供。


今年生まれですね。
式根島産かなー?






お山の貯水池にはミサゴが!!









町の上の砂防ダムではツバメがのんびりと休んでいました。










そして本日のオマケ。
沖を往く新しくなった『にっぽん丸』


まったくステキに生まれ変わりました。
ちょっと前まで太平洋一周クルーズに行っていたそうです。

今日は『ふじ丸』も通って行きましたよ~。







今日出会った鳥たち(声のみを含む)
ウミウ、シノリガモ、オオミズナギドリ、ウミネコ、クロサギ、イソシギ、キアシシギ、ミサゴ、トビ、コジュケイ、キジ、カラスバト、キジバト、ホトトギス、ツバメ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ウグイス、セッカ、イイジマムシクイ、オオルリ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト



         がんま
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大島の下人は皆亀トの占を為るなり

2010年07月09日 | 歴史・文化
 昨夜から伊豆大島の南部は、かなり激しく雨が降っています。先ほど、新島・神津島には、大雨注意報がでていました。国内では、九州で被害が出ているそうです。災害が大きくならないことを願います。

 先週、夜中に日記でウミガメのことを書いていましたが、丁度その頃、近くの浜に亀が上陸して産卵していきました!



 翌朝(3日)、確認した産卵巣です。

 野田浜に上陸した母ガメのように、登った足跡と下った足跡が交差しています(トップ画像)。
足跡の幅を測ると1メートル近くの大きな個体であることが分かりました。

 大きな個体は、産卵巣も深いので、確認に手間取ります。確認できたら元通り埋め戻し、保護柵をして、温かく(笑)見守ります。

 実際に温かく卵塊を保護しているのは、太陽と砂浜の砂ですね・・・。



 上陸・産卵を調べて保護する他に、漂着するウミガメについても調べています。大島の場合、ほぼ100%死体での漂着です。
 クジラ類の場合、ストランディングを「漂着」とも「座礁」とも訳す場合があるようです。生存率が高いからでしょうか? ウミガメの場合、北の地方では、冬場に衰弱して漂着するものがあるようですが、大島での漂着は死体を確認するばかりです(涙)

 今年、甲長(こうちょう:甲羅の長さ)30センチに満たない小さなウミガメの漂着がありました。観察力の鋭い、わがガイドチームの同志が見つけてくれました!

(死体をなぜか嬉しがってない!? 見つけてくれたことを喜んでるだけですよ~ッ)

 下の画像は、その背甲です。漂着してから甲羅の一部が剥がれてしまったようです。
(死体なので、小さな画像にしておきます。)



 ウミガメの一種、タイマイです。ベッコウガメなどとも呼ばれる、甲羅をベッコウ細工に使うカメで、大島近海では珍しい種類です。たまに、イセエビ漁の網などに掛かることがあるようです。

 先週、「亀ト」という占いのことを少し書きましたが、亀の甲羅を使った亀トの始まりは古代中国の殷王朝時代(BC1401~1122年)とされ、占いの結果を書いた甲骨文字が漢字へと発展進化したとか何とか、歴史で勉強したような記憶があります。(かすかに)

 河南省安陽市にある、当時の都の遺跡から出土している亀甲は、主にカメの腹甲(ふくこう:おなか側の甲羅)を使っていて、内陸なのでウミガメではありません。

 この古代中国の亀トは、甲羅に錐(きり)で穴をほり、焼いた木の棒をもみこむ。その時に生じるひび割れの形「兆」には、120の型があり、それを見て吉凶を判断したといいます。占いの方法としては最高の地位をしめたとのことですが、大陸では紀元前にその歴史をほぼ終わらせているようです。

 古代の日本でも占いが重んじられ、基本とされたのは骨を焼いて占う太占(ふとまに)でした。
『古事記』(712年)には、鹿の肩骨を波々迦(ははか)で灼いたとあり、ウラミズザクラ・コンゴウザクラなどと呼ばれる木を使って焼いていたようです。

 「伊豆国大島の下人は皆亀トの占を為るなり、堀河院の時(836~891)の島の下人三人を上洛召て占せらる」と、先週予告編にも書いた時代のことです。

 下人・・・下々の民衆がやっていたことでも、この占いが当たったのでしょうか?

 亀トは、いつ頃に始まったのか、あるいは、伝来したのか分かりませんが、「王朝時代を通じて占いが重んじられ、亀トが神祇官(じんぎかん)の管拳となったのに対し、陰陽寮(おんようりょう)の管拳に易占があり、官ト・寮占と併称された」と記されたものもあります。
 
 平安時代初期の『延喜式』という書物(927年)には、伊豆5名・壱岐5名・対馬10名、計20名の亀トを世襲的に扱うト部(うらべ)が徴せられた、と記されています。都へ呼び集められた、ということですが5名の「伊豆」は何処だったのでしょうね。

 大朝時代この三国に「術の優れたる長者」がいて、亀トが盛んに行なわれていたようです。
   


 こちら↑は、アオウミガメの漂着体です。

 対馬・壱岐・伊豆(半島?諸島?)は、いずれも周囲が海ですので、亀トはウミガメの甲羅を用いていたのだろうと推測されます。

 そして、伊豆の亀トが最後まで残っていたのは八丈島でした。「一村に一人つ、亀トを為す者有り、卜部殿と云う」(『南方海島志』)。極秘のもとで行なわれた亀トは、中之郷と樫立村の卜部2軒で、毎年正月に1年の五穀豊熟を占っていたようですが、残念ながら、この両家とも明治18年頃までに島からいなくなり、伊豆諸島の亀トは尽きてしまったそうです。(『園翁交語』など)

 どうやら、この八丈島の亀トはアオウミガメの甲羅を使用したようなのですが、確かな種の記述は見つかりませんでした。

 それにしても、王朝時代から遥か千年以上の時を経て、明治の初めころまで伊豆諸島に亀トが伝えられていたとは驚きです!!




 海と離島とそこに生きる人々のパワーを感じます。
 
 それから、ウミガメのパワーも。


 これは、ちょっと波が高かった昨日の朝、確認した上陸跡です。
 

 


 残念ながら、硬い所でしたので、卵を産まずに戻っていました。

 (なるせ)
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シマホタルブクロ

2010年07月08日 | 植物
今、島のあちらこちらで、シマホタルブクロの白い花が目につきます。

シマホタルブクロはキキョウ科ホタルブクロの島嶼型で、本土のものより花が小さく、
全体に毛が無く、花数が多い、などの特徴があるそうです。
本土は4cm 八丈島は3cm、大島はその中間サイズ…と書いてある図鑑もあります。

「中間サイズって…3.5cm?見た感じ、もっと大きいような…?」

気になったので実際に測ってみました。

4cm!やはり大きい!

他の場所でも測ってみたら、小さいものもあって、大体3~4cmの間でした。
平均すると中間サイズって事になるのでしょうか?

毛が無くて花数が多いという特徴は納得できました。

茎や葉もツルツルだし…。


花も沢山ついて見事です!


でもなぜこんなふうに変化したのでしょう?
花が多いということは、それだけ種を作れる確率が低いとか…??

ところでこの花に関しては、花粉を媒介する昆虫の種類によって花の大きさが変化するという
昆虫と花の形質の変化を結びつけた有名な研究があります。

その研究によると
「本土ではマルハナバチの仲間がこの花の受粉を助けているけれども、
利島より南の島にはマルハナバチの仲間が存在しない。
利島以南では、もっと小型のハチたちが花粉の運び手となり、それに伴って花も小型化する。」そうです。

「大島にはマルハナバチの仲間は、コマルハナバチしかいないのだっけ…。」
そんな事を思いながら花の写真を撮っていたら、
小さな黒いハチが中に入って行きました。

そっと覗いてみたら、ハチは一心不乱に花粉を集めていました。
体つきからしてヒメハナバチの仲間でしょうか?
コマルハナバチの4分の1ぐらいの大きさです。

花粉が一杯ついた花柱に体を折り曲げてシッカリしがみつき、何周も回りながらどんどん集めていきます。

たまに足を滑らせたりしますが…。


すぐに体勢を立て直し、花粉集め続行。

体中に花粉をつけています。

ところで、上の三枚の写真、ハチは白い棒のようなものにつかまっていますよね?

実はこれ、開きたての花の中なのです。

シマホタルブクロの花は蕾のうちに花粉の入った袋が破れ、花が開く頃には雌しべの柱部分に一杯花粉をつけています。
ハチがつかまっている白い棒はこれなのです。

そして開花後2~3日経つと、下の写真のように先端が3つに割れ、花粉をキャッチする仕組みが整うようです。


このハチ君が体中に花粉をつけて帰ったとしても、花粉キャッチの準備ができている花に入らない限り、
シマホタルブクロの役には立たない事になります。

あの小さな黒いハチ君、花粉集めに集中していたけれど、ちゃんと別の花に蜜を吸いに入るのでしょうか?
でないと、ただの花粉泥棒になっちゃいますけど?

う~、いったい誰と誰(虫)の協力で、大島のシマホタルブクロは元気に生き続けていられるのでしょうか?

一つの植物だけでも、本当にわからないことだらけです。
また時間を作って、シマホタルブクロの前で張ってみなければ…。

(カナ)


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貝付きウミウシ

2010年07月07日 | 海の生物

先週に引き続きウミウシのお話です。
ウミウシが何者なのか何となく分っていただけたでしょうか? その中でも「貝付き」なんて呼ばれている種類があります。
先週にも書きましたが基本的にウミウシは貝殻がありません、でもそれほど多くない種類ですが今でも貝殻を持っている種がいます。
今回の写真はベニシボリと呼ばれていて、浅瀬の砂の中に隠れている綺麗な種ですね。

 この写真を見るとただの貝ですよね~、ウミウシとは違う生物の様に見えます。因みに上の方に付いている白いもこもこした物体は卵の塊です。
実はウミウシの世界はまだまだ混沌としていて、何処までがウミウシなのかハッキリしていません。
ある研究者はこれはウミウシではないと言っていますし、違う方はウミウシですと言っています。研究者の少ないこの世界では、名前もなかなか付かないほど研究が進んでいないのが現実のようです。
ただ私達一般ダイバーからすればウミウシであろうとなかろうと、ただ綺麗な生物を撮影出来れば良いだけなんですけどね。
色も派手で発見しやすいので、ビギナーダイバーの方でも比較的発見しやすいです。
陸上ではありえない色彩感覚をもった種もいますので、写真だけ見るだけでも面白いかも?

 海ガイド 石田

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花粉を飛ばすのは誰??

2010年07月06日 | 植物
今日も一日、雨の降らない夏日となりました。

最近困っている事の一つ。
くしゃみが頻繁に出て、鼻の奥までしばらく痛かったのです。
そして、とうとう喉まで痛くなって来て・・・

これは風邪というより、花粉なのでは??
そう思うと回りにも「あ、自分も思い当たる」という方がいるもので^^

今日は犯人探しをすべく、ちょっと花粉をつけそうな花を探して歩きました。

その中で一番怪しい!と思うのがこちら↓

ハルシャギク、帰化植物です。
見た目にとてもかわいく、花の名の由来も「かわいい花」だそうです^^

それはそれで良いのですが、この中心部、いかにも花粉が飛びそうですよね。。
花粉をもろに飛ばすのはイネ科の、実は地味~な植物が多いようではあるのですが、
本当に気分的な問題で、今回の犯人はこのかわいいお花なのでは?!
と決めつけている私です^^;

でも、今日撮影の為に近寄っても悪化してないので、きっと違うのでしょうね。
一般的にはこの時期に花粉症の原因としてあげられるのは「ホソムギ」「オオアワガエリ」「カモガヤ」だそうです。
しかし、年々花の季節も早巻きになっていますので、もう少し後の「カナムグラ」あたりが怪しいかもしれません。

さて、他に最近目立っている花です。

アガパンサス。これも外来ですが、とても華やかなので、人為的に好んで増やされたのかもしれませんね。わりと人家の傍にあります。

この1週間ほど、町のあちらこちらで勢いよく咲き誇って、圧倒的な存在感を見せつけています。


次はこれ↓

アメリカデイゴ。
赤い豆のような形をした面白い花をたくさんつけます。

そして、これが今、たくさん道に落ちて赤いじゅうたんが見られます。
和名が「カイコウズ(海紅豆)」と言うのだそうで、なかなかしっくりきますね^^

先週お伝えしているネムノキも加え、なにしろ梅雨って鮮やかな花が咲くのですね♪
くしゃみに悩まされたお陰で素敵な花達に出会えてなんだか得した気分です。

最後に、今朝発見した漂着物です↓

ヤシの実は時々海岸で発見する事が出来ます^^
どこの島から来たものかはわかりませんが、ヤシの実は相当な浮力を持っているという事ですね!
はるかな旅を続けてきたこの実に、南の島の香りをイメージしてみました♪

(友)

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来る物、去る者

2010年07月05日 | 
家の中にも(アリはもちろんゲジや5月はムカデに2回も噛みつかれてしまった。もちろん2匹共戦って私は勝ったけれど)家の外にも捜せば沢山虫が見つかるもので。
今日の庭にはアジサイにフタオビミドリトラカミキリが5~6匹やってきました。家でこんなにまとまって見たのは初めてでした。先夜の勉強会で見れなかった私の為に来てくれたのでしょうか?(ダニの付いている子はいないようでしたが)


網戸にも

                 
              オスを待っているのでしょうか。チャドクガ(家には産卵しないでください!)


椿の葉に居たこの子はアオバハゴロモの幼虫を足に付けて?(抱え込んでいるのかも)枝を移動していました。



ここ何日かシオヤアブも見かけました(嫌われたのか撮らせてはくれませんでした)
     他に
小さなカマキリもうろうろしています。


三匹いたアゲハ幼虫はきれいに見えなくなってしまいました。

最後の日に見た幼虫は頭とお尻の方に黒い穴が何か所かありました。ん~寄生されたかな…と
誰に食されたのか(大泣き)   アゲハママ 又、卵産んでいってね


金魚葉椿の変形“梵天”ただ一葉だけだったのにそれさえ誰かに食われてしまいました。(泣き)


私の観察がいい様にはならない物です。
                                 (しま)一喜一憂
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夏の夜の虫探し

2010年07月04日 | 
一昨日の夜、スタッフ勉強会で虫ウォッチングをしてきました。

方法は、まず店のデッキにライトトラップ用の白いシーツをたらし、
その後動物園から店まで車で移動し、トイレや自動販売機を全てチェック、
最後に店に戻ってシーツについている虫を観察するという,とても効率の良い方法です!

全行程2時間。写した写真は90枚。
いや~、実に色々な虫が現れました。

今回はその中の一部を紹介します。

まずはトイレにやってきた虫たち。
タカラダニを体にくっつけてちょっと困ったような(?)フタオビミドリトラカミキリ。

寄生する植物がアカメガシワ、クサギ、オオバヤシャブシ、スダジイ、等のようですから大島では食べるものに困らないでしょうね。
フタオビミドリトラカミキリは海流によって分布が広がった種類で、房総半島が北限だそうです。

願法が大喜びしたムネアカセンチコガネのオス。

ツヤツヤした美しい虫でした。
動物などの屍骸を餌にしているそうです。

チャバネアオカメムシ。

広葉樹からスギまでさまざまな植物から汁を吸う、大島ではよく見かけるカメムシです。
桜やクワが大好物だそうなので、島の子どもたち(大人も?)のライバルですね!

羽根が透けているスカシエダシャク。

翅の向こうにトイレの壁が透けて見えてます。
昼間これで枯葉の上にでも止まられたら、まるでわからないでしょうね。
南の方に住む蛾で関東南部が分布の北限なのですって。

次に自動販売機にやってきていた虫たちです。
圧倒的に蛾が多いです。

なかなか複雑な模様のシロテンキノメイガ。

ジックリ見ると綺麗ですが、1cmちょっとと小さいのであまり知られていないかもしれません。
普通種だそうです。

透明な翅がとても美しいマエアカスカシノメイガ。

ペットボトルに飲み物が入っていたらその色が透けて見えたことでしょう。

カイコの先祖に一番近いと言われているクワコちゃん。

「こんな縫いぐるみあったら買っちゃうかも!」
「買う買う~!」
好みの似ているスタッフなのでした。


自販機前の水溜りに浮かんでいたクサカゲロウ。

はかなげな美しい虫です。
水溜りから脱出できるのでしょうか?

幼虫はアブラムシの屍骸を背負ったままアブラムシに忍び寄り、捕食するツワモノです。
幼虫の姿を知りたい方は6月10日の日記をご覧下さい。

今回何匹も見かけたチャドクガ。
交尾中でした!

大きいほうがメス、黒い小さいほうがオスです。
チャドクガは成虫でも毒針毛を持っているそうです。皆さん素手では触らないようにしましょう。

店に戻ってきたら、シーツに色々な虫が付いていました。

ニイニイゼミ。

とても人懐っこく(?)私の背中に張り付き、他のスタッフに受けていました。

以上、まだまだ出たのですが今回はこの辺で。

夏の夜の虫探し、かなり楽しいです。

もし皆さんが、夜のトイレや自動販売機に張り付くカメラを持った人間達を見かけたら、
それは私たちかもしれません。
ぜひ仲間に入って、一緒に虫を探しましょう~。

(カナ)



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バフちゃん

2010年07月03日 | 
はじめまして。



バフちゃんでーす。

綺麗な淡い色合いですね。
なんの鳥だかわかりますか?




一生懸命食べ物を探す後ろ姿に萌えー。



あ、お仲間がやって来ました。



そうです。
バフちゃんはスズメなのです。


でもご覧のように普通のスズメと色が違います。
これは『白変種』という色素変化です。
鳥以外でもいろいろな生き物で確認されています。

鳥の場合は特に『バフ変』と言っています。
バフというのはもともとスイギュウの揉み皮のことで、その色が黄褐色っぽいので色を表す言葉にもなっています。

なので私はこのスズメに『バフちゃん』と名前を付けました。
もちろん勝手に。
体が白っぽいぶん真っ黒な目が目立って、かわいさを倍増していると思いませんか?




ほじほじ。




バフちゃんを初めて見たのはこの前の日曜日でした。
雨の降る中、数羽のスズメと一緒にいるのが車で通り過ぎた一瞬チラリと視界に入ったのです。
「あれ!?今の白っぽいの、スズメだよね!?」(←独り言です)
引き帰して探しましたがもう近くに姿はありませんでした。

それから毎日目撃した場所やその周辺に通っては白いスズメの姿を探しました。
しかし普通のスズメはたくさんいるのに白いスズメなんてちっとも見かけません。

あれは幻だったのか・・・

と、諦めかけた昨日の夕方。



天使は舞い降りました (まさに!!)




おいちー。





実はバフ変のスズメを見るのは2回目です。
一昨年2008年の夏にもこの近くで見つけているのです。

この写真のバフちゃんは今年産まれのスズメ(巣立って間もないスズメに見られるクチバシの端の黄色い部分が確認できます)なので以前のスズメと同一ということはありえません。

しかし血縁関係があるのでしょうか?
バフ変は遺伝するのでしょうか?
近くでまた出たということにはなにか意味が!?




それがどーしたの?



とでも言っているような顔・・・(笑)
うんうん、バフちゃんにはそんなこと、どうでもいいことだよね!
元気に逞しく生き抜いていって欲しいです。



バフちゃんは郷土資料館周辺で仲間と一緒にわいわいやっていると思います。
実物は「はっ!」とするほど白くて目立ちます。
ぜひ探してみてください。






今日出会った鳥(声のみを含む)
ウミウ、シノリガモ、オオミズナギドリ、オオセグロカモメ、ウミネコ、チュウサギ、イソシギ、トビ、コジュケイ、キジ、キジバト、ホトトギス、アマツバメ、ツバメ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ウグイス、セッカ、イイジマムシクイ、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト



        がんま
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大島の下人は・・・(予告編)

2010年07月02日 | 歴史・文化
 今朝、用事を済ませて仕事先へ到着すると、電話連絡が入りました。

 島の北端に近い野田浜(ぬたのはま)に、ウミガメの上陸跡があるという情報です。

 「この浜にも、以前ウミガメの上陸跡があった」と近くにお住まいの方から教えて頂きましたが、私たちが調べ始めてからの20年程は上陸跡が確認されていませんでした。

 この足跡はアカウミガメと思われます。



 上陸痕跡を見つけたら、上陸して海へ戻った「道順」を確認します。この足跡は途中でクロスしているので、どなたにも分かりやすいですね。スコップの側から上陸して、繁みの方まで行き、左手の方へと帰海しています。

 突然ですが、ウミガメを召し上がったことがありますか?

 海外旅行でウミガメのスープなどを味わった方もいらっしゃると思います。小笠原でウミガメ料理を食べた、小笠原の土産にウミガメ肉の缶詰をもらった・・・などなど。ウミガメ食の経験者は少なくないかもしれません。

 普段、私は爬虫類を食べません。でも、ヘビやウミヘビなどを伝統的に食べる地方もありますし、大島でもマムシ(毒蛇)を焼酎漬にしたり、肉をあぶって食べる方もいます。これは、食事にというより、滋養強壮のためのようです。
 ウミガメ漁やウミガメの食習慣がある地域も世界各地にあって、特別珍しいことではないようです。日本でも昔は、産卵のために上陸して来たカメを捕まえて食料にしていた地域もありました。



 足跡の幅は、80~90センチ程で、中型です。

 元町の南側に地曳浜(じびきはま)があり、この浜の南端の下高洞(しもたかぼら)という地域に縄文時代早期の遺跡があります。8000年程前の住居址などからウミガメの骨が出土していて、町教育委員会の調査報告書によると、上腕骨、頭頂骨、背甲骨板などが発見されていますが、アオウミガメの小さな個体のもののみだったそうです。興味深いことです。

 アオウミガメは、大島の沿岸に年間を通じて生息していて、潜水漁やダイビングの方々によく目撃されています。陸上からも、海面に呼吸のために顔を出すカメが、よく見られるポイントがありす。縄文時代の大島の海はどんな様子だったのでしょう???

 アオウミガメの小さな個体は、産卵に上陸することはありませんから、縄文人は海に潜ってウミガメを捕らえていたのではないでしょうか。



 足跡は植栽の際まで達していました。やわらかな砂の層が20~25センチしかなく、その下は硬い赤土でしたので、産卵巣が掘れずに帰海したと判断しました。普通、50センチ程の穴が掘れないと卵を産まずに戻ってしまいます。

 東京湾内の縄文遺跡からもウミガメの骨が出土され、広くウミガメ漁と食習慣があったことがわかっています。大島で古老から伺った話では、素潜り漁でロープの付いた銛(もり)を使って、カメの首や前肢付け根のやわらかい部分を突いて獲ったそうです。

 沖縄や小笠原だけでなく伊豆諸島にも、ウミガメ漁(食)の文化が残っています。八丈島で頭数を限って許可を受けた漁をしています。食習慣と野生生物の保護の問題は微妙ですね。

 さてさて、『南方海島志』という書物に「伊豆国大島の下人は、皆亀トの占を為るなり、堀河院の時の島の下人三人を上洛召て占せらる」とあります。
 ここにいう「下人」とは、一般住人のことでしょうか? 亀ト(きぼく)の占いを皆がしていたのは、「堀河院」藤原基経(836~891)の時代。3人の島人が都に招かれて亀トの占いをした・・・という記述に読めます。

 伊豆諸島でのウミガメ漁は、食文化だけではなかったようです。
 この続きは、またの機会に。
 請うご期待!

 (なるせ) 


 
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