グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

セグロセキレイ

2010年11月20日 | 

今日はセグロセキレイを見つけました。セグロセキレイは伊豆大島ではちょっと珍しいセキレイです。

冬になるとやってきますが渡ってくる数自体が少ないのでしょう、なかなかお目にかかれません。姿を見つけるよりもその声で存在がわかります。ハクセキレイやキセキレイのように澄んだ声ではなく、「ジェッ、ジェッ」と濁った声なのです。

今日もその声で気付きました。

見ているとあちこち食べ物を探して歩き回ったあと、水浴びを始めました。

      

               

初めて見ました!セグロセキレイの水浴び~。

 

そして水浴びのあとは・・・

      

      

せっせ、せっせと羽繕いです。

こういう鳥たちの仕草は見ていて飽きることがありません。とっても可愛らしいです。

 

セグロセキレイは世界でも日本にしかいない固有種です。(しかし朝鮮半島や台湾、中国などでも観察され、一部では繁殖例もあります)

海外のバーダー(鳥を見る人たちのことね!)が日本に来たら絶対見たい鳥のひとつなんだそうです。

このセグロセキレイ、一冬をここで過してくれるとうれしいです。

 

こちらは近くにいたハクセキレイ。

顔の白さが違いますね。

 

 

今日出会った鳥たち(声のみを含む)

ウミウ、シノリガモ、ウミアイサ、オオセグロカモメまたはセグロカモメ、ウミネコ、クロサギ、イソシギ、ミサゴ、トビ、ノスリ、オオタカまたはハイタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、コジュケイ、キジ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、アカハラまたはシロハラ、ツグミ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、マヒワ、アトリ、ウソ、イカル、シメ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト

           がんま

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村役場の杜

2010年11月19日 | 歴史・文化

 このところ、年末の頃の寒さになったり、気温の変化が激しいですね。体調管理をしっかりしたいものです!

 今日は、島に唯一残る村役場のご紹介です。

 大島町が出来る前、伊豆大島には6つの村がありました。波浮港村、差木地村、野増村、元村、岡田村、泉津村、この6つの村。今では、旧六ケ村(きゅうろっかそん)とも呼ばれます。

 1955年(昭30)年に合併して、町制が施行され、大島町になりました。それ以前は、村役場が6ヶ所あったわけですが、現在残されているのは、差木地(さしきじ)の旧差木地村役場だけです。

 旧村役場は、集落の北側の小高い場所にあります。大きな木々に囲まれた静かな所です。見出し↑は、近くにあるビャクシン(イブキ)の並木。

 こんな↑一抱え以上もあるビャクシンが何本もあります。集落を季節風から守るために植えられたのでしょうか。 

  大きく枝を広げた太いタブノキ↓も多いこと!

 暑い夏でも、ここへ来ると、木陰で涼しい風を感じられますよ。

 で、肝心の村役場の建物は、こちら↓です。

 この村役場庁舎は、1913年(大正2年)に総工費1200円で建築されたそうです。もうすぐ100歳ですね。

 1955年(昭和30年)4月1日に、大島町になってから9年間、町役場差木地支所としても利用されていました。

 こちらは、出入り口(玄関)。なかなか風格があります。でも、結構小さいんです。建物の総面積は、153㎡ほど(約46坪)。そして、大島町の記念建築物でもあります。

 現在は、老人クラブの方々が管理されているようです。 

 周囲には、こんな感じの古い石垣↓があって・・・

  苔むして、マメヅタやイノモトソウなどのシダ植物も見られます。

 杜(もり)といった感じの太い・・・スダジイ、イヌマキなどの木々も見られます。

 都道からは、ちょっと奥まっているので、分かりにくいですが、差木地公民館の近くを探してみて下さい。

(なるせ)

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今日のツアーと最近の花

2010年11月18日 | ツアー

今日は鴻池、願法、私の3人で、大島支庁産業課の方達の2回目の三原山ツアーに行ってきました。

 

今回のツアーは、産業課の方達が「大島の火山や自然を勉強しよう」という主旨で、

交代でほぼ全員参加のツアーを企画してくださったもので、あと1回行われる予定です。

 

ツアー前半は、安永の縄状溶岩の横でウロウロしていたコニワハンミョウを、鴻池が粘り勝ちで捕まえて(^O^)

 皆で美しいメタリックブルーの体を観察したり、キラキラ光るススキ野原を眺めたり、

道沿いで見られる様々な、三原山の作った芸術作品を観賞したりしながら、山頂へ向かいました。

 

「天気も良いし、風も弱し、こんな良い条件はめったにないね~。」等と言いながら

ホルニト(溢れ出た溶岩が造った塚)とその向うのキラキラ光る海を眺めました。

 

 

迫力の火口もクッキリと見え、皆で雄大な景色を楽しみました。

「ここなら誰でもホールインワンするよな~。」ある方の発言に一同爆笑!

「確かに~。穴まで届けば。」そんな会話で盛り上がりました。

 

この後しばらくは快適に歩けたのですが、下山する頃からだんだん雲行きが怪しくなり、

真黒い雲が頭上を覆い始めました。

そしてついに一瞬、アラレ(?)というような大粒の雨が…。

 

今日は1日晴れとの予報を信じて疑わなかったのですが…さすが山の天気です。

軽くみすぎました(^_^;)

 

溶岩流に乗って流されたアグルチネートの、黒い彫刻の森のような風景は、

かつて経験した事が無いほど真っ暗で、ちょっと恐ろしいような不気味な雰囲気を漂わせていました。

後ろを振り返ると三原山の向うには青空が見えているのですが(^_^;)

 

しかしさすが現場で鍛えた産業課のメンバーです。

「これはコレでめったにできない経験かも。」という前向きな姿勢で(^O^)

周囲の観察も怠りなく、歩き通しました!

 

歩き終わりにはほぼ雨もやみ、美しい紅葉が私達を出迎えてくれました。

皆で立ち止まってしばし紅葉観賞~。

 

 

終了後、本日の雨降りツアーを記念して(?)皆で記念撮影しました。

 

雨の中でも笑顔の絶えない、素敵な時間でした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

 

「島の事を勉強するぞ~!」という皆さんの意気込みが、とても嬉しいです。

また、機会がありましたらご一緒したいです。

  

さて、最後に今日のツアーの前後に見た植物の紹介です。

 

まずは妙に目立っていたイズホソバテンナンショウの実。

半分だけ鳥にでもかじられたのでしょうか?

赤い実が取れた跡も意外に綺麗な模様で残っていて、ちょっと飾っておきたい感じでした。(私だけ?

 

そして山の中腹の林道で見られるイズノシマダイモンジソウの花。

リボンのような可愛い花です。

私はこの花が咲く、森の中の湿った崖の、静かな雰囲気が大好きなのです。

 

雨が降っても風が吹いても結局のところ、今日も良い1日でした(^O^)

 

(カナ)

 

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レッドデータ調査報告 vol.2

2010年11月17日 | 海の生物

  11月3日の日記に大島で行われた「レッドデータブック再登録」の調査を行った記事を書きました。
今回は、その続編です。

再度、説明させて頂きますと、10月18日~21日にかけて
東京都のレッドデータブックの再登録に伴う調査が行われました。
私がご協力させて頂いたのは「汽水・淡水性のカニ類」の調査です。

11月3日の日記にはケイカイでの調査の記録を書きました。
如何にケイカイの環境が貴重な物であり
保護して行かねばならない生物が生息しているのかが伝わってくれていれば嬉しいです。
無暗な工事は考えて行かねばならないでしょう。

今回調査を行ったのは、このケイカイの他に
野田浜・和泉浜・筆島海岸・砂の浜・フノウの滝です。

初日は、ケイカイの後に和泉浜に向いました。
残念ながらここでは、特に成果は無し・・・ヒメアカイソガニが見られた位です。

このカニも汽水のカニです。
ケイカイでも勿論見られました。 専門家曰く「このカニが居るという事は海岸が良好な状態だという事」だそうです。
何だか嬉しいですね。

和泉は早々に切り上げ、野田浜へ。
何故、野田浜かというと、島の方が「コヌタ」と呼んでいる、我々ダイバーがダイビングスポットにしている所があります。
その横に、大きな淡水の溜りがあるのです。
水が非常に濁っている事が多く、中に入った事は無いのですが、いつも生物が居そうな気配がありません。
その場所の浅い水深にある石を捲ってみました。
出てきたカニは、2種類。
カクベンケイガニ(これも3日の日記に登場してます。)とベンケイガニです。
両方とも基本的には陸に棲むカニですが、同行した専門家の方の話では
今回の様に水に入る事もあるそうです。
大島で良く見る陸のカニは「カクベンケイガニ」と「アカテガニ」
私もこの2種だけだと思っていました。しかし、今回の調査でベンケイガニを発見!!

今回の調査で参考にした資料に「伊豆大島及びその付近海域のカニについて」という論文があります。
これは、1954年~1965年にかけ、大島の水産試験場に勤務していらした倉田 洋二さんという方が、
当時金沢水族館にいらした鈴木 克美さんと共著で書かれた論文です。
これが、今改めて見ても驚くべき内容の物で、この論文が手元に無ければ、今回の調査は成り立たなかったと思っています。、
それを見ると、今回発見した「ベンケイガニ」は載っていません。
正式な記録しては、今回のが初記録となるでしょう。
これは、思わぬ大収穫でした。
この日は、これで終了。先のケイカイの結果と合わせてみると好スタートです。

今回いらした学者の方は、ダイバーでもあり
水中にも水が湧いている場所がある話をしたら、是非調査したいという事で
翌日は、タンクを背負っての水中調査です。
もしかして、凄いカニが見つかるかも~~と思ったのですが残念、そう上手くは行きませんでした・・・

3日目は、まず大島の海岸線で一番水が沸いていると行っても過言ではない筆島海岸に行ってみました。
確かに水は凄い量で湧いているのですが、飲み水確保の為にコンクリートで壁が作られています。
そのせいか、カニは勿論、淡水性のエビも居ませんでした。。。
学者の方曰く、このコンクリートの壁は高さが有り過ぎて、甲殻類は登れないという話です。。。
堰きとめられて無い場所も探したのですが、結局何も発見出来ませんでした。
やはり、この海岸は常時波辺りが強く生物が居付くのには過酷なようです。
その証拠に、砂浜に貝殻が全然落ちていません。。。 何だか納得の話でした。

帰り道に砂の浜でスナガニ探し。
砂浜の少ない大島では、スナガニ類も調査の対象です。「ミナミスナガニ」はレッドデータの対象種になっているでそうです。
カニ穴を掘ってみると、出てきました。スナガニの仲間
今同定中なのではっきりした事は分りませんが、「スナガニ」か「ミナミスナガニ」どちらかです。


非常に多くのカニ穴が、この浜には開いており、ここもこの環境がなくなったら不味い事になるでしょう。
しかも、ウミガメが産卵にも来る貴重な場所です。今、橋の工事や沖に消波ブロックを入れる計画があるのですが
それらが、どう影響を生むのか心配です。
波の影響により、砂浜が後退しているという話ですが、ブロックを入れれば本当に砂が無くならないのでしょうか?
逆に砂が戻って来なくなるなんて事態が起きる事も懸念されます。

先の論文を元に見ると
砂の浜にスナガニ・間伏浜にミナミスナガニ・前浜にコメツキガニとあります。
う~~ん 間伏浜って何処になるんでしょうか?
第2砂の浜と呼ばれている場所でしょうか? それとももっと波浮側でしょうか?
どなたか、これをご覧の島の方教えて下さい。

そして、「前浜」ここは元町港のすぐ北側らしく
論文上の地図を見ると、今の浜の湯の下辺りになりそうです。
残念ながら今現在、この辺りに砂浜は無く、コンクリートの壁があります。
つまり、環境ごとここに居た「コメツキガニ」は絶滅した事になります。
う~~ん また難しい問題ですね。港周辺の開発は島民にとっては必要な面もあります。
しかし、貴重な環境を潰してしまった事も事実です。
公共事業と自然保護・・・・ 永遠のテーマですね。

その後は、フノウの滝へ行ってみました。
目的は・・・ 
おっと、何だかまた長くなってしまったので次回に続きます。

(有馬)

 

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「島ガール」企画

2010年11月16日 | ツアー
 昨日、自転車でちょっと町乗りをしてきました。
「島ガールツアー」という新しい企画の下見です。

東海汽船さんがツアー主催者。現地ガイドはグローバルが引き受ける事になりました。
まずはモニターツアーが必要という事で、12月の11、12日に1泊2日で実施されます。
http://www.tokaikisen.co.jp/info/info_0000132.html詳しくは東海汽船さんのページをご覧ください^^

11日、大島に到着してから島の概要についてレクチャー、その後
実際に山をガイドと共に歩きます。
夜は温泉とおいしい島食と、星空観察までやっちゃいます!

そして翌、12日には2つの選択肢から活動を選べるのですが、
一つはお馴染み体験ダイビング。そしてもう一つが自転車でのエコツアーなのですっ・・・

自転車エコツアーを選んだ場合にはどんな半日を過ごす事になるのでしょう?

だいたい島の北西部をめぐるつもりでいます。

まずは砂浜に下りて、ステキな貝殻やシーグラスを拾い集めてみました。
相当厳選しても両手いっぱいぐらいは拾えちゃいます♪
これでフォトスタンドを作ろうかな?キャンドルホルダーが良いかな?とワクワクしますね^^

さて、次は釣りの人気スポットに下りてちょっとガケップチ気分を味わいましょう^^!

バビュ~ン!と飛ぶように走る高速艇、魚を狙う鳥、キラキラ輝く水面、そしてドクドクと流れ出たその様子が手に取るように分かる溶岩の足元・・・思わずカメラを構えたくなる風景が、そこかしこにあふれています。

次は海の青さを実感してもらえる見晴らしポイントへ。

透明度が良くて、海の中の岩までがよく見えます!!
そこからは、こんな景色も・・・↓

遠くからクジラが現れたように見えるこの景色が私は大好きです♪

そしてまたしばらく自転車をこぎ進め・・・

この見晴らしポイントではちょっとイルカさんを探してみましょう!
最近はこのあたりにイルカさん出没情報があるのです^^



昨日登った三原の山が遠くに霞んで見えています。

さぁ、もうひと山登ってみましょうか♪
今日登るのは古い火山で、今はすでに森になっている所です。
昨日のカルデラ内との違いを実際に目で見て感じて下さい。
そして、そのてっぺんに辿り着いた時の景色の素晴らしさに感動してください!!

自転車こいで、山にも登って、磯まで歩いてお腹がすきましたね^^
さてそろそろ自転車エコツアーは終了ですっ。

ダイビング組のみなさんと合流して、楽しい女子ランチで旅の締めくくりです!!


いかがでしょうか?
こんな、島満喫のツアーを定期的に実施していく事になるかもしれません。
皆さまもし、面白そう!と感じて下さいましたなら、お近くの山ガールさんに一声かけてみてくださいね♪

これは企画段階。
まだまだ改良して楽しいツアーになっていく事と思います。
時代とともに、「島ガール」ここに誕生!!
お友達とご一緒に参加してみてはいかがでしょうか^o^?!


(友)
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ルリチュウレンジバチ

2010年11月15日 | 植物

 

庭の蕗に花が咲いてきました。

 

 

誰でしょうか蕗の葉を食しているのは?残念犯人を取り逃がしてしまいました。

 

他には…

 

 

躑躅の葉がだれぞに 食われている~  それも大量に食していますね

こちらは犯人現認しました。

ルリチュウレンジバチの幼虫ですね。見れば沢山付いています。

 

これからどうしょう?ハバチの幼虫の皆さんは食欲旺盛なので殺すべきか?これから寒くなるのでこのままにしておくべきか?(駆除するのが、かわいそう度50% 面倒くさい度25% 気持ち悪い度25%)

この幼虫君たち普通に過ごせば木の根元の土にもぐって蛹化。そして、来春(この季節ですから)に成虫なるのかな。

 

成虫は濃紺のきれいな蜂で、三原山で見かけるヘマタイトのようなメタリック調(カメラを向けるもピントが合わずNG トホホ)

 

 

でも、この成虫が蜂に分類されるのはちょっと意外。じゃあ何に分類されれば納得するかといえば昆虫初心者の私にとっては???ですが…。幼虫の方も蛾だと思っていたのですから。

 

しっかり勉強しなくては  (しま)

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秋らしいツアーを楽しんでいます!

2010年11月14日 | ツアー

このところ忙しく、火山の勉強が進みません…。

なので今回は、ここ2日間のツアー報告をしたいと思います。

何しろ楽しい発見が沢山あって、これをお伝えしないのはもったいないので。

 

ツアーでは、一昨日にテキサスコースから温泉ホテルへ抜ける道を、

昨日は山頂口から火口を一周し温泉ホテルへ抜ける道を、それぞれ2名のお客様と歩きました。 

 

一昨日のツアーでは、1986年のB溶岩流上のオオムラサキシキブに初めて気がつきました。

まだハチジョウイタドリと同じぐらいの背の高さですが、、しっかりと美しい紫色の実を実らせていました。

鳥が食べこぼした種が成長したのでしょうか?

 

もしかしたらこれは、24年前の溶岩流上に根を下ろした第一号のオオムラサキシキブかもしれません。

こんなに栄養の無さそうな場所で成長して実まで付けるのですから、本当に逞しいですね。

  

 

樹海に差し掛かる手前では、美しい真っ白な蛾を見かけました。

ウスキツバメエダシャクです。

 

こんな変な恰好のまま微動だにせず、固まっていました。

後ろ足1本だけを地面につけて、残りの足は不安定な草の上に乗せたまま踏ん張っているのが何ともおかしかったです。

 

大学時代に動植物研究会(正確ではないかも・・・)に所属していらしたというお客様は

「羽化したてで翅が乾いていなくて飛べないのでは?」と蛾の立場に立って、語っていらっしゃいました(^O^)

 

もしその通りだったとしたら、広い世界に出てきたとたんに巨大な生き物に取り囲まれ、カメラを向けられたウスキツバメエダシャクは、

さぞかしビックリしたことでしょう(^_^;)

 

さて、次に昨日のツアーですが、私的な一番のヒットはコレです!(お客様はかなり引いていらっしゃいましたが(^_^;))

オオバヤシャブシの葉の上で下半身を振り回しながら葉をムシャムシャ食べるイモムシの集団を見かけたのです!

 

帰って調べたら、これは“ヒラアシハバチの幼虫”だということがわかりました。

10月ごろ土中に潜ってサナギになるようです。

今年はまだ気温が高いので、土に潜るのを先に延ばして食事をしていたのかもしれません。

 

しかし何で体を振りながら、葉を食べるのでしょうかね?

中には「エイヤッ!」とばかりに倒立して、葉を食べている者まで居ました。

なんとも、すごい技ですよね~?(感心)

 

1986年A溶岩流の上ではお客様が、火山礫の下から糸のように細い緑の葉が伸びているのを見つけて、教えて下さいました。

場所と種の形からして、「ススキの芽生えに違いない!」ということになり、これまた盛り上がりました。

 

今まで意識したことがありませんでしたが、ススキの種は秋に芽生えるのでしょうか?

そして、火山礫の下で寒い冬を過ごすのでしょうか?

またまた観察課題が増えました~。

 

1986年のスコリア上にできたススキの草原の中では、真っ赤な葉を見つけました。

「何だろう?」

 

近づいて何の木か確認したら、マユミでした。

 

噴火後24年が経つスコリアの上には、貧栄養に耐えるオオバヤシャブシやニオイウツギに混ざって

もう、大島のカルデラ外の森に生きる樹木が、確実に育っているようです。

今までは、周囲の緑に溶け込んでいて、気付かなかったのですね・・・。

 

しかし、本当にモミジか?と思うほどの赤い色でした。

どうやら日あたりの良い場所に生えるマユミは、こんな綺麗な色を出すようです。

 

山頂口から見渡す景色の中にも、所々に鮮明な赤が混ざっているのですが、それもマユミかもしれませんね

 

さて、こちらは森の中。

葉が赤くなる前に、全て食べられて無くなってしまいそうなマユミの木です。

昨年と同じようにミノウスバのメスが卵を産んでいました。

肉眼では気づきませんでしたが、写真には卵を自分の体毛で保護する親の姿が映っていました。

 

両日とも薄曇でしたが短時間だけ太陽が顔を出し、キラキラ輝くススキの風景を楽しんでいただく事ができました。

この美しさは、とても写真では再現しきれません。

次の噴火ではきっとまたスコリアが降り積もり、真っ黒な砂漠からの再生が始ることでしょう。

そうしたら何年間かは、このキラキラ輝く一面のススキという光景は見られなくなります。

 

三原山の噴火とススキの生命力が作り出す、今がまさに旬の美しい景色。

 

一人でも多くの方に見ていただきたいです。

皆さん、時間を作って、ぜひカルデラへお出かけください~。

 

(カナ)

 
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ギンムクドリ

2010年11月13日 | 

黄砂が大島にまで飛んできたのでしょうか?そう思うとなんだかどこもかしこも黄色っぽく見えた一日でした。

そんな中で見つけたのがギンムクドリです。夕方の牧場にムクドリと2羽でいました。せっかく牧場にいるのにこんな電線止まりですが。

伊豆大島には以前2008年12月~2009年4月まで同じ場所に滞在していたことがあります。まさかそのときと同じ個体ではないでしょう。

ギンムクドリは東日本ではかなり珍しい鳥なのです。

 ぱっと見はコムクドリっぽいですがクチバシと脚の色が違います。コムクドリは両方とも黒です。

 

 

 なんかヒゲみたいな模様がありますね。

 

 

 真下から失礼!落し物がないかとヒヤヒヤしました(笑)

 

 

 頭部と体の色がほぼ同じなのでメスだと思われます。オスはもっとメリハリのある体色でさらに美しいです。

まだ実際に見たことありませんが・・・

 

 

 一緒にいたムクドリと。スギに止まりましたが遠~い!!

2年前の冬のように数ヶ月滞在して私たちを楽しませてくれるとうれしいです。

 

 

 

今日出会った鳥たち(声のみを含む)

ウミウ、オオミズナギドリ、オオセグロカモメまたはセグロカモメ、ウミネコ、チュウサギ、クロサギ、アオサギ、イソシギ、ミサゴ、トビ、ノスリ、オオタカ、ハイタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、コジュケイ、キジ、カラスバト、キジバト、ハクセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、アカハラまたはシロハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、マヒワ、アトリ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ギンムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト

                 がんま

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おがみむし

2010年11月12日 | 

 今週は、元町にある大きなクスノキ↑の近くで仕事をさせてもらいました。

大きく枝が広がって、気持ちの良い樹形です。

 クスノキは、大島には自生していなかったそうです。愛宕山の神社にスーッと伸びた大きな木がありますが、何人もで抱える程の太さのものは大島にないようです。明治時代頃に移入されたものでしょうか?

  クスノキの枝にカマキリがいたので、カメラを取りに行っている間に、どこえやら?見失ってしまいました。

  先月末の台風14号の風の影響はないものかと、屋根に登ってみたら、カマキリがいました。最近、網戸や家の外壁に登っているのを目にすることが多くなったカマキリたち。卵を産む場所を探しているのか・・・と思ったら。

 お食事中でした↓。

 アシナガバチの仲間を捕らえて、食べ始めたところのようです。

[ オオカマキリ ]

夏には、こんな↓大きな獲物を相手にしていました。お盆の頃です。

 相手が人間のように大きくても、

 やるかッ!?  と、威嚇:いかくのポーズでひるみません。

鎌の内側に模様のある[ コカミキリ ]↓

 昔の人たちは、胸の前で手を合わせる「祈り」の姿と見たようで、

「おがみむし」と呼ぶ地方も多いようですね。

英語でも「Praying mantis:祈り虫」とも。

 日本には、10種ほどのカマキリの仲間がいます(一説には11種?)

大島には、その内の何種がいるのでしょう?

【おまけの1枚】

 カマキリは、サナギにならずに、脱皮を繰り返して、

そのままの姿で成虫になります。これを不完全変態といいます。

これは、そのカマキリの抜け殻。

こうゆうものを見つけて喜んでいる人を、

完全変態と呼ぶそうな。(笑)

(なるせ)

 

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キタテハとイチモンジセセリ

2010年11月11日 | 

秋の終わりを飾る花が見ごろを迎え、虫達は花の回りをしきりに飛び交い

夢中になって蜜を吸ったり、花粉を食べたりしています。

 

数日前のノコンギク

ハチやら蝶やらハナムグリやら、様々な虫が集まってきて賑やかでした。

 

キタテハは2匹で仲良く飛び回り、時々花に止まって翅を広げていました。

 

ところでキタテハの幼虫の食草は、クワ科のカナムグラだそうです。

ハテ?大島にカナムグラってありましたっけ?

私は見た記憶がないのですが…。

 

2匹仲良く風に乗って、本土から飛んできたのでしょうか?

それとも、大島にカナムグラが存在しているのでしょうか?

あるいは大島ではカナムグラ以外の物を食べるように幼虫が食草を変えたのでしょうか?

キタテハを見たことで、疑問がフツフツと湧いてきました(^_^;)

 

花の回りを飛び交う蝶の数は、さすがに夏より少なくなりましたが

まだまだ頑張っている蝶もいます。

 

島の中のいたるところで見ることのできるイチモンジセセリ。

 

 

蝶の中ではかなり地味ですが、写真に撮ってしみじみ見たら

ボディが様々な色に輝いていて、以外に綺麗な事に気づきました。

 

 

数が多い分、他の生き物の餌になる事も多いみたいですが…。

 

 

ところで、このイチモンジセセリの幼虫の食草は、ススキなどのイネ科植物です。

そして、食料となるススキで上手に家を造ってその中で越冬します。

 

大島には無数にあるとも言えるススキを利用して生きているから

とても沢山のイチモンジセセリがいるのですね。

 

昨年、イチモンジセセリの巣をさがして歩いた事があります。

根気良く諦めずに探した時だけ、見つけることができました。

 

秋に見つけた巣はこんな形をしていました。

二つ折りにした葉をピタリとくっつけて、じつに上手に巣を作っています。

これなら、冷たい冬の風からも身を守ることができそうですよね。

 

そして春に巣を開けてみた時は、中からこんな幼虫が出てきました。

 

何だか幼虫の、ぬいぐるみ的可愛さがないですが…(偏見はダメ?笑)

 

虫も花も少なくなるこれからの季節、生き物たちの冬越しの様子を探して歩くのは

とても楽しそうです。

 

秋の草花や虫達をもう少し楽しんでから、冬に向けての計画を立てようと思っています(^O^)

 

(カナ)

 

 

 

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