浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

蜘蛛の巣

2013-10-07 18:23:48 | 読書
 一人暮らしの老人宅に、最低月一回訪問している。「お元気ですか!」と問いかけると、にこやかな笑顔でいろいろ話してくれる。なかにはプライバシーに関わるようなことまで話されるので困惑することがある。

 昨日も8軒訪問した。なかには近所とのつきあいもなく、一日中ほとんど誰とも話さない方がいる。ボクが訪ねていくと、まってましたとばかりに話し始めるので、なかなか話しは終わらない。ボクはにこやかに相づちを打って話しを聞く。どこで話しを打ち切って良いか分からないほど、次々と話題がでてくる。

 話す場をつくることが、老人たちの健康を維持するために必要だとつくづくと思う。

 ほとんどのお宅は、女性一人である。ご主人に先立たれ、子どもは結婚してどこかに住んでいる。そして子どもはあまり帰ってくることはない。

 現代の家族関係は難しい。

 いちおう一人暮らしとなってはいるが、実際は娘夫婦(同居しているが別の世帯となっている)と暮らしている人は、元気で幸せそうだ。

 昨日ある家の軒先や、玄関の入口に、たくさんの蜘蛛の巣があった。蜘蛛の巣がはられていると、どうも荒れているような気がしてしまう。健康な人であれば、蜘蛛の巣を見つけたら何らかの方法で除去するだろうが、その方はあまり健康ではない。

 竹箒でもあれば除去してあげるのだが、それもなかった。今度訪問するときは、蜘蛛の巣を撤去してあげようと思う。

 いくつもの蜘蛛の巣がはっている家は、さびしい感じがする。秋は、日暮れが早いから、よけいにさびしさが増す・・。
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純化

2013-10-07 08:10:01 | 日記
 国境を越えて金儲けに走る企業とその企業活動によって莫大な利益を得る者ども、それをボクはグローバル・キャピタリストと呼んでいる。

 今日の『中日新聞』トップは、TPP関連のニュース。

「聖域」5品目の関税撤廃も 自民検討へ 2013年10月7日 01時49分

 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=斉場保伸】自民党の西川公也環太平洋連携協定(TPP)対策委員長は6日、TPP交渉が開かれているバリ島で記者団に対し、「聖域」として関税維持を求めてきたコメなど農産物の重要5品目について、関税撤廃できるかどうかを党内で検討することを明らかにした。

 自民党は昨年末の衆院選で、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」との公約を掲げ、重要5品目を守る姿勢を打ち出してきた。関税撤廃検討は、こうした公約を反故にするともいえる。これまで交渉の経緯を説明してこなかったこともあり、国内の反発は必至だ。

 西川氏は重要5品目(関税分類上は586品目)の扱いについて「勘案しない姿勢が取り続けられるかどうかという問題がある」と説明。その上で「関税撤廃できるかどうか検討する」と語った。同時に関税撤廃で農林水産業が打撃を受ける場合に備えた対策の検討も表明した。

 甘利明TPP担当相は「党がいろいろ考えていただけるのはありがたい。党と連携を取っていきたい」と話した。 (中日新聞)


 そして第三面には、これに不安を訴える農家の声が載せられていた。だが、自民党はここに記されてる方向に向かうことは明らかであった。確かに選挙の際の公約を踏みにじる行為ではあるが、それは選挙時に農業者からの支持を得るための方便にすぎない。そんなことはわかっていたはずであるが、農協など農業者団体は自民党を支持し続けた。おそらく今まで、一定の農産物の輸入自由化のときには必ず政府からカネを出させていたから、今度もそれを考えているのだろう。しかし、その都度カネをとるけれども、そのカネは農業の衰退をつくりだしてきた。一時のカネに目がくらみ、長い目で見た農業の持続的な発展を売り渡してきたのである。

 日本の農業ほど虐げられているところはない。

 日本の農業に対する補助金を出すなと要求してきたアメリカだって、莫大な補助金をだしている(アメリカという国は、常にダブルスタンダードで、金儲けのためなら自国の農業者には補助金をだして、日本などには平気で出すなと要求する自分勝手な国だ。アメリカの歴史をひもとけば、そういう例はいくつでも見つかる)。ヨーロッパ諸国はいうまでもなく、アメリカの属国の一つであるイギリスだって、食料の安全保障を考えて自国の農業を保護している。

 日本政府は、グローバル・キャピタリストの利益に貢献すること、これに徹しようとしている。TPPはまさにそのために存在する。日本の国家権力は、グローバル・キャピタリストのための権力へと純化しようとしているのだ。

 TPPの危険性について、農協などは厳しく指摘していた。しかるに選挙になると、自民党支持。ボクはその行動に開いた口がふさがらなかった。
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