『毎日新聞』は、先に社説で消費税の増税に積極的に賛成を論じていた。今日は、「軽減税率」のことを主張する。だがよく読めば、新聞に軽減税率を適用させようという意図のもとに書かれているとしか読めない。
社説子がいうように、「消費税は税率が高くなるほど、経済的に苦しい人へのしわ寄せは強くなる」というのは事実である。社説子は、政府がその対策として、「8%の段階では、低所得者対策として、住民税の非課税世帯2400万人に1万円、うち年金受給者などには1万5000円を支給する」ことを指摘し、さらに「だが、これはあくまで1回だけの暫定的な措置で、国民が安心する恒久的な措置が必要だ」というのだが、これに関する具体的な主張はない。本当に、「経済的に苦しい人」のことを考えるなら、これについてその主張を記すべきである。食料品に軽減税率を、というのも、新聞にそれを適用させるための枕詞としか見えない。
それに、消費税が社会保障につかわれる可能性はどんどん低くなっている。法人税の税率引き下げが政府の既定方針となっていて、増税分はそれによる税収減に補填される可能性が高くなっている。そういうことを『毎日新聞』諸氏は、知らないのか。給与がそんなに高くはない『毎日新聞』の社員諸氏も消費税増税は困るのではないだろうか。
社説:軽減税率の導入 議論加速し年内決定を
毎日新聞 2013年10月11日 02時30分(最終更新 10月11日 02時30分)
来年4月に消費税を8%に引き上げることが本決まりとなった。だが、忘れてならないのは生活必需品への軽減税率の導入だ。
消費増税法では2015年10月に消費税を10%に引き上げることになっている。自公両党は今年1月、10%引き上げ時に軽減税率制度の導入を目指し、12月までに対象や品目、軽減する税率などの結論を得ることで合意した。ところが、8%引き上げの最終判断に注目が集まり、軽減税率の議論は深まっていない。
安倍晋三首相は、「消費税を10%に上げるか、どこかの段階で判断する。それまでに軽減税率をどうするかという議論をして、決めていきたい」と述べた。しかし、それでは遅すぎる。経理制度の整備や事務負担が増える事業者の理解にも時間がかかるからだ。自公合意通り年内に軽減税率導入を決めるべきだ。
消費税は税率が高くなるほど、経済的に苦しい人へのしわ寄せは強くなる。8%の段階では、低所得者対策として、住民税の非課税世帯2400万人に1万円、うち年金受給者などには1万5000円を支給する。だが、これはあくまで1回だけの暫定的な措置で、国民が安心する恒久的な措置が必要だ。
消費税を8%や10%に引き上げても増え続ける社会保障費には足りないのが現実だ。欧州では消費税にあたる付加価値税は20%台が多く、大半が軽減税率を適用している。日本も、社会保障費と国民負担の将来を見据え、軽減税率を長期的な枠組みにも耐えうる制度として位置づけることが大切だ。
欧州各国のほとんどが、食料品などに加え、新聞、書籍類の税率をゼロや数%に抑えている。「知識には課税しない」という考えが根底にある。民主主義を支えるうえで、だれもが情報を入手しやすい環境が必要となるからだ。
学者、弁護士のグループが9月、「新聞への軽減税率適用が、文化の維持と民主政治の健全な機能にとって不可欠だ」とする意見書を公表した。日本新聞協会が開いたシンポジウムでも、学者や文化人から「新聞は内外のニュースを正確かつ迅速に伝達し、人々の生活に広く浸透し、必需品と言っていい」との声が相次いだ。県や市町村議会で、新聞への軽減税率適用を求める請願の採択も相次いでいる。
8%への消費増税が決まった直後に実施した毎日新聞の世論調査では、軽減税率の導入に67%が賛成し、反対の23%を大きく上回った。国民にも軽減税率導入が必要という認識が高まっている。消費増税には国民の理解が欠かせない。軽減税率の具体案作りを加速させるべきだ。.
社説子がいうように、「消費税は税率が高くなるほど、経済的に苦しい人へのしわ寄せは強くなる」というのは事実である。社説子は、政府がその対策として、「8%の段階では、低所得者対策として、住民税の非課税世帯2400万人に1万円、うち年金受給者などには1万5000円を支給する」ことを指摘し、さらに「だが、これはあくまで1回だけの暫定的な措置で、国民が安心する恒久的な措置が必要だ」というのだが、これに関する具体的な主張はない。本当に、「経済的に苦しい人」のことを考えるなら、これについてその主張を記すべきである。食料品に軽減税率を、というのも、新聞にそれを適用させるための枕詞としか見えない。
それに、消費税が社会保障につかわれる可能性はどんどん低くなっている。法人税の税率引き下げが政府の既定方針となっていて、増税分はそれによる税収減に補填される可能性が高くなっている。そういうことを『毎日新聞』諸氏は、知らないのか。給与がそんなに高くはない『毎日新聞』の社員諸氏も消費税増税は困るのではないだろうか。
社説:軽減税率の導入 議論加速し年内決定を
毎日新聞 2013年10月11日 02時30分(最終更新 10月11日 02時30分)
来年4月に消費税を8%に引き上げることが本決まりとなった。だが、忘れてならないのは生活必需品への軽減税率の導入だ。
消費増税法では2015年10月に消費税を10%に引き上げることになっている。自公両党は今年1月、10%引き上げ時に軽減税率制度の導入を目指し、12月までに対象や品目、軽減する税率などの結論を得ることで合意した。ところが、8%引き上げの最終判断に注目が集まり、軽減税率の議論は深まっていない。
安倍晋三首相は、「消費税を10%に上げるか、どこかの段階で判断する。それまでに軽減税率をどうするかという議論をして、決めていきたい」と述べた。しかし、それでは遅すぎる。経理制度の整備や事務負担が増える事業者の理解にも時間がかかるからだ。自公合意通り年内に軽減税率導入を決めるべきだ。
消費税は税率が高くなるほど、経済的に苦しい人へのしわ寄せは強くなる。8%の段階では、低所得者対策として、住民税の非課税世帯2400万人に1万円、うち年金受給者などには1万5000円を支給する。だが、これはあくまで1回だけの暫定的な措置で、国民が安心する恒久的な措置が必要だ。
消費税を8%や10%に引き上げても増え続ける社会保障費には足りないのが現実だ。欧州では消費税にあたる付加価値税は20%台が多く、大半が軽減税率を適用している。日本も、社会保障費と国民負担の将来を見据え、軽減税率を長期的な枠組みにも耐えうる制度として位置づけることが大切だ。
欧州各国のほとんどが、食料品などに加え、新聞、書籍類の税率をゼロや数%に抑えている。「知識には課税しない」という考えが根底にある。民主主義を支えるうえで、だれもが情報を入手しやすい環境が必要となるからだ。
学者、弁護士のグループが9月、「新聞への軽減税率適用が、文化の維持と民主政治の健全な機能にとって不可欠だ」とする意見書を公表した。日本新聞協会が開いたシンポジウムでも、学者や文化人から「新聞は内外のニュースを正確かつ迅速に伝達し、人々の生活に広く浸透し、必需品と言っていい」との声が相次いだ。県や市町村議会で、新聞への軽減税率適用を求める請願の採択も相次いでいる。
8%への消費増税が決まった直後に実施した毎日新聞の世論調査では、軽減税率の導入に67%が賛成し、反対の23%を大きく上回った。国民にも軽減税率導入が必要という認識が高まっている。消費増税には国民の理解が欠かせない。軽減税率の具体案作りを加速させるべきだ。.