浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】日野行介『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』(岩波新書)

2013-10-14 23:24:41 | 読書
 浜松・静岡往復の車中で読んだ。

 筆者は毎日新聞記者。その記者による「調査報道」の報告である。

 「調査報道」を、日野氏はこう定義する。「役所の発表や捜査当局からの情報ではなく、報道機関が独自に得た証言や物証でニュースの中核を構成する。それに加えて、誰かが意図的に隠そうとした不正や不適切な行為を明らかにする」

 ジャーナリズムの本質は、権力を持つ者や機関に対する監視でなければならない。となると、ジャーナリズムの本質が顕現するのが、「調査報道」である。

 最近、こういうことを語る記者と知り合った。頼もしい限りである。

 そして今日、読売新聞記者にも、「調査報道」の重要性を、ボクは語った。その記者は、ハンセン病を取材したいという。同期入社の者に、ハンセン病を卒論に書いた者がいて、その記者に刺激されたのだという。意図が真面目であるので、協力することとした。

 さて、この本は、表題の通り、福島原発事故の被災者に対する福島県の健康管理調査に関わる、問題点を鋭く衝いたものだ。日野氏の、この問題に対する執拗な、粘り強い行動に感心した。というのも、こういう記者は、減っているからだ。

 読んでいて、福島県や政府は、被ばくをできうる限り過小評価したいという一念で動いている、いったいそれはなぜなのか、ということをもっともっと知りたいと思った。本書で、彼らの過小評価しようとする動き、それと同時にその動きを何とか表に出さないようにという姑息な策動、これらは十二分に証明された。ではなぜ?なのか。

 ボクは、その背景に、国境を超越した原子力マフィアたちの意図があるのではないかと思っている。核兵器を開発し、その技術を「利用」した原発、それに群がって蜜を吸い続ける者たちがいるのではないか。

 そうしたところまで追及してほしいと思った。続が待たれる。

 地域で起きることは、その地域を越えて、国や世界と必ずつながっているはずだ。それを具体的に知りたい。

 良い本である。「調査報道」にどのように取り組んでいったのかが、具体的にわかるというものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013-10-14 22:59:02 | 日記
 今日は、研究会の総会があり、終了後懇親会が行われた。ボクは、酒が飲めない。つきあいで飲める量はせいぜいビール一杯程度。そういう人間だから、酒の味なんてまったくわからない。ビールはビールであり、日本酒は日本酒にすぎない。

 しかし酒を飲む人はなかなかうるさい人が多い。今日も、日本酒好きの人は、亀だ、初亀だ・・・などと、騒いでいた。日本酒の好きな人は、いろいろな銘柄の酒を飲んで、あれはこうだ、それはあーだ・・などと話していたが、ボクはまったくそういう話しにはのれない。

 また酒が入ってくると、おかしな会話も入ってくる。

 ボクの従兄弟に酒好きがいる。毎晩外で飲んでいるらしい。酒を飲んでいるときにはよくしゃべるが、そうでないときは無口だ。最近法事があって酒を飲む機会があり、二人で一升飲んだ、などと言っていた。

 酒を飲み過ぎる人の顔は、なんかだらっと伸びきっているような、しまりがなくなっている、とおもうのはボク一人か。

 学生の頃、酒を飲めるようになりたいと努力したことがあった。ボトルをキープしたこともある。だが、いつもなぜこんなまずいものを楽しそうに飲めるのだろうか、と思っていた。夜遅い電車には、酔客が多かった。彼らは上司の悪口を言い合っていた。そして、その職場は楽しそうではない感じだった。酒を飲んで鬱憤を晴らしている社会人は、醜いと感じた。

 社会人になって、飲む機会は増えた。といっても、ボクはいつも少ししか飲まない。

 あるとき、上司の家で宴会をするから参加しないかという誘いがきた。ボクは即座に断った。たとえ会費を出したとしても、おそらくその上司がたくさんカネを出して参加者を迎えるのだろう、だとすると酒などで「借り」をつくってはならない、言いたいことが言えなくなるかも知れない、そう思った。

 ボクは、あるとき、よほどのことがない限り、酒を飲まないようにしようと決意して今に至っている。よほどのことがない限り、というのは、大切だと思う人としか飲まないということだ。
 
 もちろんタダ酒は飲まない。酒を好きな人は、いかなる酒より、タダ酒が好きのようだ。長い経験から、そう思う。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あらら。『朝日新聞』がこんな記事を!

2013-10-14 07:33:31 | メディア
 ジャーナリズムから急ぎ足で離れつつある『朝日新聞』が、反原発の動きを動画付きで報道している。


http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY201310130146.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本は対米隷属国家

2013-10-14 07:22:44 | 日記
 日本人の人権が、アメリカ兵に侵害されても、何もしない日本政府。『東京新聞』の記事。


米兵に妻を殺害された山崎さん 「地位協定は不平等」市川で講演

2013年10月13日
 神奈川県横須賀市で二〇〇六年、妻を米海軍横須賀基地の米兵に殺された山崎正則さん(65)=同市=が十二日、市川市で講演し「米兵が事件を起こしても日米地位協定などのため、基地を捜索できない。日米関係は不平等だ」と訴えた。 (白名正和)

 妻の佐藤好重さん=当時(56)=は〇六年一月三日早朝、横須賀市の路上で、米空母「キティホーク」乗員だった米兵=強盗殺人罪の無期懲役で服役中=に殺された。

 山崎さんは国と元米兵に損害賠償を求めて提訴し、一審横浜地裁は〇九年、元米兵に賠償を命じたが、国への請求は棄却。昨年六月に東京高裁が控訴を退け、最高裁も今年六月に上告を棄却した。

 山崎さんは講演で、米軍が元米兵を事件直後に拘束したが日本の警察に伝えず、身柄引き渡しまでの数日間、山崎さん自身が警察などから犯人視されたと説明。「警察が基地内を家宅捜索できればすぐに分かったのに、できなかった。日米地位協定は憲法以上の存在で、これでは独立した日本と言えない」と強調した。

 国を相手にした裁判は「日本政府は政策として基地を提供しており、公務外の米兵の犯罪にも責任があるはずだ、との思いで起こした」。一審判決は日本政府の責任を一般論として認めたが、二審は責任の幅を狭めており「米軍に追従の判決」と批判した。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする