浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

be born and be killed

2014-05-07 19:46:11 | 日記
 今、畑作は農繁期である。キュウリやトマト、ズッキーニなどの苗を植え、サツマイモを植えるために畑を起こし・・・・毎日畑に通う。

 今日も畑に行き、畑を起こしていった。畑を起こしていくと、どこからか小鳥がやってくる。そして、掘り返された土のなかにミミズはいないかを探す。いつもの光景だ。平和な風景。青い空、心地よい風・・自然の中で労働する喜び。

 そして家に帰る。ネットでニュースをみる。ウクライナでの虐殺、イスラム過激派によるナイジェリアの女子学生の誘拐・・・陰惨な事件が多発している。

 高校生になった頃、ベトナムで激しく行われていた戦闘。そのなかでボクと同じくらいの年齢の子どもたちの、アメリカ軍のナパーム弾攻撃により上半身が焼けただれた写真を見た。そのとき、もちろん日本の国内では戦闘はなかったから、平和な日々をボクは送っていた。しかし、ベトナムと日本のそのギャップに、ボクは愕然とした。想像力をすこし働かせるだけで、ベトナムの子どもたちの苦悩が推測できた。

 何とかしなければならない、とボクは思った。それが平和問題に開眼したきっかけであった。それからずっと平和を求め続けてきた。だが、世界は平和にならない。米ソの冷戦が終わったと言われたとき、ボクはこれでやっと世界は平和になると思った。

 しかしそうではなかった。平和は、やってこなかった。その背後に、冷戦がなくなったことで儲けることができなくなった「死の商人」たちと、もちろん武器を製造している会社が、世界各地に紛争の火をつけるようになった。そのなかで、新たな対立が生まれていった。今まで何の対立もなく生活していた隣人同士が憎しみあい、ひどい場合には殺し合うという状況が生まれた。旧ユーゴ、中東、そして旧ソ連圏の諸地域・・・。世界各地で、殺しあいが行われている。

 人間は生まれてきて、学び、働き、自らの生を楽しみ、美しい自然を見て感動し、結婚し子孫を残し・・そして死んでいく。人間の誕生は受け身だ。しかしだからこそ、人間は「生まれてきてよかった」という思いをもって生きそして死んでいかなければならない。

 だが、世界各地では、そういう人生とは無縁の生を強いられている人びとがほんとうにたくさんいる。何とかしなければならない、と思う。

 自らの力のなさを感じる。

 想像力。他者がどういう状況で生きているのか。

 共感力。他者がどういう苦しみを抱きながら生きているか。

 こういう力を、もっともっと欲しいと思う。

 「生まれてきてよかった」という思いを、すべての人間がもてるような世界にしたい。なんといっても、受け身で、この世に誕生させられたのだから。
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報道されないこと ウクライナ

2014-05-07 12:37:13 | 社会
 ウクライナの混乱は、アメリカをバックとしたファシストたち、「右派セクター」という第2次大戦前からのウクライナ・ファシストの面々が、つくりだしている。

 彼らは、旧ソ連や旧ユーゴで起きた様々な軍事行動に加わってきた。世界の覇権をめざすアメリカは、ロシアをみずからの支配下に置くため、様々な紛争をつくり出してきたが、その尖兵として、ウクライナ・ファシストは活用されてきた。

 さて、5月2日、ウクライナのオデッサで、驚くべき惨事が起きた。しかしこれは報道されない。その理由を考えて欲しい。
 
 どういう事件か。 

 5月2日、親欧米派のデモ隊とロシア系住民とのあいだで衝突が起きた。石や火炎瓶が投げられ、少なくとも4人が死亡した。そして、親ロシア派住民が立てこもった労働組合の建物が放火され、46人が死亡、200人以上が負傷した。「右派セクター」といわれるウクライナ・ファシストによりビルに閉じ込められ、火をかけられて、焼き殺されるという事件だ。

 実はこれは、独立メディアでは報じられている。下記に、その記事を翻訳したホームページを紹介するが、そこに掲載された写真は、ショッキングなものであるので、注意してほしい(このHPの最初から、凄惨な写真が掲載されている)。しかし、これがウクライナ・ファシストが行っていることだ。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4bc4.html

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337
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テレビに対する評価

2014-05-07 09:38:27 | メディア
 水島宏明氏は、TBSのTPP報道を評価する。ボクはみていないので知らなかったが、オバマが訪日したときに、おそらく安倍は農産物の問題で大幅に妥協するだろう、とくに尖閣が安保の対象領域であると言明させる(といっても、どちらかの領土であるかは明言せず、今までのアメリカ政府と同じスタンスであった)かわりに、という予測はあった。

 その通りであったようだ。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140506-00035081/


 そしてNHK。NHKが消費税増税で、セレブ感覚の報道をしていたそうだ。NHK職員は高給取りだから、消費税の増税なんて意に介していないのだろう。そういうNHKにせっせと受信料を支払う・・・ボクはテレビは見ないから払っていないが・・・

 水島氏の分析は、鋭い。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140506-00035078/
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箍(たが)を外す

2014-05-07 08:04:22 | 社会
「箍(たが)を外す」ということばがある。「箍」とは、「竹を割ってたがねた輪、桶、樽その他の器具などにはめて、外側を堅く締め固めるのに用いる」であり、「箍を外す」とは、「興じたあまり、規律もなくなり大騒ぎをする」(『広辞苑』)ことである。

 政治や社会、経済も教育も「箍」が必要である。「箍」がなければ無秩序で野放図になってしまう。「箍」はルールでもあり、「規制」でもある。

 新自由主義というのは、「箍」を取り払ってしまうというものだ。もちろん、「箍」を取り払うという場合、目的がある。その主要な目的は、金もうけである。金を持っている人や集団が、勝手気ままに、他者への迷惑や生死を顧慮せずに、カネ儲けのためにばく進したいという欲望が原動力である。

 韓国でフェリーが沈没する事故が起きた。修学旅行生をはじめ、多くの人びとが亡くなられた。心が痛む事故である。この事故の背景にも、金もうけのあくなき欲望が渦巻いている。ボクは性善説をとっているが、こういう事故が起きたりすると、それが揺らいでしまう。超過積載、それが気がかりとなって避難の誘導もしなかった乗組員。ボクは「未必の故意」による殺人であると思った。おそらくこの船会社やそれにつながる宗教組織には、政治家や官僚がアリのように群がっていることだろう。

 しかしこういう姿は韓国にだけあるのではない。JR西日本の事故、マンションに電車が突っ込んでいった事故があったように、日本でもあることだ、金もうけに邁進するとき、こういう事故が起きる。

 しっかり「箍」で締めておかないと、樽などがその機能を果たせないようになる。社会も同じだ。

 今、日本の社会で、箍が外されている。

 安倍首相が各国を訪問し、武器の輸出や共同開発を売り込んでいる。これらは日本の労働者がつくった武器によって、どこかの地域の人びとが殺されるということを意味する。金もうけのためには、人が殺されたってかまわない、ということである。安倍首相は、日本兵器産業のセールスマンよろしく、旅行しまくっている。この旅行には税金がつかわれているが、国民が拠出したカネで、兵器産業(その前は原発産業)のセールスを行っているのだ。

 これが推進されると、実質的に日本国憲法の平和主義はなくなるということでもある。

 箍が外されて喜ぶ人びとの力が強くなっている。彼らは、税金を自分たちのためにつかい、自分たちの懐に入ってくるように、政治家や官僚を動かす。

 そういう社会でよいと、人びとは思っているのだろうか。
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