浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

原発再稼働に突き進む?

2014-05-27 22:30:40 | 社会
原発再稼働を推進する政府は、原子力規制委員会のメンバーを、政府と同じ考えの者に変えたようだ。

 政治権力を持つということは、どんなことでもできてしまうということだ。そうさせないために、様々な憲法や法律、制度があるのだが、そうしたものがあるにもかかわらず、すべて無視していこうという安倍政権。ナチスドイツの独裁政治よりも、ひどい。

 下記は『日本経済新聞』の記事。


規制委、島崎氏ら交代へ 後任に原子力学会元会長
2014/5/27 13:41

 政府は27日昼、衆参両院の議院運営委員会理事会に原子力規制委員会の委員2人が交代する国会同意人事案を示した。規制委の委員には9月に任期満了を迎える島崎邦彦(68)、大島賢三(71)の両氏に代わり、田中知東大大学院教授(64)と石渡明東北大教授(61)を充てる案を提示した。任期は5年。人事案は同意される見通しだ。

 規制委の委員は再任も可能だ。ただ地震学者の島崎氏は、原子力発電所の再稼働に向けた安全審査で電力会社に厳しい姿勢で臨んでいることで知られる。与党内や電力会社からは「審査が厳しすぎて再稼働の遅れにつながっている」という批判もあり、再任するかどうかが注目されていた。

 地質学が専門の石渡氏が、9月以降は島崎氏の役割を担うとみられる。

 大島氏は外交官の出身。国連大使や東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員会の委員などを務めたが、与党内から「後任は原子力の専門家にすべきだ」という指摘も出ていた。田中氏は東大工学部原子力工学科卒。日本原子力学会の元会長で、こうした声に配慮したとみられる。

 新任候補の両氏は同日コメントを発表し、田中氏は「東京電力福島原発事故の反省に立ち、これまでの経験を最大限に生かして取り組んでいく覚悟」と述べた。石渡氏は「地質研究者として重要な使命に全力を尽くす」とした。
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「戸惑う自衛隊員」という記事

2014-05-27 13:31:32 | 政治
『東京新聞』記事。読むべきもの。


戸惑う自衛隊員 集団的自衛権 議論を注視
2014年5月25日 朝刊


 海外で武力を使って密接な関係にある他国を守る集団的自衛権について、国会では二十八日の衆院予算委員会での集中審議から、本格的な論戦が始まる。憲法九条の歯止めが事実上外れるとしたら、自衛隊の海外での活動範囲はどこまで広がるのか。自衛官たちの胸中にも不安や戸惑いが広がっている。

 陸上自衛隊のある幹部は「あるべき国家として、グレーゾーン(武力攻撃に至らない領域侵害)などの問題を議論し整えるのは、当然の姿だ」と政府の姿勢を評価する。

 ただ「新聞を見ると、賛否両論がはっきりしている。われわれは政治的意見はなかなか言えないが、国民にとって本当に一番いい形を探してほしい」と今後の議論の行方を見守る。

 一方、ある幹部は「安倍晋三首相はいろいろ説明しているが、日本を戦争のできる国にしようとしているだけだ」と指摘。

 安倍首相は集団的自衛権が必要になる事例として「日本人を輸送している米艦船が攻撃を受ける」との想定を挙げた。幹部は「そんなケースが今まであっただろうか? 極端な事例で、今後も考えられない」と切り捨てる。

 集団的自衛権に道を開くのは「対米関係を考えただけ。『国民の生命を守る』という言葉は、口実で使っているだけだ」と批判する。

 自衛隊内部での関心の薄さを危ぶむ声もある。「若い隊員は新聞や雑誌を読まないから、少しやることが増えた、くらいにしか考えていないようだ」と、関東地方の五十代の陸自隊員。

 安倍首相の言動を見ていると近い将来、どこかの国と武力衝突する事態が起きるような気がして不安だという。二十日から自民と与党協議を始めた公明党は、解釈改憲で集団的自衛権を容認することに反対姿勢を強めているが、あまり期待はしていない。

 「戦前、治安維持法などでさんざんひどい目に遭った支持母体の創価学会が危機感を持って意思表示をしても、政党としての公明党がどこまで踏ん張るか…」

 公明の意向で、与党協議は武力攻撃に至らないグレーゾーン事態への対処から議論を始める。自民党は離島に上陸した外国勢力を武力で排除する事態を想定する。陸自幹部の一人はこれにも戸惑いを隠さない。「起きてみないと分からない。事態に即して任務が与えられ、はじめてリアリティーが出てくる」

 また、潜水したまま領海にとどまる潜水艦にはどう対処するのか。海上自衛隊幹部は「追い出そうと、爆弾が当たらないよう外して撃ったとしても、警告と受け取るだろうか」。本格的な戦闘に発展するおそれを不安視している。
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発見

2014-05-27 13:05:51 | 日記
 午前中は畑で農作業。今日は暑い。汗が流れる。昨年、顔には日焼止めクリームを塗って日焼けを防いでいたが、背中の日焼けを指摘されたことから、今年は紫外線を遮断するシャツを購入してやっている。勿論今日は日焼止めクリームを塗っているが、クレンジングクリームで洗顔しても、なかなかとれないので苦労する。

 カボチャ。昨夜の雨で土が葉にこびりついていた。近所の農家の人が、カボチャにはわらを敷いて、土が葉につかないようにしないと枯れるよといわれた。土が葉の呼吸を妨げるというのだ。なるほど。そこで今日は葉を洗ってわらを敷いてきた。

 ひとつひとつの作物の作り方にはこつがあり、それを知らないと収穫は落ちる。農業も楽ではなく、きちんとした知識が必要だ。ボーとしていては農業はできない。

 何ごとも発見であり、謙虚に先人の教えを聞くところから始めなければならない。

 帰宅したら本が4冊届いた。上野千鶴子『上野千鶴子の選憲論』(集英社新書)、神野志隆光『古事記と日本書紀』(講談社現代新書)、半田滋『日本は戦争をするのか』(岩波新書)、守屋英一『ネット護身術入門』(朝日新書)である。上野の本は、Uさんがよかったといっていたので購入した。

 本を読むと、いつも何かを発見するし、また考えさせられる。

 「晴耕雨読」とは、「発見」し続ける行為であると思う。「発見」こそが人生を豊かにする。

 そろそろジャガイモを掘り出さなければならない。赤タマネギも。昨日スーパーに行ったら、畑にあるのと同じ赤タマネギが1個128円もしていた。

 
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ヤンキー文化

2014-05-27 07:50:21 | 読書
 中学校や高等学校の部活動は、隆盛を極めている。高校の野球部や吹奏楽部の日々の練習は、夜の10時くらいまでおこなわれている。部活動の盛んな学校では、学校は部活動のために行くところであるという認識すら生まれている。顧問(教師)も、「勉強するより、試合に勝つために練習に励め」などという。

 朝、そして放課後から夜までの部活動について「やり過ぎ」であるという批判はいつもあるが、それが改善されることはない。

 その部活動、中学校や高等学校で必修化されたのは1960年代末から70年までの学習指導要領による。1960年代末といえば、高校紛争が全国にひろがり、文部省や教育委員会がその対応に苦しんだ頃だ。その対策として、部活動があった。思春期の若者たちのなかに生まれる「反社会的な思考」をスポーツなどの活動の中で解消させようとしたのである。
 そして必修化がはずされたのは1990年代末である。文部科学省は、もう必修化をはずしても大丈夫、高校紛争などは起きないと確信を持ったのだろう。
 しかしだからといってすでに40年以上も行われている部活動が消え去ることもなく、衰えることなく、保護者の熱狂も含めて存続している。

 さてこのほど『ヤンキー化する日本』(斉藤環、角川新書、2014年)を読んだ。そこにこうある。

 わが国においては、思春期に芽生えかけた反社会性のほとんどは、ヤンキー文化に吸収される。(26)

 ボクはこれを読んだ時、これは部活動のことだと直感した。

 青少年の反社会性は、芽生えた瞬間にヤンキー文化に回収され、一定の様式化を経て、絆と仲間と「伝統」を大切にする保守として成熟していくのである。われわれは、まったく無自覚なうちに、かくも巧妙な治安システムを手にしていたのである。(27)

 斉藤は、ヤンキー文化についてその特徴をあげているのだが、それらは部活動の中で鍛え上げられてきたのではないかと、ボクは思う。

 その一つ、「気合い主義」。「気合いとアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」である。「精神の力で肉体の限界はやすやすと超えられるとする発想」。「家族のため、仲間のため、お国のために入れるのが「気合い」」。それは部活動に於ける長時間の練習にみられる。そして部活動に見られる軍隊並みの序列。新入生は奴隷、最上級生は天皇である。年齢を中軸としたタテの上下関係が徹底される。上級生の命令は絶対である。それが伝統化される。タテの上下関係を中軸とした集団主義。

 そこでは「反知性主義的な行動主義が現場を支配」する(28)。まさに部活動である。

 斉藤は、ヤンキー文化の要素を挙げていく。現実主義、実学思考、ホンネ主義、「知性よりも感情を、所有よりも関係を、理論よりも現場を、分析よりも行動を重んじる」、「考えるな、感じよ!」、「判断より決断が大事」・・・・

 ヤンキーたちが「よいもの」とする言葉。夢、直球、愛、熱、信頼、本気、真心、家族、仲間、覚悟、遊び、シンプル、リアル、正直・・・(42)

 これらの言葉は、部活動の中で交わされるものだ。今の若者たちは、部活動というヤンキー文化のなかで育てられる。

 斉藤は、だからこそ、「ヤンキーはポエムが好きだ」(38)という。相田みつおの詩は彼らと相性がいいようだ。「ホンネ」、「ありのまま」、「現状肯定」。なるほど!「美辞麗句にして内容空疎」。その典型は、これ。安倍首相の演説その他。

日本は古来より、朝早く起きて田を耕し、水を分かち合い、秋になればご皇室とともに五穀豊穣を祈った瑞穂の国であります。長い間続いたデフレから脱却をするためには、それぞれができることをやらなければ、日本を再び輝く国にすることはできない、この思いを一つにすることができました。これこそまさに瑞穂の国の資本主義ではないでしょうか。私はそういう国をつくっていきたいと思っています。
 
 反知性主義の若者たちに、知性を持たせることは容易ではない。彼らはそれに居直っているからだ。

 こういう例がしるされていた。

 ネット右翼がしたり顔で、「集団的自衛権がない日本は異常です。つまり自衛官は、日本国民という集団ではなく、自分個人のことしか守れません」と書いたそうだ。彼は個別的自衛権を自衛官個人が自分だけを守ること、だと理解している。自分自身の無理解を、なんら吟味することなく、公言する。「オレはこう理解しているんだ、わるいか?」なのである。

 反知性主義の若者たちの支持を集めるためには、相田みつおの詩を学び、彼らの感情に訴えかけるしかないのか。

人生において

最も大切な時

それはいつでも

いまです


 (相田みつお)
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軍事優先の安倍政権 支持率

2014-05-27 07:08:59 | 政治
 安倍政権は、なんでもかんでもとにかく、国際関係を軍事で考える政治をやろうとしている。政権は、とくに中国に対しては軍事的対応しか考えていないようだ。

 安倍は中国との戦争を考えているのだろうか。もし日中戦争が起きれば、日本はひとたまりもないだろう。というのも、以前にも記したが、中国人の記憶では、20世紀の「対華21箇条要求」にはじまる日本の侵略は過去のものとなっていない。とくに1937年からの日中全面戦争、そこでの戦場は常に中国国内であり、住民は戦闘に巻き込まれ、殺され、奪われ、焼かれた。その記憶は、日本人が広島・長崎を忘れないように、生きている。

 もし日中間に軍事衝突が起きれば、その記憶が甦り、強固な戦意となって日本に向かうことだろう。

 歴史から学ぶ、安倍政権にはそうした知的な側面が皆無だ。政権には、実際の戦争とはいかなるものかという想像力をもたない、戦争が好きな政治家がうようよしている。

 その安倍政権の支持率は、減ったとは言え、46%程度もある。


http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000027590.html


 安倍政権が知的に劣化しているということは、残念ながら日本国民も劣化しているということである。日々のニュースがそれを伝えている。

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岡留氏の、沖縄から見る「集団的自衛権」

2014-05-27 07:03:57 | 政治
 下記の、岡留氏の論説は、読むべき。岡留氏は、『噂の真相』を発行し、今は沖縄に住む。

http://www.magazine9.jp/article/okadome/12671/
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