日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

お米不足と備蓄米

2025-01-31 21:53:02 | アラカルト

昨年夏ごろから、国内で流通する「お米」が不足し、高騰している。
流通するお米が少ないから、高騰するというのは「需要と供給のバランス」という点で考えれば、当然と言えば当然のことなのだが、昨年夏から続く米不足は、解消される気配があまり感じられない。

ところがSNSのXでは「日本では流通しているお米不足らしいけど、米国のスーパーでは日本産のお米が山積み」という、写真付きポストを最近見かけるようになった。
どうやら、日本で不足しているのに、輸出米は好調のようだ。
山積みされるほどのお米の写真を見ると、日本よりリーズナブル?と思えるような価格がついていたりする。
このような写真投稿を見ると、「日本の米不足って何?」という気持ちになってしまう。

それにしても解せないのは、昨年夏ごろに始まった「米不足」では、当時の岸田政権は「備蓄米は出す予定はない」と、言い続けていた事だ。
その「備蓄米」の一部が、行方不明になっているらしい。
日経新聞: 「消えたコメ」茶わん26億杯分 在庫分散、国も把握できず 

1942年から長い間続いた「食管法」は、1995年になりその役目を終えた。
この間、「お米」は統制品であり、国が管理するものだった。
それが「自主流通米」と呼ばれる、農家が自由に販売できる(本当は、農協が販売するのだが)お米主流になってきたことや、「米のブランド化」によるところが大きかったのでは?と、考えている。

とはいえ、災害等によりお米不足になった時、政府が農協から買い上げた「備蓄米」という「政府管理のお米」がある。
昨年の夏の「米騒動」の時盛んに言われたのが、この政府が管理している「備蓄米」を放出することで、一時期的であってもお米不足を解消し、米価の安定を図って欲しい、という趣旨だった。
だが、その時の岸田政権は「もうすぐ、新米が出てくるのでそれまで待ってほしい」という回答だった、と記憶している。
確かに、「早場米」と呼ばれるお米は早ければ8月下旬ごろから出回る。
と言っても、「米騒動」がおさまるほどの量ではなかったはずだ。

その一方で、米農家さんからは「お米の値段が安すぎる」という声も上がっていた。
ここには「農協」という、団体がかかわってくる問題なので、単純に「米の値段が安すぎる」と、生活者側がすぐに納得できる問題ではないのだが、このニュースが報じられた時「お米って、安かったの?」という印象を持たのも事実だ。
というのも、お米の消費量が年々減ってきている、とはいえ多くの日本人にとって米は主食だ。
昨今の「ブランド米」の登場により、生活者の「米嗜好」も様々になりつつある。
サッパリ系のご飯が好きな人もいれば、冷めてももっちりしているご飯が好きな人もいる。
そのような「好み事にお米を選ぶ」という時代になってきている、ということもあり、スーパー等で見かけるお米の価格は、緩やかだが上がってきていた気がするのだ。
そこに、昨年の「米騒動」で、一気に値上がってしまった。

野菜の高騰等も考えれば、お米の高騰もわかる気がするのだが、米農家さんの言う「今まで、安すぎた」という言葉がとても気になるし、上述した「備蓄米行方不明」も気になる。
「備蓄米行方不明」が判明したのは、石破政権が「備蓄米放出」を決めたことで発覚したのだとすれば、備蓄米を放出しなかったら、行方不明のまま「ローリングストック」のように、備蓄米も新米へと交換されていったはずだ。
とすれば、新米と入れ替わった備蓄米は、どのようなルートで市場に出ていたのだろうか?
それが、スーパー等で販売されるお米の価格にどのような影響を与えていたのか?
そのような事が、説明されていかないと、米農家さんの言う「(自分たちがつくった)米が安い」ということと結びつかないし、市場価格にも結び付けられないのでは?
輸出されたお米の価格との関係も気になるところだ。

農林水産省は、一体どのように考えているのだろう?
是非!聞いてみたいものだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。