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「消滅可能性自治体」を考える

2024-04-25 20:59:22 | アラカルト

昨日、大手メディアが一斉に報じた「消滅可能性自治体」。
その自死対数は、744と言われ、全体の4割だという。
NHK: “消滅する可能性がある”744自治体 全体の4割に 人口戦略会議 

このニュースが報じられる前、東京への一極集中はより強まり、大阪のような主要都市でも人口が減少する、という指摘もされていた。
確かに、日本の出生率(一人の女性が何人出産するのか?)は、下がり続けているし、「人生100歳時代」と言われても、高齢者が増え続ければ、当然亡くなる方も増えてくる。
そう考えれば、日本の人口が減少していく、ということは難しい数式で考えなくても、わかることだ。

今の日本は、このような状況になる入口に立っている、ということになるだろう。
何故なら、第一次ベビーブーム(別名「団塊の世代」)と呼ばれた人達のほとんどが、後期高齢者となっているからだ。
それは「2025年問題」と言われるように、「社会保障費の増加」、高齢者の急増による「高齢者向けの福祉サービスの人的不足」等が、随分前から問題視されてきたことでもある。
この第一次ベビーブーム世代の人たちが、より高齢となり亡くなる方が増えると、日本の人口減少は急速に進んでしまう、ということになる。
それは「日本」という国の経済力や生産性の低下、ということに繋がるという意味でもある。

だからと言って、「日本人がいなくなる」訳ではない。
あくまでも「自治体が消滅する可能性がある」ということなのだ。
しかし「自治体」が消滅すると、どのような問題が起きるのか?というと、生活インフラの維持管理や整備ができなくなる、ということになる。
他にも、小中高等の「教育機関」の維持ができないという問題も起きてくる。
「公共サービス」と呼ばれる、様々なサービスの提供もできない、ということだ。
それを回避するために必要なコト、として挙げられているのが「若い女性」ということになる。

なぜ「若い女性」なのか?と言えば、それは「出産」と関係してくるからだ。
だからと言って「出産・育児」の環境を整えれば、消滅可能性自治体を回避できるのか?と言えば、違うと思う。
その前に「若い女性が働きやすい自治体」ということが、必須だからだ。
例えば、名古屋の場合だが、大学までは名古屋で過ごすが、就職刄東京でするという若い女性が増えてきている。
朝日新聞:名古屋、人口増でも女性流出「長年働くことの想像が・・・」 

この記事が掲載されたのが2021年なのだが、元々名古屋刄他の大規模都市と比べると地元志向が強い地域だと、言われている。
しかし、大学を卒業していざ就職となると、女性が働きたいと思う職場があまりないのだ。
何より、「大学を卒業したら、早くお嫁に行く」ことが、女性の幸せだと考えも根強くある。
その人生観が、大きく変わっているのに、企業も地域社会も変わっていないという「ミスマッチ」が、名古屋の若い女性の流出の要因となっている。
当然、東京で就職した女性が名古屋に戻って、結婚・出産・子育てをするという可能性は、低くなる。
そのような現象が、地方では進んでいる、と考える必要があるだろう。

とすれば、消滅可能性自治体が考える必要があるのは、大都市で就職した若い女性を受け入れる職場づくり・仕事づくり、ということになる。
当然だが、若い女性の職場ができれば、同世代の男性も増えるはずだ。
大都市に比べ、育児や子育て環境を整えることは、消滅する可能性の高い自治体の方が、しやすいかもしれない。
何故なら、職場と住居の距離が近ければ、それだけ時間的余裕ができるからだ。
今風の言葉でいうなら「タイパがよい」ということになるだろう。

地方における自治体は、補助金等で行政をするのではなく、若い女性にとって魅力的な仕事と生活を提供する、というこれまでとは違う視点が必要になってくるのではないだろうか?



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