今朝、FM番組を聞いていたら「パートタイムで働く主婦の年収」についての話題が、取り上げられていた。
この「パートタイムで働く主婦の年収」というのは、いわゆる「106万円の壁。130万円の壁」と言われるモノで、ある一定額を超えると「扶養から外れて、社会保険料や健康保険料等を支払わなくてはならない為、実質手取り額が減ってしまう。その為に、わざわざ扶養控除内で働くパートタイム主婦」のコトを指している、ということはご存じだろう。
この「扶養控除の壁」に対して、岸田さんが2年間の猶予を与えるといった趣旨の話が、出ている。
日経新聞:「年収の壁」で1人最大50万円助成 岸田首相が明言
日経新聞:「年収の壁」130万円超でも2年まで扶養に 10月から
確かに、実質の手取り額が減ってしまう為に、パートタイムの勤務時間調整をしている、という主婦の話はとても身近な話題として毎年のように聴いている。
特に、これから11月くらいの間は、サラリーマンの「年末調整」書類の提出と重なる為、9月10月は、扶養内に収めるため「欠勤届」を出して調整をされる主婦も少なくないだろう。
ただ、このようなニュースを聞く度に思うことなのだが、元々女性の労働賃金は男性の7割と言われており、今の時代、シングルマザーとして働く女性の生活そのものはとても厳しい状況になっている。
「日本人の子どもの7人に1人は、満足に食事を食べられる環境にない貧困家庭」というシングルマザー家庭の生活困窮を訴えるNPOのネット広告が表示される。
一人親家庭に対しての様々なサポートはされているのかもしれないが、それがまだ十分ではない、と感じさせる広告でもある。
一人親家庭の中でもシングルマザー家庭が、経済的困窮に陥りやすい理由は、上述した通り女性に対する賃金の安さだ。
そのような困窮状態で生活をしている一人親家庭の平均年収はパート主婦の世帯年収よりも随分低い。
上述したように、一人親世帯における経済的困窮が、日々の生活の問題だけではなく、子ども達の進学選択の機会を奪うということにも結びついている、という指摘は再三されてきた。
だからこそ、「世帯収入によって、社会保障費等を負担すべきではないか?」という、指摘なのだ。
この問題に目を向けることなく、単に「パート主婦にしっかり働いてもらい、社会保障費等も払ってもらいましょう。その為の暫定的助成を出しましょう」という、バラマキ型政策に疑問を感じるのだ。
何より、この「バラマキ型政策」の原資となっているのは、税金である。
困窮する生活の中から、支払っている一人親からすれば、納得がいく方法なのだろうか?
このような話が出るたびに「自己責任」ということを言われる方がいる。
確かに、離婚をし一人親家庭を選んだのは、その人本人であることには違いない。
しかし、一人親家庭を選んだ人にも様々な理由があるはずだ。
それは「パート主婦が扶養内で年収を収めたい」という理由と、どれほどの違いがあるのだろうか?
むしろ、一人親家庭を選ばざる得なかった人の方が、深刻な問題を抱えた上での選択だったのでは?
自民党は「モデル世帯」に固視するあまり、今現在の「様々な家庭の姿」を見ていないという気がする。
と同時に仕事をしている人の多くが、「源泉徴収」と「年末調整」という方法によって、税を徴収・調整されている為「自分が支払った税金の行方」に興味を持たないようにしているようにも感じている。
「税の無駄遣い」は再三指摘されながら、一向に減らないのは納税者自身が「その税の使い方、おかしいでしょう!」と、指摘をする前の興味。関心の無さによるのでは?
「所得と税、扶養控除による不公平感」を、考える時にきているのではないだろうか?