日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「コロナ」全体主義

2020-08-18 15:59:47 | 徒然

先週のお盆期間中、拙ブログをお休みさせていただいた。
実は、お盆帰省をしていたからだ。
この「新型コロナ禍」の中、不要不急の外出は避けるように、といわれ続けている。
言わんとしていることは、十二分にわかるのだが「お盆帰省」が、テレビCMなどのような家庭ばかりではない、ということも知ってほしいし、地域によっては人手がどうしても必要なところもあるのだ。
我が家の場合も「お盆仕事」の約束事が多い為、高齢の父一人にさせるわけにもいかず、帰省したのだった。

往復は新幹線と在来線を利用したのだが、これほど空いた新幹線は経験したことが無い!ほど空席が目立っていた。
やはり、出かけることを控えた方が、多かったのだろう。
ただその空席の目立つ車中で「新型コロナ全体主義」のようなモノも、感じたのだ。

その一つが「マスク」だ。
連日、殺暑のような暑さが続いている。
昨年よりも高温の地域が多いこともあり、「熱中症に気を付けてください」とテレビやラジオなどで盛んに言われている。
しかし今年は「新型コロナウイルス」の感染拡大防止の為、マスクの着用も「熱中症」への注意呼びかけ以上に、言われている。
だがこの暑さの中マスクをして出かければ「熱中症」になるのでは?と簡単に想像がつく。
いくら「ソーシャルディスタンス(=社会的距離)が保たれていれば、マスクを外しても良い」といわれても、「新型コロナウイルス」に関する情報では「マスク着用」が一番にアナウンスされる。
本来であれば「手洗い・うがい」の次に来るはずの「マスク着用」が、一番先に取り上げられているのだ。

このようにメディアが、一番最初に取り上げることで人の行動は「マスク着用」が最優先になってくる。
「手洗い・うがい」のほうが、予防効果が高くても「マスクをすれば感染予防に役立つ」と、認識してしまうのだ。
個人で認識するだけならまだ良い。
それが「社会の同調圧力」となり「マスク警察」のような人たちまで、登場させることになっている。

おそらく「マスク警察」の人たちは、自分たちは「社会的正義と秩序の為にやっている」と、思っているのだと思う。
問題なのは「その情報はアップデートされているのか?」とか「自分の正義が他者に対して、威圧となっていないか?」という、判断と想像力を失ってしまっているのでは?ということなのだ。

「積極的に情報を収集し・その裏どりをし・自分で考え・判断をしているのか?」というところまで掘り下げた、思考の上での行動であれば良いのだが、自分で考えることなく単に「テレビやラジオで言っているから、正しい」と思い、行動をしているのであれば、それはある種の「全体主義」の始まりではないだろうか?

「この状況下だから、我慢するのは当然」という時、社会的弱者を切り捨てる言い訳となってはいないだろうか?
逆に言えば「創意工夫のある我慢」は、「コロナ後」の社会を変える力となるが、「何も考えない我慢」は、弱者を切り捨て、無言の同調圧力となり、「(国にとって都合の良い)全体主義」へと発展し「我慢することが偉い」という価値観をつくり出していくような気がするのだ。
国が生活者に「我慢を強いる」ことに疑問を持つ必要もあるだろう。
「我慢することが偉い」のではなく、「社会を変える我慢」が求められているのだ。

「コロナ全体主義」のような社会は、私たちが想像する以上に暮らしにくい社会だ、ということを認識する必要があると思う。


「個人情報」とアプリ、香港の民主化

2020-08-11 19:37:44 | 徒然

しばらく前から、米国が動画サイト「Tik Tok」の使用を禁止する、というニュースがあった。
このニュースに追従するように、他の国でもTik Tokの使用禁止という動きが出てきている。
Huffpost:TikTok禁止、アメリカ政府が検討。インドはすでに禁止 オーストラリアは検討中の報道

このニュースが報じられるようになって初めてTikTokが、中国の会社が開発したスマホ向けソフトである、ということを知った方も多いのではないだろうか?
もしかしたら、今でもTikTok関連のニュースを見て、「何故?」と疑問に感じられる方もいらっしゃるかもしれない。

既に使用を禁止しているインドと中国の間では、様々な政治的問題があると言われている。
一番の問題は「国境紛争」という問題だろうし、「チベット」という問題も含まれているかもしれない。
「チベット仏教のダライラマ14世」の亡命先はインドであり、中国側にとっては「ダライラマ14世」の存在そのものが疎ましい、ということはよくご存じだろう。
「国境紛争」という問題では、今年の6月に国境付近で両者が投石や殴り合いをし、死者が出ている。
朝日新聞:中国とインド、国境周辺で衝突 殴り合いや投石で死者

米国やオーストラリアなどに関しては、おそらく「情報の漏洩」という懸念が大きいのでは?と、考えている。
そしてこの中国企業による「情報収集」という問題は、TikTokに限ったことではない。
ここ数年、人気になっているHauwie社製のスマートフォンについても、利用者の個人情報が中国に吸い取られているのでは?という、指摘は再三されてきていた。
だからこそ、米国などはHuawei社製のスマートフォンを市場から追い出そうとしているのだ。
もちろん「個人情報」という問題だけではなく、米国と中国の間には「IT産業の覇権争い」という側面がある、ということも十分理解する必要があると思う。

そして昨年から香港で始まった「民主化運動」に対して、中国が強硬手段に出たことで、単なる「産業の覇権争い+情報の漏洩(中国側としては情報の収集ということになるだろう)」という問題ではなくなってきた。
以前から指摘されている、中国最大の検索サイトサイト「百度(「バイドゥ」)では、アクセス者の情報を吸い上げるだけではなく、SNSのサイトでは中国政府に対する批判的内容が即時削除される、ということが言われている。
逆にそれらのコメントを基に、公安部隊?などが監視をするという噂もあるようだ。

そのような中国社会の中で、香港の民主化は是が非でも抑え込み、その指導者の逮捕が必要だったのだ。
何故なら、今現在の体制を保ち、香港経済を手に入れるためには、民主化は邪魔だったからだ。
そのための手段として中国政府が取ったのが、民主化運動の中心人物2人の逮捕だったのだ。

日本政府の鈍い動きを考えると、中国政府に忖度をしているのでは?という印象を持ってしまうのだが、それよりも問題なのは「Tik Tokが流行っているから、皆やっているから」という理由で、気軽に利用している人たちが多いという点だ。
何かにつけ「個人情報」といわれる昨今だが、スマホのアプリをインストールするとき、そのアプリはどのような企業が開発しているのか?という、チェックをしていない人のほうが多いだろ。
そしてそのようなアプリから、いとも簡単に個人情報が抜き取られている、という事実を知る必要があるだろうし、何よりそこまでのリスクを冒してインストールするアプリだろうか?と、立ち止まって考える時代になっている、という意識を持つ必要があると思う。
蛇足ながら、「新型コロナ」で利用者が急増した「Zoom」も創業者は中国系アメリカ人であり、個人的にはあまり利用したくないアプリの一つでもある。


熱中症のほうが、空気感染のリスクより怖いと思う

2020-08-09 20:27:32 | 徒然

梅雨明けから連日猛暑が続いている。
これほど暑くなると、マスクをして出歩くことで起きる熱中症と新型コロナに感染するリスクと、どちらが多いのだろう?と、考えることになる。
あくまでも個人的な考えだが、いわゆる「換気が良く3密状態ではない場所」であれば、マスクを外しても良いのでは?と、考えている。

それでは「空気感染のリスクがある」と、言う方もいらっしゃると思うのだが、そもそも「空気感染」とはどのような状況で起きるのか?ということの理解が重要なのではないだろうか?
AERA:新型コロナ「近距離エアロゾル」の実態 専門家239人が指摘した空気感染の可能性

記事を読む限り、「3密で換気が悪いところ」であれば空気感染のリスクは高いが、「換気が良く3密ではない場所」ではリスクが低い、ということになる。
であれば「熱中症アラート」が発令されるような猛暑の中、「換気が良い、3密ではない」という条件が整う環境=例えば買い物の行きかえりなどは、マスクを外しても良いのではないだろうか?

にもかかわらず、律儀にマスクをして歩いている人の姿を多く見かける。
確かに「マスクをする」ことで、「マスク自警団」のような人たちから批難を浴びることはないだろう。
それで「熱中症」になったからといっても、「マスク自警団」のような人たちは「新型コロナに感染しないだけよかった」というのだろうか?

最近の猛暑の中マスク姿の人たちを見ると、「自分で考えて、マスクを外す」ということに躊躇しているような気がしてしまうのだ。
5月半ばに3回ほど「マスク熱中症」になりかけた私としては、「熱中症のリスクを冒してまで、マスクをする意味はない」と感じているし、実際猛暑の中で歩く時にはマスクを外している。
「新型コロナの感染」と「熱中症のリスク」を、考えた時「熱中症リスク」のほうが、問題だと考えているからだ。

実際厚労省のHPでも、熱中症予防の為に時と場合によってはマスクを外すことを勧めている。
厚労省HP:「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント

もう一つ個人的に懸念しているのは、「マスクさえすれば、消毒用アルコールで手をぬぐえば、感染しない」という思考停止に陥っているのでは?という、気がするからだ。
あくまでも「マスク」や「消毒用アルコールで手をぬぐう」のは、補助的な感染防止策であって、一番効果が高いのは「普通の石けんでの手洗い、水道水でのうがい、定期的な換気」だと言われている。
風邪症状のある人がマスクをすることは、確かに飛沫感染を防ぐ為に効果的だと思う。
ただ、基本中の基本である「手洗い・うがい・換気」をせずに、「マスクをつければ。アルコールで手を消毒すれば」という思考で止まっているのであれば、本末転倒のような気がするのだ。

何故なら「自粛生活」が解除されてから、爆発的に「感染者数」が増えたからだ。
「自粛していた間」というのは、「感染しないための環境での生活」だったはずだ。
ところが、解除後爆発的に増えたということは、感染しないための環境での生活をしていても、潜在的な無症状の感染状態であった、という可能性が高いのではないだろうか?
もちろん、「夜の街」に出かけたり、都市部に出かけたことで「新型コロナ」を地方に持ち帰り、それまで感染者数が少なかった地域で爆発的に増えた、ということはあると思う。
思うのだが、都市部における爆発的な数字を見ると、「自粛期間中に既に感染をしていた人がいて、その人達が移動したことで、「新型コロナ」も移動(=感染拡大)したのでは?という、気がするのだ。

「無症状」の人たちが、飛沫感染の要素である大声で話したため、感染が拡大したのか?と考えると、どうなのだろうか?
むしろ「無意識の接触感染」が要因なのでは、ないだろうか?
とすれば、猛暑が続く中、「3密」状態ではなく、普通に呼吸をするだけの時には、マスクをしないことも認めて欲しいと思うのだ。


この数カ月、一体何をしてきたのだろうか?ー「新型コロナ」対策ー

2020-08-07 20:41:19 | 徒然

毎日新聞のWEBサイトに、「新型コロナ対策」の一つとして9月中にPCR検査を1日7万2000件の能力確保をする、という記事があった。
毎日新聞:PCR検査、9月中に1日7万2000件の能力確保へ 厚労省

この記事を読んだとき、全国で1日あたり7万2000件という数字が少なすぎて、ビックリした。
確かに1日あたり7万2000件という数字は、小さな数字ではないかもしれない。
何故なら、今の検査体制で1日あたりの検査能力数が、5万2524件(全国)だからだ。
それよりも約2万件多くなるのだから、厚労省側は胸を張って「能力確保ができた」と、言いたいのだと思う。

だが、ニューヨーク市を見てみると7月の半ば時点で、1日6万人以上のPCR検査ができる様になっている。
しかも、不安のある人に対しては無症状でも検査ができるような、体制を作っている。
Huffpost:無症状でも検査無料のニューヨーク市、新型コロナ死者数がゼロに。「すべてのニューヨーカーは検査を受けるべき」

Huffpostに掲載されたニューヨーク市の記事は、7月13日。
この時点で、ニューヨーク市は1日あたり6万件のPCR検査を市民が受けられるような体制を整えているのだ。
しかも「無症状であっても、PCR検査を受けるように」という、市からの指示を出している。

「単純な数字比較をすべきではない」とは思うのだが、ニューヨーク市が7月半ばで体制を整えてから2カ月以上たってから、7万2000件という数字を出されても、インパクトも無ければ逆に「この数カ月、一体何をしてきたのか?」という、疑問のほうが強くなる。

そもそも、今だに「PCR検査」の相談窓口が、「帰国者・接触者外来センター」になっている。
既に「市内感染・家族感染」が認められるような状況になっても、この「新型コロナウイルス」の患者が初めて発覚した時の体制を、維持しようとしているようなのだ。
何故、インフルエンザのように「かかりつけ医によるPCR検査」を、実施しないのだろうか?
もしくは「ドライブスルー方式」のような、無症状であっても心配な人が気軽に検査が、受けられるような体制にしないのだろうか?

「不安感の強い人が、何度もPCR検査を受けるようになり、本来検査を受けなくてはいけない人が、受けられなくなる」という危険性があるというのであれば、納得できる。
しかし、今の状況は「症状が出ても、検査が受けられない」という人達が少なからずいて、その人達が新たな感染者を出しているのでは?という、指摘がされるようになっている、という状況なのだ。
「不安感の強い人が、何度もPCR検査を受けるのでは?」という懸念材料があるのなら、初回検査で陰性になりながら2回、3回と無症状で検査を受ける人達に対しては、有料検査とすれば良いだろう。
1回の検査料も5000円位に設定すれば、気軽に検査を受けようという気にはならないはずだ。
生活保護世帯などは検査料を安価に設定しても、無料検査にしないことで随分違うと思う。

これまでの国の「新型コロナ対策」を見てみると、「後手後手」という印象だけではなく諸外国の失敗例・成功例を見ながら体制を整える(あるいは修正する)という動きが見られない。
今のような状態であれば、「新型コロナウイルス」の終息は、年内は難しいのではないだろうか?
「Go Toキャンペーン」を実施したいのであれば、このような検査体制を整えることも重要だろうし、何より現場で働く人たちに対して手厚い保護と優遇措置を整え、生活者が安心して「検査を受け、経済活動ができる」体制を整える自覚と行動力が必要なのではないだろうか?




2つの4-6月期営業黒字-「コロナバブル」?-

2020-08-06 20:04:35 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、4-6月期の黒字の記事があった。
多くの企業が、大幅な赤字を出す中での黒字というのは、やはり目を引く。
記事に取り上げられていたのは、C2Cサイトの大手「メルカリ」と「任天堂」だ。

日経新聞:メルカリ、上場後初の営業黒字 4-6月

日経新聞:任天堂、純利益6.4倍 4~6月「あつ森」けん引

メルカリの場合、営業黒字ということなので、任天堂の純利益6.4倍とは比べることはできないが、なんとなくモヤモヤした気分になってしまうのは私だけだろうか?

モヤモヤする理由は、C2Cビジネスとは言え「サイトでマスクや消毒用アルコール」の転売によって、営業黒字になったのでは?という、印象があるからだ。
3月ごろから始まった「マスク騒動」は、マスクだけではなくトイレットペーパーやティッシュペーパー、果ては女性生理用品や紙おむつにまで発展した。
このような商品は、一度パッケージを開けてしまえば商品価値が無くなるモノなので、メルカリなどに出品した人達の目的は「転売」ということになる。
そして「転売価格」が、常識的な価格ではなくても生活に必要なモノであったため、高額であることを重々承知の上で、仕方なく購入した、という人も少なくなかったはずだ。
その後、トイレットペーパーやティッシュペーパー、女性生理用品、紙おむつは1ヵ月半ほどで徐々に正常化したが、この時の混乱ぶりは「オイルショック以来」のような印象があった。

一方、任天堂の「あつ森」のヒットは、元々人気が高いゲームソフトがたまたま「新型コロナ」の感染拡大時期に当たってしまった、という気がしている。
本業である「ゲームソフト」に磨きをかけ、より多くのファンに楽しんでもらおう!という創り手の思いと、ファンの楽しむ気持ちが合致したヒット、という気がしている。
それが、世界的なヒットとなることでマーク・ジェイコブスやヴァレンティノといった海外の有名ファッションデザイナーや、東京消防庁、ピップエレキバン、メトロポリタン美術館のような様々な業種の企業や公共団体、美術館などが「マイデザイン」に参加し、ゲームの面白さの幅を広げ、より多くのファンを獲得することに成功したのでは?と、考えている。
@アルテマ:【あつ森】有名ブランドや企業のマイデザインコラボ一覧

有名ブランドや企業が「あつ森」のマイデザインに参加したのは、知名度や好感度を上げるため、という目的はあるはずだが、ここまで業種を問わずに参加するということは、「あつ森」というゲームが「ゲーム以上の魅力と発信力を持っている」というからだろう。
それがたまたま「コロナ禍」と重なってしまった、ということなのだと思う。

そのように考えると、メルカリと任天堂とでは「黒字」の意味が違うのではないだろうか?
どちらも「コロナバブル」なのかもしれないが、メルカリの場合はそのサービスの魅力で営業黒字になったのではなく、「新型コロナの感染拡大」という、人の不安に付け込んだ転売ヤーが黒字をつくり、任天堂は自社製品の魅力と固定的なファンが新たな情報発信源となり、より多くの人や企業・団体を巻き込むことで黒字をつくった。

企業としての健全さは、どちらなのか?ということは、問う必要もないだろう。


転売ヤーの敏感さに、改めて驚く

2020-08-05 18:40:53 | アラカルト

大阪府知事の吉村さんが「新型コロナウイルスの予防に、うがい薬が良いという研究がある」という趣旨の話をされたようだ。
朝日新聞:「うがい薬で唾液中のコロナウイルス減少」吉村知事会見

科学的根拠という点では、疑問な点が多いにしても「うがい薬」そのものは、手に入りやすいことを考えれば、「うがい薬で予防策をしておこう」と、考えられる方は少なくないだろう。
この報道があってから近所のドラッグストアーでは、「うがい薬」の購入制限がかかってしまった。
理由は、お分かりだと思う。
一人で大量に購入させない為だ。
にもかかわらず、今日ドラッグストアーに行ったとき「うがい薬」の棚が、インフルエンザが流行していないこのシーズンにもかかわらず、空っぽになっていた。
「皆さん、動きが早いな~」と、感心した。

当然のことながら、このような状況を見越したかのように、C2Cサイトの大手「メルカリ」等では、さっそく転売ヤーといわれる方々が「うがい薬」を出品していたようだ。
Huffpost:「イソジン」等の”うがい薬”は転売しないで。メルカリで出品相次ぐ。吉村知事「勝手に販売すると犯罪。控えて」と訴える

おそらく出品した転売ヤーたちは、マスクや消毒用アルコールと同じだと考えていたのだろう。
そのため、C2Cサイトでの転売で一儲けしようとした、ということだと思う。
ところが、風邪などで近所の診療所(最近は「クリニック」と呼ぶことのほうが多いと思う)に行くと、調剤薬局で「うがい薬」が処方さる一つである、ということに転売ヤーたちは気づかなかったのだと思う。
「調剤薬局で処方される=薬事法で取り扱いが決められている」というモノなのだ。
そのため転売ヤーである素人が、勝手にネットで販売することは、薬事法違反に引っかかる、ということになる。

しかし考えてみると、今回のように「(一儲けしようと)転売目的」でC2Cサイトに出品する人達=転売ヤーを検挙する為には絶好のチャンスだったのでは?という、気がしない訳でもない。
何故なら、彼らのような人たちがマスクや消毒用アルコールを、不当に高値で販売をした人達の可能性もあるからだ。
マスクや消毒用アルコールが市中から無くなり、多くの生活者が困った挙句、「アベノマスク」なるトンチンカンな政策まで飛び出し、400億を超える税金が投入される切っ掛けを張本人でもあるからだ。

彼らの多くは「自分がC2Cサイトで何を出品し、儲けようと勝手だ!」と嘯くとは思うのだが、あまりも経済にも生活にも影響が大きすぎた。
その意味で、これを機会に検挙という方法も、転売ヤーを減らす為には効果的だったのでは?と、意地悪なことを考えてしまうのだ。

しかし、「うがい薬」による風邪やインフルエンザの予防に関しては、毎年のように懐疑的な意見が出ているのも事実だ。
神奈川県歯科医師会 オーラルヘルスオンライン:適切な歯磨きと口腔ケアで、インフルエンザを予防しましょう!!

歯磨き粉には、口腔内をきれいにするための薬剤が入っており、歯磨き後うがいをシッカリすることで口腔内から喉の上部位まで殺菌する。何より唾液を促すことで人の体が持っている免疫力を高める、ということのようなのだ。
それだけではなく、日本の水道水はオゾンなどで殺菌されているために、うがいをするだけでも効果が高い、といわれている、という話なのだ。

とすれば、「新型コロナ感染予防対策」の基本中の基本である、「市販の自然素材の石けんでの手洗い・水道水でのうがい」を適切に行いながら、歯磨きをすることで随分予防効果が高い、ということになりそうだ。



 


説得力のある説明ができない「新型コロナ対策」

2020-08-03 11:21:17 | 徒然

「『新型コロナ対策有識者会議』を今週行い、お盆休み期間中の対策を考える」と昨日西村担当大臣が発表した。

自粛生活が解除されたため、多くの人が移動したことで「新型コロナ」が全国的に拡がり、それに拍車をかけたのがご存じの「Go To Travel キャンペーン」という指摘が多い。
にもかかわらず「Go To」に関しては問題ないが、「お盆休みでの帰省は慎重に欲しい」という、発言も同時にあった。
朝日新聞:お盆帰省、高齢者のいる家へは「慎重に」西村担当相

当然のことながら、多くの人たちは「Go ToはOKで、帰省がダメという理由がおかしい」という指摘がSNSなどで見られるようになっている。
西村さんの言葉は「慎重に」となってはいるが、本当のところは「お盆帰省は✖でGo To Travelは〇」ということだろう。
確かに帰省先には、高齢者がいるのは間違いないだろう。
日本人の平均寿命が、男女ともに80歳を超える時代なのだから、元気な高齢者が多くても不思議ではない。

だからといって「Go To Travel」なら大丈夫というのは、説得力に欠ける。
何故なら、今の「新型コロナウイルス」の感染状況は、特定のクラスター源が判明しているケースよりも、クラスター不明・感染ルート不明の感染者が増えているからだ。
言い換えると、家族のだれかがどこかで感染し、それが家族に感染した。だが、無症状であったため外出をし、外出先で他の人に感染させた、ということが考えられるからだ。
朝日新聞:家族が全員感染、東京で相次ぐ 新規感染者は292人

この状況では、「Go To Travelが〇」の理由にはならない。
それとも「Go To Travel」中は、一言もしゃべらず観光や食事を楽しむとでも思っているのだろうか?

もう一つ、国の「新型コロナ対策」で説得力がないのは、データを示さないために「どのようなデータを根拠に対策をしているのか?」ということが、分からないからだ。
例えばニューヨーク州知事のクオモさんは、徹底した「データ主義」だった。
会見の度に「現在のニューヨーク州の感染者数・陽性率、病床数」等の数字を明快に示し、これらのデータがどのくらいになったら「ロックアウトを解除する」という具体性を示すことで、州民を安心させた。

ところが、日本の場合「新規感染者数」の数字の発表はあるが、「どのくらいまで減少させ、その期間がどのくらい続けば、行動の自粛が無くなるのか?」という具体的なものは一切なかった。
自粛要請の時も「感染者が多い」という説明位だったはずだ。
だからこそ、「自粛要請」が出された時よりも大幅に感染者数が増え、全国に拡大している今の状況で手をこまねいているようにしか思えない政府の在り方に疑問を感じる生活者が多いのだ。

説明をするための誰もが分かる明快な説得材料がないまま「Go To Travel」を開始し、急増しているけど始めたキャンペーンは問題無しでは、誰が信頼するのだろうか?


クールジャパンを再考してみたい

2020-08-02 21:38:57 | ビジネス

拙ブログにこられる方の中で、日ごろから家事をされている方は、どのくらいいらっしゃるのだろう?
日々家事をする中で、「日本の技術ってすごいな~」と感じるモノがある。
家電のデザインや使い勝手の良さなどではない。
もっと身近なモノだ。
それは瓶入りの調味料やジャムのパッケージだ。

その日本の技術の凄さを感じるのは、使いおわり破棄をする時だ。
ご存じのように、日本全国様々な自治体が「ゴミの分別」を推進している。
ガラス瓶に限らずペットボトルなども、「極力ラベルをはがすように出してほしい」という、注意書きが(名古屋市の場合)ある。
もちろん、ガラス瓶やペットボトルのラベルをはがさなくても、さほど問題はないのかもしれないのだが、回収されたガラス瓶やペットボトルが再利用される時の手間を省く為に、極力ラベルをはがしてほしい、というお願いを自治体がしているのだ。

そのような自治体の意向を踏まえ飲料メーカー各社は、ペットボトルのラベルをはがしやすいような工夫をしている。
今年に入ってからは、ラベルそのものをつけない、という飲料メーカーも登場した。
ニュースイッチ:ラベルなしペットボトル飲料が増えている理由

「分別のひと手間を省く」という点では、生活者にとってメリットがある取り組みだと思う。
そしてこのような活動を通して、企業側はSDGs意識の高い企業というアピールを生活者にすることができる。
生活者にとっても企業にとっても、このような動きはメリットが高い、ということが言えると思う。

この「ラベルなし飲料水」は、ニュースなどに取り上げられたが、ニュースに取り上げられることなく、「当たり前」になっているのが、ジャムなどの瓶製品のラベルだろう。

時折、海外の有名な食品店のジャムなどを、頂くことがある。
食べきった後、瓶を洗いラベルをはがそうとすると、案外大変な思いをされた方はいないだろうか?
ラベルそのものが、がっちりと瓶に張り付けてあるため、瓶を水に浸してラベルを柔らかくし(?)丁寧にはがすのだが、1度でキレイにはがれた経験はほぼ無い。
ところが、日本の瓶詰商品の場合、瓶を洗う時に水に浸すだけでほぼキレイにはがせるのだ。
スッキリ!とラベルがはがれた時の気持ち良さは、経験された方はお分かりになっていただけると思う。

環境問題などに積極的に取り組んでいる、といわれる国の瓶詰であっても「ラベルのはがしやすさ」という点では、日本のほうがはるかに進んでいるのでは?と、常日頃感じている。
とても些細なことだと思うのだが、このような技術は海外から見た時、「クール(=カッコイイ)」と思える技術なのでは?と、度々感じるのだ。

「クールジャパン」といったとき、アニメや日本の古典文化などを指すことが多い。
しかしこのような「使い勝手の良さを考えた技術」もまた、「クール(ジャパン)」なのではないだろうか?
何より「ゴミの分別」という視点だけではなく、「再利用」という点でも生活者の協力が得やすい技術であり、上述したようにSDGsという「持続可能な社会創り」という視点でも、とても小さな技術でありながら効果が高い技術だと思うのだ。

そのように考えれば、「クールジャパン」となるモノは、案外私たちの身近にあるのではないだろうか?
そしてそれを海外へと売りこむことで、このような技術を持っている企業の海外進出の後押しとなるのでは?と、考えるのだ。


市場を創るのは、生活者でもある

2020-08-01 20:31:57 | マーケティング

昨日、国が「マスクや消毒用アルコールなどの転売規制を廃止する」という報道があった。

Huffpost:マスク転売規制をなくす方針との報道に「悪質な転売ヤー増え、また品薄に」とネットで批判続出

Huffpostの記事にあるように、「マスクや消毒用アルコールなどの衛生用品」の転売規制廃止については、多くの生活者が不安を抱いているのは、当然だと思う。
この規制が始まる前まではとんでもない値段で、メルカリをはじめとするC2Cサイトに数多く出品されていたからだ。
「生活に必要なモノ」と考えれば、多少高くても購入せざる得ないと思い、購入した人達は多かったはずだ。
それが、国からの規制によってC2Cサイトでは出品することができなくなり、できなくなった数多くのマスクなどが市場に出回るようになった。
もちろん、品質という点では粗悪なモノも多かったようだが、逆に考えれば「粗悪な商品を高値で売ろうとした人達が数多くいた」ということにもなる。
その「規制を廃止」しよう、というのが今回の報道だ。

かつてドラッカーは「マーケティングの目的は、市場を創り出すこと」だと、いくつかの著書で述べている。
そして、コトラーは「社会の問題を解決するのがマーケティングの目的である」とも言っている。
個人的には、その両方が「マーケティングの目的」だと考えている。
その一方で、「市場を創り出すのは、企業だけなのか?社会の問題を解決するのは、企業だけなのか?」と考えると、「企業だけの力で市場を創り、社会の問題を解決することはできない」はずだ。
何故なら、企業だけが商品やサービスを提供しても、それらの商品やサービスを生活者が購入したり利用しなくては、市場は創られないし、社会の問題を解決することもできないからだ。

とすれば、今回の「マスクや消毒用アルコールを含む抗菌剤・滅菌剤」等をC2Cサイトに出品されていれば、それを「購入しないように」という不買運動をネット上で展開したり、場合によってはサイト情報をSNSなどに公開するなど「購入しないように呼び掛ける」ということを生活者自ら行う、ということも「市場を創る」上では重要なのでは?という、気がするのだ。

と同時に、サイトを運営している企業は、自主的に規制をする姿勢を取る必要があるだろう。
「ネットで取引をしている個人同士の問題」としてではなく、「社会がどのようにその取引を見ているのか?その見られ方はサイトを運営している企業に対する社会的信頼度を図っている、という意識を持つことで、より社会的=利用をしていない未来の利用者からも信頼を得る(または信頼を失う)ことに繋がるからだ。

むしろ、国からの規制がなくなったことでC2Cサイトを運営している企業に対して、厳しいチェックを生活者はするようになるはずだ。
それは3月の「マスク騒動」の時を振り返れば、よくわかることだと思う。
それは「自由経済」という視点で考えても、「国からの規制がなくなったことで、企業の姿勢が問われている」という認識を持つべきだろうし、持って当然だろう。
その程度のビジネス上のリスクマネージメントをして、当然なのだから。
たとえ些細なことであっても、生活者が受け入れることができないようなビジネスとは何か?ということを、徹底して考えサイト運営をすることが、今だけではなく未来の利用者を獲得する唯一の方法なのだから。