「『新型コロナ対策有識者会議』を今週行い、お盆休み期間中の対策を考える」と昨日西村担当大臣が発表した。
自粛生活が解除されたため、多くの人が移動したことで「新型コロナ」が全国的に拡がり、それに拍車をかけたのがご存じの「Go To Travel キャンペーン」という指摘が多い。
にもかかわらず「Go To」に関しては問題ないが、「お盆休みでの帰省は慎重に欲しい」という、発言も同時にあった。
朝日新聞:お盆帰省、高齢者のいる家へは「慎重に」西村担当相
当然のことながら、多くの人たちは「Go ToはOKで、帰省がダメという理由がおかしい」という指摘がSNSなどで見られるようになっている。
西村さんの言葉は「慎重に」となってはいるが、本当のところは「お盆帰省は✖でGo To Travelは〇」ということだろう。
確かに帰省先には、高齢者がいるのは間違いないだろう。
日本人の平均寿命が、男女ともに80歳を超える時代なのだから、元気な高齢者が多くても不思議ではない。
だからといって「Go To Travel」なら大丈夫というのは、説得力に欠ける。
何故なら、今の「新型コロナウイルス」の感染状況は、特定のクラスター源が判明しているケースよりも、クラスター不明・感染ルート不明の感染者が増えているからだ。
言い換えると、家族のだれかがどこかで感染し、それが家族に感染した。だが、無症状であったため外出をし、外出先で他の人に感染させた、ということが考えられるからだ。
朝日新聞:家族が全員感染、東京で相次ぐ 新規感染者は292人
この状況では、「Go To Travelが〇」の理由にはならない。
それとも「Go To Travel」中は、一言もしゃべらず観光や食事を楽しむとでも思っているのだろうか?
もう一つ、国の「新型コロナ対策」で説得力がないのは、データを示さないために「どのようなデータを根拠に対策をしているのか?」ということが、分からないからだ。
例えばニューヨーク州知事のクオモさんは、徹底した「データ主義」だった。
会見の度に「現在のニューヨーク州の感染者数・陽性率、病床数」等の数字を明快に示し、これらのデータがどのくらいになったら「ロックアウトを解除する」という具体性を示すことで、州民を安心させた。
ところが、日本の場合「新規感染者数」の数字の発表はあるが、「どのくらいまで減少させ、その期間がどのくらい続けば、行動の自粛が無くなるのか?」という具体的なものは一切なかった。
自粛要請の時も「感染者が多い」という説明位だったはずだ。
だからこそ、「自粛要請」が出された時よりも大幅に感染者数が増え、全国に拡大している今の状況で手をこまねいているようにしか思えない政府の在り方に疑問を感じる生活者が多いのだ。
説明をするための誰もが分かる明快な説得材料がないまま「Go To Travel」を開始し、急増しているけど始めたキャンペーンは問題無しでは、誰が信頼するのだろうか?