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「重要文化的景観」は、「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」と定義。
全国では現在70件選定されているといいます。
滋賀県で剪定されている重要文化的景観は、高島市海津・西浜・知内の水辺景観・市針江・霜降の水辺景観・大溝の水辺景観(高島市)、東草野の山村景観(米原市)。
菅浦の湖岸集落景観(長浜市)、伊庭内湖の農村景観(東近江市)があり、中でも「近江八幡の水郷」は重要文化的景観選定制度適用の第一号として選定されたそうです。
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「近江八幡の水郷」の構成要素に含まれている「円山集落」は、ヨシの産地として知られ、ヨシ加工による簾(すだれ)や葭簀(よしず)などの高級夏用建具の製造が行われているといいます。
円山(標高183m)は、水郷めぐりの乗り場がある辺りから見ると、お椀を逆さに置いたような山で、その名前の通りの姿の山ですが、その山麓にある「円山神社」は巨岩を背にした本殿のある神社だという。
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円山集落は西に八幡山、東に西の湖に挟まれ、集落の中に円山がある集落で、民家は円山の周囲を取り囲むような山麓に立ち並びます。
「圓山神社」「毘沙門天王」の石標が両脇に立つ鳥居を抜けると、100段くらいの石段があります。
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石段の横に最初に見えてくるのは地蔵堂。
玉垣に囲まれてお祀りされており、祠を修復しながら守り続けている様子が伺えます。
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最初の100段ほどの石段を登りきると、横のスペースに「寶珠寺」という天台宗の寺院がありました。
「寶珠寺」は、1754年に澄尭大和尚によって中興された寺院だといい、奥の収蔵庫には国の重要文化財の本尊毘沙門天が安置されているようです。
寶珠寺本堂は老朽化が著しい状態だったものの、「近江八幡の水郷」が重要文化的景観の構成要素として選定されたことから2007年に修理工事が行われたといいます。
修復工事に伴い発見された棟札には1847年とあり、現在の本堂が弘化四年に造立されたことが記されているそうです。
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寶珠寺から先は少し傾斜のある石段が約50段。
キジバトとヒヨドリのにぎやかな声を聞きながら登ります。
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石段を登り終えると開けた場所に出ることができ、拝殿と本殿が見えてきます。
この位置からでも本堂の後ろの大岩は見えており、想像していた以上の大きさに驚きは隠せない。
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「円山神社」は御祭神に「天津彦火瓊瓊杵尊」を祀り、天照大神の孫にあたるこの神は三種の神器とともに日向の高千穂峰に天降ったとされ、稲作をもたらした農業の神として祀られることが多いといいます。
左に「祇園神社」「津島神社」「愛宕神社」、右に「行事神社」の境内社に挟まれ、中央には大岩を背にして本殿が建ちます。
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今にも本殿に倒れ掛かってくるような大岩ですが、絶妙のバランスで座っています。
円山の守護神のように祀られる大岩は、磐座として円山集落を守り続けてきたのでしょう。
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社殿を右側から見ても大岩の大きさが目立ちます。
近江八幡市の市街地に行くたびに何度も近くを通っているにも関わらず、こんな神社があったのは全く知らず、湖東の琵琶湖側にも巨石信仰が何ヶ所か見られることに驚きを感じます。
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参拝を終えて合計150段ほどの石段を降りていきます。
円山集落は、神社の鳥居を出るとすぐに西の湖畔に出ることになり、葦原の中の水路が見えてきます。
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ところで、円山集落はヨシの産地・簾(すだれ)や葭簀(よしず)などの高級夏用建具の製造地とされており、西の湖の近くにはヨシの倉庫のような場所があります。
加工待ちのヨシが保管されているのかと思いますが、現在はどの程度の製品が流通しているのでしょうか。
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稲を干すハサのような場所に掛けられているヨシは、もう色が変わってツタのような植物が茂ってしまっていますので、これはもう使わないヨシなのかもしれません。
ヨシの群生は、水質浄化の役割に加えて野鳥や魚たちの生息や繁殖地となり、人の暮らしや祭事にも使われて共生してきたものです。
近年では「西の湖 ヨシ灯り展」や「ヨシ笛コンサート」などが開催されて、ヨシの保全に役立っているようですね。
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帰り道には面白いカカシが3体あり。
チコちゃんに叱られる!のチコちゃんとキヨエ?
一番右はお菓子のカールのおじさんでしょうか?
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最後に円山と田園風景です。
円山は、字の通りに丸い山に見える場所と、横長に見える場所があります。
湖東地方に火まつりの神事が多いのは、ヨシの供給量が豊富だからなのかとふと思う。
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