僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

「養老の滝」で初見のイシガケチョウをパチリ!

2023-08-20 17:30:00 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 猛暑にうだっている時は滝や清流を眺めて、滝のミストのような水飛沫を浴びるのが一番ということで、岐阜県養老町にある「養老の滝」へ涼みに訪れました。
「養老の滝」は「日本の滝百選」に選ばれており、養老公園から続く東海自然歩道が整備されていることからお手軽な観光スポットとして多くの方が訪れておられました。

約1㌔ほどの遊歩道の一番奥に「養老の滝」はあり、清流に沿った遊歩道に掛かる7つの橋を渡りながらジグザグに登ったり、真っすぐ行ったり出来るようです。
「養老の滝」へ訪れるのは十数年ぶりのことでしたので、すっかり記憶から消えてしまっていて、初めて訪れたような新鮮さを感じます。



遊歩道の横には数軒のお土産屋さんが並んでいて、観光地然とした通りを歩くのも久しぶりの感じがします。
登りの時はまだ朝早かったのでお店は準備中のところが多かったのですが、帰り道に復刻された「養老サイダー」を飲みたいなと復路の楽しみのひとつにします。



“おたきみち”と彫られた石碑を横目に坂を登っていきますが、清流の横の緑は圧倒されるくらい美しい。
モミジなどの樹木が多いので秋の紅葉シーズンはさぞや美しい光景が広がるのだと思います。
帰りにお土産屋さんで聞いた話では、ライトアップは紅葉の範囲が広すぎてやっていないとのことでしたが、紅葉を楽しみに訪れる方は多いとのことでした。



遊歩道は清流に沿って登っていきますのでヒンヤリと涼しさは感じるものの、湿度が高いためかいた汗がTシャツに浮き出てくる。
アスファルトの坂道って楽そうに思いますが、ふくらはぎに負担がかかりますので、山道を登った方が足にとっては楽だと思います。



「一丁」と彫られた丁石が見えると、滝までは約109mとなり、あとわずかで到着です。
少し高い位置に滝見の場所があって人の姿が見えてきて、この辺りから滝へ向かう石段の道に変わり、やや傾斜がきつくなります。



ゴロゴロとして苔むした岩の間を渓流が流れ、奥には目指す滝が!
個人的な好みではこの滝は直下から眺めるよりも、みゆき橋や少し下の岩場から眺めた方が姿がよいのではと感じます。



この地域には滝がいくつかあり、養老町の「養老の滝」を雌滝、不破町の「不破の滝」を雄滝と呼ぶことがあり、力強さを感じる「不破の滝」と美しく端正な「養老の滝」との比較も面白い。
また、行ったことはありませんがこの滝の上の養老山には「秣の滝」「直江の滝」があるといい、「養老の滝」と3つ合わせて「養老三滝」と呼ばれるそうです。
養老山の「秣の滝」のことを「雌滝」と呼ぶようですので、「雌滝」と呼ばれる滝はこの地域に2曝あるということになりますね。



「養老の滝」は、落差約30m・幅4mあり、記憶に残っていた落差より高かったのに驚きます。
雨の日が続いていた後の晴れ日でしたので水量が多かったのもより迫力を感じた原因のひとつだったのかもしれません。



余談ですが、「養老の滝」は葛飾北斎や歌川広重も題材として描いており、それぞれの表現で滝の様子を描き出しています。
葛飾北斎(左)は「諸国滝廻り 美濃国 養老の滝」で水飛沫の間を歩いていく旅人の図。
歌川広重(右)は「六十余州名所図絵 美濃 養老ノ瀧 」で広重ブルーの滝が太い柱のようにデフォルメして描かれており、両作品とも表現力の豊かさに驚きます。

 

「養老の滝」は観光地化されていますので滝の直下近くまで行くことが出来ますが、近づいてカメラを向けると水飛沫が激しいのでレンズが濡れて水滴が斑点のように写ってしまうのが難点です。
滝の前には岩門で結界が切られており、滝の方向を眺めるように不動明王の石仏が祀られている。





滝から遊歩道を下って「養老神社」への参拝を兼ねて「菊水霊泉」へと詣ります。
遊歩道の横には下の「菊水泉」があり、手を清めてみるととても冷たくて、暑さに火照った体が冷やされる思いがする。



「養老神社」への急な石段を登っていくと拝殿・本殿がある。
創建時期は不明とされているが菊理媛命が祭神と伝えられ、菊理媛命は白山比咩神と同一神とされることから白山信仰との関係がありそうです。
また、滝の水が酒になったという親孝行の伝説「養老孝子伝説」など故事があり、春分の日には故事にちなんで「若水取り」の儀式が行われるという。



「菊水泉」は日本の名水百選に指定されているといい、水は透き通るような透明感があります。
伏流水の源流になる養老山地には三方山~小倉山~養老山の登山ルートがあるようですので一度登ってみたいのですが、梅雨から秋口まではヤマビルが多いらしい。



御神木から拝殿を望む。
千木は内削ぎになっていたので女神を祀っていると考えられ、御祭神が菊理媛命なのに適合しています。



さて、参拝を終えましたので気になっていた「養老サイダー」を賞味してみます。
養老サイダーは、明治から昭和前期にかけて東日本の「三ツ矢サイダー」と西日本の「養老サイダー」として双璧を成す人気だったそうですね。
「養老サイダー」は2000年に製造中止となり会社も廃業しましたが、2017年にクラウドファンディングでオリジナルな味を復刻して、地元の一部店舗で販売しているそうです。



沢沿いの遊歩道を下っている時に蝶がヒラヒラと飛んできたのですが、その蝶は初めて見ることが出来たイシガケチョウでした。
一時期、蝶の撮影に凝っていた頃、ずっと出会いたかったのに一度も出会えなかった蝶です。
全く想定外の意外な場所で念願のイシガケチョウに出会えたのは運が良かったですね。



しかもイソガケチョウは3頭が同じ場所で飛んだり吸水したりで留まっていてくれましたので何度もカメラで追うことになりました。
残念ながらデジイチを持ってきていなかったのでボツ写真連発の中、少しマシに撮れた写真をUPです。



イソガケチョウはタテハチョウ科の蝶で、元々は紀伊半島以南・四国・九州・南西諸島に生息していた町のようですが、温暖化で生息地域が北上してきているようです。
アゲハチョウ科の「ナガサキアゲハ」も元は近畿以南から南西諸島に分布していたのが温暖化によって北上してきたといいますので、地球温暖化の影響は多岐に渡るようです。



今回は観光がてら家族連れで訪れましたが、養老の滝に対する印象は以前に訪れた時の記憶とは随分と異なるものでした。
見たいものや感性や興味の対象は、年月を経て変わってくるものですね。



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