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荒神山は古くは「平流山」と呼ばれていたといい、奈良時代に行基が山頂に「奥山寺」を開山した際、三宝大荒神の像を祀ったことから「荒神山」と呼ばれるようになったという。
山麓には「唐崎神社」「千十寺」「天満天神社」「稲村神社」が祀られていることから古よりの信仰があったと思われ、山中には「蛇石」という蛇の頭のような巨石があります。
荒神山は桜の名所でもあるとともに、季節の花が多く見られる山とのことで、イワカガミを探しに荒神山へ登りに行きました。
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荒神山の山頂へのルートは林道・山道と幾つかルートがありますが、今回は「唐崎神社(トウザキ)」の本殿横から登ることにします。
「唐崎神社」は主神が7神、配祀神も7神が祀られており、聖武天皇の時代に行基が山頂に「奥山寺」を創建するに当って社殿を現在地に移したと伝わります。
主神・配祀神の数が多いのは、当地の周辺に祀られていた神々が合祀された歴史があるのかもしれません。
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まずは唐崎神社の拝殿で本日登らせていただく御挨拶と安全をお祈りしてから山へ入ります。
拝殿は周辺の整備が行き届いていて、ガラス障子に囲まれていて独特の印象を受けますが、なんかさっぱりとした雰囲気の建物です。
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境内横からコースに入るといきなり磐座のような巨石に遭遇します。
磐座かどうかはともかくとして、同じ荒神山の中腹にある「稲村神社」にも巨石がたくさんあります。
山中には「蛇石」という奇石があり、山の一部の場所に大きな岩や奇石が集まっているように感じます。
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崖側にも岩があり、これを何かの後ろ頭と背中と見立てると顔は琵琶湖の方角を眺めているかのようです。
大きな岩が集まっているところは、かつて祭場か何かに使われていたのかもしれません。
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山道は当初は緩やかなアップダウンのある歩きやすい道でしたが、途中から結構な傾斜のある箇所が続くようになります。
滑りやすい急登にはロープが張られており、林道を横切る交差地点までこの急登が続きますが、少し息が切れてきたのが逆に嬉しくなってきます。
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林道を横切った後の登りは木段に変わりますが、さほど急な箇所はなく歩きやすい。
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少し登ると小さな展望台がありましたので、突き出た台の上から景色を眺める。
曽根沼・宇曽川と琵琶湖に挟まれた田園地帯の向こうには琵琶湖と対岸の高島や比良山地が見えるはずだが対岸がガスってしまっている。
琵琶湖に浮かぶ多景島は確認出来るものの、竹生島や沖の白石もこの日は残念ながら見えませんでした。
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この辺りからはミツバツツジが群生となって咲いており、小さな花を咲かしているスミレやスズラン。
場所によってはスイセンやシャガが咲いていたりしていて、自生野生問わず花の多い山です。
この山でもショウジョウバカマの花は何ヶ所かで見かけました。日当りの良い場所では花期は少し過ぎていたかな。
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イワカガミはどこに咲いているのだろう?と歩いていた時、数は多くはないがイワカガミが数株咲いているのを発見。
昨年初めてイワカガミを見つけた時はやたらと感動したものでしたが、イワカガミが咲いている場所って実は少なくはないのも今となっては分かります。
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荒神山のピークは2カ所あって、ひとつは東屋や三角点のある「日夏山(標高261.5m)」で、もうひとつは「荒神山(284m)」になります。
三等三角点のある「日夏山」の山頂近くにはシャクナゲが何株か花を咲かせており、大輪のピンク~赤の美しい花が見られます。
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荒神山 山頂の東屋と呼ばれる八角形の東屋に以前は「日夏山」の山頂標識がありましたが、今は見当たらない。
三角点は荒神山の山頂から300m離れた所にあります。
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三角点からは東方向の景色を眺めることができ、ここからは霞んではいるが伊吹山と霊仙山の両方が確認出来る。
そろそろ水を張った田圃が増えてきており、ここから眺める景色は季節ごとに様変わりしていくことでしょう。
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「日夏山」の山頂で折り返して戻ってくると「荒神山古墳」の周囲を歩くことになります。
「荒神山古墳」は滋賀県では第2位の規模の古墳とされ、荒神山にはこの古墳の他にも古墳10数基の古墳が確認されているといいます。
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荒神山の山道の最終地点まで来ると、見落としそうな場所に「荒神山」山頂標識がある。
ここが荒神山の最高地点なんですが、あっさりと看板1枚だけというのは少し寂しい感じがしますね。
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ここから西の方向を眺めると、曽根沼と琵琶湖が見える。
琵琶湖と荒神山はこうして眺めるとかなり近く感じますね。
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「荒神山神社」はもともとは奈良時代に行基によって創建された奥山寺だったとされ、後に天台宗寺院となった奥山寺は織田信長によって焼き払われる。
江戸時代には彦根井伊藩の崇敬や寄進を受けて保護されるも、明治の神仏分離によって奥山寺は廃寺となり、荒神山神社だけが残ったようです。
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荒神山はいくつものコースを歩くことが出来ますので、帰り道は「千手寺」に参拝して下山することにします。
千手寺の参道の石段には「地蔵摩崖仏」と「六体地蔵笠板碑」」や石仏が祀られており、独特の雰囲気があります。
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地蔵摩崖仏は左手から腰にかけて割れ目が走り、見るからに痛々しい。
しかし周辺は綺麗に整えられて丁寧にお祀りされていて、山歩きの方が手を合わせてから登って行かれる姿もありました。
「六体地蔵笠板碑」が横に祀られていますが、板碑は滋賀では見られる場所が限られており、珍しい感じがします。
当初からこの形で積まれていたのか、後の世にこの形になったのかは分かりませんが、地蔵さんはかなり劣化が見られ、一説には室町期のものともいわれます。
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石段を下り終えると山門から出ることになり、本日の山登りは終了で後は駐車場までのロード歩きだけです。
山の中では休日ということもあって大勢の方とすれ違いましたが、日課のようにして登っている地元の方とおぼしき方も多かったように思います。
当方は近所にすぐに登れる山はありませんので、ウォーキングがてら登れる山が身近な所にある方を羨ましく感じます。
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