高田郁著「みをつくし料理帳」の「八朔の雪」(2009年5月)「花散らしの雨」(2009年9月)「想い雲」(2010年3月)いずれもハルキ文庫、角川春樹事務所発行を読んだ。
カバーの裏の内容紹介を引用する。
八朔の雪 みをつくし料理帖
花散らしの雨 みをつくし料理帖
想い雲 みをつくし料理帖
シリーズ第1弾の「八朔の雪」は、「歴史・時代小説ベスト10」、「最高に面白い本大賞!文庫・時代部門」、「R-40本屋さん大賞第一位」を獲得した。
本作はハルキ文庫への書き下ろしだ。
また、澪(みお)とは通りやすい水路のことで、「澪つくし」とは水路を示す杭のことで「澪標」と書く。
高田郁(たかだかおる)は兵庫県宝塚市生れ。中央大学法学部卒。
1993年、川富士立夏の名前で漫画原作者としてデビュー。
2006年、短編「志乃の桜」で北区 内田康夫ミステリー文学賞区長賞受賞。
2007年、短編「出世花」で小説NON短編時代小説賞奨励賞受賞。
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)
ともかく面白い。さまざまな困難、妨害を受けながら料理を工夫していく話なのだが、料理に興味がない私は、料理の内容は読み飛ばしたが、面白くてついつい読みふけってしまった。
ともかく美人と決まっている主人公の女性が、下がり眉とあだ名されるように美人でないもの良い。
すくなくとも江戸時代には、関西と江戸がこんなにも料理法、食材が異なっていたのかと驚いた。吉原の話もよく出てくるが、著者はよく調べていて丹念な描写ぶりに感心する。
問題が起こり、もうだめだと思われる状況から、工夫し、仲間の協力も得て逆転する。一冊の本の中でこれが波のように繰り返される。大きな流れでなく、小波が繰り返される手法は漫画的で、連続ドラマ的である。また、少数の悪人以外の人がみなやさしさに溢れる人物であるなど、多少類型的で漫画的(差別的?)である。
しかし、料理に対する思い入れ、料理人としての一途な想いが良く書けていて、ともかく面白い。
最近はこれはと思う人は、漫画や、ライトノベル出身の人が多い。才能ある人は皆、元気な漫画などへ行ってしまうのだろう。時代は変わった。
幼馴染の救出、元若旦那の行方、恋する人との進展などまだまだ大きな問題が残っていて、第4作以降が待ち遠しい。
巻末に主な料理のレシピがついている。
カバーの裏の内容紹介を引用する。
八朔の雪 みをつくし料理帖
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!
花散らしの雨 みをつくし料理帖
元飯田町に新しく暖簾を揚げた「つる家」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!
想い雲 みをつくし料理帖
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清石衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる屋」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に、働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾!
シリーズ第1弾の「八朔の雪」は、「歴史・時代小説ベスト10」、「最高に面白い本大賞!文庫・時代部門」、「R-40本屋さん大賞第一位」を獲得した。
本作はハルキ文庫への書き下ろしだ。
また、澪(みお)とは通りやすい水路のことで、「澪つくし」とは水路を示す杭のことで「澪標」と書く。
高田郁(たかだかおる)は兵庫県宝塚市生れ。中央大学法学部卒。
1993年、川富士立夏の名前で漫画原作者としてデビュー。
2006年、短編「志乃の桜」で北区 内田康夫ミステリー文学賞区長賞受賞。
2007年、短編「出世花」で小説NON短編時代小説賞奨励賞受賞。
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)
ともかく面白い。さまざまな困難、妨害を受けながら料理を工夫していく話なのだが、料理に興味がない私は、料理の内容は読み飛ばしたが、面白くてついつい読みふけってしまった。
ともかく美人と決まっている主人公の女性が、下がり眉とあだ名されるように美人でないもの良い。
すくなくとも江戸時代には、関西と江戸がこんなにも料理法、食材が異なっていたのかと驚いた。吉原の話もよく出てくるが、著者はよく調べていて丹念な描写ぶりに感心する。
問題が起こり、もうだめだと思われる状況から、工夫し、仲間の協力も得て逆転する。一冊の本の中でこれが波のように繰り返される。大きな流れでなく、小波が繰り返される手法は漫画的で、連続ドラマ的である。また、少数の悪人以外の人がみなやさしさに溢れる人物であるなど、多少類型的で漫画的(差別的?)である。
しかし、料理に対する思い入れ、料理人としての一途な想いが良く書けていて、ともかく面白い。
最近はこれはと思う人は、漫画や、ライトノベル出身の人が多い。才能ある人は皆、元気な漫画などへ行ってしまうのだろう。時代は変わった。
幼馴染の救出、元若旦那の行方、恋する人との進展などまだまだ大きな問題が残っていて、第4作以降が待ち遠しい。
巻末に主な料理のレシピがついている。