堂場瞬一『ラットトラップ』(講談社文庫2023年5月16日講談社発行)を読んだ。
裏表紙にはこうある。
愛と平和の祭典、ウッドストック・フェスティバル。
若者たちが音楽に酔いしれる中、一人の少女が消えた。
依頼を受けた探偵ジョーは、助手リズと調査を開始。
コンサート会場で、少女が中年のヒッピー女性と一緒にいたとの証言を得て、現地へ向かうが……。
ハードボイルドの魂を歌い上げる傑作! 〈文庫書下ろし〉
1969年のウッドストック・フェスティバル。愛と平和の祭典で若者たちが音楽に酔いしれる中、18歳のジェーンが消えた。16歳妹メアリーからの依頼を受けた探偵ジョーは、押しかけ助手のリズと調査を開始する。ようやく、コンサート会場でジェーンが中年のヒッピー女性と一緒にいたとの証言を得たのだが……。
ジョー・スナイダー:44歳、独身。伝説的名探偵・サム・ライターに鍛えられた。10年ほど前、ブロードウェイの名物レストランのウェイトレス・ヴィクと付合っていた。その頃、罪を犯した新進気鋭のロックスター・ジャックマンの罪を隠蔽する代わりに引退させた。
リズ・ギブソン:1年ほど前、「探偵になりたいので助手にして欲しい。給料はいらない」とジョーの事務所にやって来た。22歳。服装はヒッピーだが、仕事はきちんとする。
メアリー・アトウォーター:リズの近所に住むハイスクールの生徒。姉のジェーン18歳がウッドストックへ行ったまま帰らないと捜索を依頼する。
ミッチェル・ハーディン:西海岸から流れて来たカルト的グループを率い、危険な男。
ジェシカ:ハーディンを支えるヒッピー風の40代の女。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
気楽に楽しんで読める普通のハードボイルド。
ロックやジャズの綺羅星のような米国の昔の歌手の名前が、文脈にあまり関係なく、ずらずれ出て来て、小さな字で解説がカッコ付で示される。私にはどれも懐かしく、そうそうと、ご機嫌だったのだが。
日本人の書いたアチャラものにしては不可思議な点がない。さすが器用な元新聞記者だが、ニューヨークや郊外の大農場の臭いはしてこない。ちょっと遊んでみただけかもしれないが、わざわざ舞台を外国にする必要があるのか? サンマは目黒に限る??
ニューヨークメッツの久しぶりの優勝パレードが行われる。「今日の天気予報。ニューヨーク晴れ、ところにより紙吹雪」