青山七恵著『花嫁』2012年2月幻冬舎発行を読んだ。
語り手が、大学生の若松麻紀、結婚間近の兄の和俊、和菓子屋の父宏治郎、母さおりと変わる4話からなる連作長編。その他、お手伝いの弓子さん、兄の婚約者の富子さんなど少々。花嫁を巡る4人家族の話なのだが、ちょっと異常。なにしろ、20歳の妹が兄のベッドに潜り込むのだから。
兄の結婚に動揺する妹、単純に結婚を決断する兄の話は、ごく普通の日常の中に少々変なものが潜んでいる。さらに親の話に進むと、父も母も・・・。兄が嫁をもらうことで一見平和な家庭に秘密が現れ、瓦解していく。
初出:「GINGER L.」01号~04号に連載
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
仲良し家族が過去の秘密の上に辛うじて成り立っていたことが、徐々に明らかになる。この手の話は最近多い。「イヤミス」(嫌な気分になるミステリー)と言うらしい。
日常生活を描いた部分は青山さんの自然な描写が流れるのだが、筋立てには新味が感じられない。
恋愛を燃え上がらせる絶対的障壁が少ない現在、小説家はついつい異常な状況設定に陥りがちなのだろう。若くしてデビューした青山さんも曲がり角を上手く回れるか?
青山七恵は、1983年、埼玉県生まれ。
筑波大学図書館情報専門学群卒業。旅行会社に勤務し、(2009年)退社。
2005年、在学中に書いた「窓の灯」で文藝賞、
2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。
2009年、「かけら」で川端康成文学賞を最年少で受賞。
その他、「やさしいため息」、「「魔法使いクラブ」」、「「私の彼女」」、「「あかりの湖畔」」。
語り手が、大学生の若松麻紀、結婚間近の兄の和俊、和菓子屋の父宏治郎、母さおりと変わる4話からなる連作長編。その他、お手伝いの弓子さん、兄の婚約者の富子さんなど少々。花嫁を巡る4人家族の話なのだが、ちょっと異常。なにしろ、20歳の妹が兄のベッドに潜り込むのだから。
兄の結婚に動揺する妹、単純に結婚を決断する兄の話は、ごく普通の日常の中に少々変なものが潜んでいる。さらに親の話に進むと、父も母も・・・。兄が嫁をもらうことで一見平和な家庭に秘密が現れ、瓦解していく。
初出:「GINGER L.」01号~04号に連載
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
仲良し家族が過去の秘密の上に辛うじて成り立っていたことが、徐々に明らかになる。この手の話は最近多い。「イヤミス」(嫌な気分になるミステリー)と言うらしい。
日常生活を描いた部分は青山さんの自然な描写が流れるのだが、筋立てには新味が感じられない。
恋愛を燃え上がらせる絶対的障壁が少ない現在、小説家はついつい異常な状況設定に陥りがちなのだろう。若くしてデビューした青山さんも曲がり角を上手く回れるか?
青山七恵は、1983年、埼玉県生まれ。
筑波大学図書館情報専門学群卒業。旅行会社に勤務し、(2009年)退社。
2005年、在学中に書いた「窓の灯」で文藝賞、
2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。
2009年、「かけら」で川端康成文学賞を最年少で受賞。
その他、「やさしいため息」、「「魔法使いクラブ」」、「「私の彼女」」、「「あかりの湖畔」」。