雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。大学卒業後、出版社で編集者、社会保険労務士事務所などで勤務。
2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
2005年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞、吉川英治文学新人賞候補。
2016年『望み』で山田風太郎賞候補
2022年『クロコダイル・ティアーズ』で直木賞候補
その他、『虚貌』『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『つばさものがたり』『検察側の罪人』。
雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。大学卒業後、出版社で編集者、社会保険労務士事務所などで勤務。
2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
2005年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞、吉川英治文学新人賞候補。
2016年『望み』で山田風太郎賞候補
2022年『クロコダイル・ティアーズ』で直木賞候補
その他、『虚貌』『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『つばさものがたり』『検察側の罪人』。
雫井脩介著『クロコダイル・ティアーズ』(2022年9月30日文藝春秋発行)を読んだ。
【第168回 直木賞候補作】
ベストセラー作家、雫井脩介による「究極のサスペンス」
この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。
息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての恋人。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、残された家族の間に、疑念が広がってしまう。
「息子を殺したのは、あの子よ」
「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」
未亡人となった想代子を疑う母親と、信じたい父親。
家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐で濃密なサスペンスが誕生!
「家族というのは、『お互いに助け合って、仲睦まじく』といった一面が取りざたされることも多いですが、そうじゃない部分もあります。ある種の運命共同体であるからこそ、こうしてほしいという願望を押しつけあったり、求めあったりして、生きづらさも生んでしまう。だからこそ、ドラマが生まれる。家族が一枚岩になれないときに生ずる『心の行き違い』は、サスペンスにしかならない」(著者インタビューより)
クロコダイル・ティアーズcrocodile tearsとは、ワニは獲物をおびきよせるためにうその涙を流すと言い伝えられていることから、見せかけの涙、空涙、うそ泣きのこと。
登場人物
久野想代子(くの・そよこ):老舗陶磁器店の跡継ぎ夫・康平と結婚したが、夫が元交際相手に殺害された。義父・貞彦の勧めで、想代子は3歳の息子の那由太ともに両親と同居する。実母は岸川敏代。
久野貞彦、暁美(あさみ):東鎌倉駅前で老舗陶磁器店「土岐屋吉平(きっぺい)」を営む。長男・康平を亡くし孫の那由太に望みを持つ。妻・暁美は想代子に疑いを深める。
塚田東子(はるこ)、辰也:暁美の実姉・東子は、一時は翔んでいる女だったが、今は「土岐屋吉平」のビルの3階でキッチン雑貨店を営む。夫の辰也は楽器店経営に失敗し、今は、妻の店のお飾り店長。
隈本重邦:想代子と同棲していたが、暴力を振るうので別れた。想代子の夫となった康平を殺害し裁判で、懲役17年の判決を受けた直後に「夫殺しを想代子に依頼された」と叫んだ。
山本喜市:人間国宝の陶芸家。息子の正市郎も売り出し中の陶芸家。
初出:「オール読物」2022年1月号~8月号
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
元恋人隈本をそそのかして夫・康平を殺させたのではと疑われていても、一見平静で何を考えているか見えにくい嫁・想代子は冷静に店の仕事をこなしていく。
一方で、息子を殺され、荒れる心から嫁に嫌味を言い、確証のない憶測で想像力を膨らませる姑・暁美、たきつける姉・東子。暁美の心身はボロボロになる中で、店の仕事は嫁に移っていく。さらに、夫・貞彦も跡継ぎを孫・那由太に期待する中で、立派に店の仕事をこなす想代子に肩入れしていく。暁美はますます感情的になり攻撃性を増すし、壊れていく。
私は、最初からたぶん結末はこうだろうと予想をつけていた。したがって、嫁いびりをエスカレートする暁美にいやな話が続くと思っていた。しかし、逆に読み終わってもなお、なにかすっきりしないのは何故?
塀下に並ぶチューリップ
こちらはムスカリ
ムスカリで縁取られたちょっと寂しいパンジー
公園の入口にはパンジー
ラッパスイセンの鉢4つ
リナリア・マロッカナって何、Googleさん?
深紅のツバキ
小さいが数で対抗するピンクのツバキ
モクレン
ジンチョウゲ(沈丁花)
ボケ
アセビ(馬酔木)
ギョウリュウバイ?
リキュウバイ(利休梅)?? 知らんばい
トキワマンサク
別のトキワマンサクに近づいてパチリ
サクラかな?
都内でもはずれとなるとこんな昔懐かしい場所も
ガード下にたくさんの雪を持ち込んで雪まつり
伊与原新著『オオルリ流星群』(2022年2月18日KADOKAWA発行)を読んだ。
「あのときのメンツ、今みんなこっちにいるみたいだぜ」「まさか、スイ子か? なんでまた?」スイ子こと、山際彗子が秦野市に帰ってきた。手作りで太陽系の果てを観測する天文台を建てるというのだ。28年ぶりの再会を果たした高校時代の同級生・種村久志は、かつての仲間たちと共に、彗子の計画に力を貸すことに。高校最後の夏、協力して巨大なタペストリーを制作した日々に思いを馳せるが、天文台作りをきっかけに、あの夏に起きたことの真実が明らかになっていく。それは決して、美しいだけの時間ではなかった。そして久志たちは、屈託多き「いま」を自らの手で変えることができるのか。行き詰まった人生の中で隠された幸せに気付かせてくれる、静かな感動の物語。
45歳の高校の同級生。高3の文化祭で1万個の空き缶で作ったオオルリのタペストリーを作った。
山際彗子(けいこ):通称スイ子。有名大学を出て国立天文台の研究員になったが、職を失い、地元に戻った。
種村久志:経営が苦しい種村薬局を継ぐ。妻・和美、長男・悠人、次男・篤人。
勢田修:東京の番組制作会社を辞め、法科大学院を今年3月に卒業し、司法試験の勉強中。
伊藤千佳:公立中学の理科の教師。夫・典明も教師で高校生の長女と中学生の長男がいる。
梅野和也:川崎の産業機械メーカーに就職したが、実家に3年引きこもり。ミニFMのマニア。
槙恵介:空き缶タペストリーのリーダーだったが、途中で抜けて、1年後、19歳の夏に死亡。
エッジワース・カイパーベルト:準惑星にもなれない小さな無数の天体が帯状に存在する太陽系外縁部の領域。
本書は書下ろし。
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)
伊与原さんの作品の中では冴えたところが少ない。
あとがきで伊与原さんが書いているが、市販のアマチュア向け望遠鏡でエッジワース・カイパーベルトに微惑星の生き残りを史上初めて発見したという挑戦に感銘を受けて書いたそうだが、ただ一点だけでなく他にもいくつかちょっと驚く事実を足しこんで欲しかった。
孤高の、感情を表さない慧子にはちょっと興味が湧くが、他の人は平凡でキャラがまったく立っていない。
「…俺たちの代わりなんか、いくらでもいるんだ。だから、心がつぶれると思ったら、仕事なんて放り出しちまえばいいんだよ」(p160)
「十二歳のときからずっと付き合ってる友だちは、俺にはお前しかいない。お前の両親にとっても、息子はお前しかいないんだ。替えはきかねんだよ。…」(p161)
キラリナ京王吉祥寺4階のここは今年1月に次いで2回目。
カフェ(コーヒースタンド?)で簡単なランチした。右手と奥に席がある。
写真の後ろの席からは5階を見上げ、
窓際の席からは、4階とそう高くもないのだが、一番左手にかすかに「ユニクロ吉祥寺店」、その右に「吉祥寺パルコ」、正面右手に「東急吉祥寺店」、正面に「コピス」、そして一番右手に「ヨドバシ吉祥寺店」と吉祥寺の大きな建物が一望できる。
窓の下には総武線のホームが見下ろせる。
私の注文は洋梨の焼きタルトとAndブレンド
相方はチーズケーキlとデカフェ
皿が気になってひっくり返す。フランスの「スタジオエム(studio m’)のルポゼ 菓子皿」らしい。
窓の下に総武線が止まった。パンタグラフが上からじっくり見える。
今度は東西線。よく見るとパンタグラフの細かいところが少し違う。パンタ鉄になろうかしら?
4月3日10時前、三鷹台駅を出発し、
神田川沿いをさかのぼる。
やけに派手なサクラ?
近接してもサクラ?
白いサクラ?
なんでもサクラに見えるが、こちらはハナミズキ?
アスファルトの隙間から花を咲かせているど根性「メマツヨイグサ」(文責 グーグルレンズ)
井の頭公園に入り、定点観測地点のひょうたん橋のたもとの、いつも早く開花するサクラは既に散り終えている。
池は花筏(はないかだ)でいっぱい。
スワンボートが航跡を残す。
対岸のサクラは先端がもう水の中。染井吉野は寿命60年(?)と聞いたが、70年以上のご高齢の井の頭公園のサクラはいつまで花を咲かせてくれるのか? 競争しようぜ!
七井橋たもとの、いつも咲き始めが遅いサクラはまだ花が残っている。
ところどころに桜色が残るがあの明るさは陰ってしまった井の頭池。
4月3日(月)10時、それでもスワンボートは次々と出航。
新入社社員の最初の仕事? 昭和か??
手折るにしても1本どころか満開の山吹の枝
シャガの花
ハナニラの群生に見送られて桜散った井の頭公園を後にした。
3月20日に届いた花
青、赤、白と3本のアネモネ。
白いアネモネを近接撮影。近づいてまじまじと見るたびに、神の御業に恐れ入ります。花びらの細かい小じわまで趣が伝わる。
赤いアネモネ。
チューリップ、ピンク、黄色、オレンジ、薄紅のチューリップ。
オレンジのチューリップの中を覗き込むと、これまた不思議な光景。
薄紅のチューリップは八重。
花びらが薄くてかそけきリューココリーネ。
つる状のコデマリ。
下向きの花を寝転がって下からパチリ。
2日後、最盛期か?
茎の下の方なのでカットしたコデマリも捨ててなるものかと一輪挿しへ。
最終3日目の11時過ぎ、二条城へ東大手門から入った。
余りにも頑丈な大手門。
大手門を入って南に歩くと、唐門が登場。
この装飾の華美なこと!
唐門を入ると広場に成っていて、
二の丸御殿と車寄が見える。
車寄(二の丸御殿の出入り口)
二の丸御殿は、将軍の上洛の際の居館。第15代将軍慶喜による大政奉還が発表された。
全6棟の建物から成り、江戸初期の書院造として国宝となっている。狩野派による障壁画は2千面あり、そのうち1016面が国の重要文化財だ。
御殿内は見どころも多いが、撮影禁止のため詳細ははぶく。是非直接ごらんあれ。
再び、出入り口を出た後は、以下の図の赤線のごとく進む。
広場のモコモコの桜。
火事などの緊急事態を知らせるために京都所司代屋敷に置かれていた釣鐘。
二の丸庭園の松
なぜか庭園には松ばかりだが、1本だけ桜があった。
二の丸庭園は書院造庭園で、作事奉行・小堀遠州が改修した。
東橋と本丸櫓門。ここから内堀に囲まれた本丸庭園、本丸御殿(耐震工事中)に入る。
本丸の石垣
天守閣跡へ登る。
天守閣跡からの眺め。
天守閣跡からの眺め。
西橋から本丸を出ると、
その先にはしだれ桜の大木。その後ろに和楽庵がある。
清流園に入ると桜が一杯。
ということで、見どころ一杯の二条城を後にして京都駅へ。
来るときは気が付かなかったのだが、あの京都駅ビルがこんなに未来的になっていた。
中央コンコースは、4000枚のガラスを使用し、広々とした吹き抜けになっている。
竣工は1997年とあるから、私は26年前の建物に未来的と驚いていることになる。
これで京都旅行はようやく終わり。 前回は、「満開の京都(3) 金閣寺」
今日は最後の三日目、午前中は王道の金閣 鹿苑寺。入場券を求めて並んでいると、前方の屋根の上、遠くに、舎利殿の鳳凰が見えた。
これがゲットした入場券。
「お~、見えた見えた金閣寺舎利殿!」
どこに行ってもスマホを構えて撮る人ばかりで嫌になる。この写真は何で撮ったの?
ようやく隙間を見つけて前へ出てパチリ。
中三の修学旅行以来だから、金閣寺は65年振り?
記憶がおぼろげだが、清水寺へ行ったという証拠写真がわがパソコン内にあった。やっぱり混んでいる。
絵葉書のような写真。1397年足利三代将軍の義満が舎利殿(金閣)を中心とした「北山殿」を造った。
一階は金張りしてなかったとは知らなかった。
横から。
これが鳳凰。デザイン化されている。
この後はお庭を巡る。
鏡湖池です。見てやってください。庭だってなかなかのものです。金ぴかでないけど。
入る前に撮った舎利殿横の方丈(住職の居室兼客間)。
庫裏(くり、僧たちの食堂,厨房,居室)。
金閣寺垣
金閣寺のこの垣が原型となった背の低い透かし竹垣が金閣寺垣と呼ばれる。
龍門の瀧。ちょっと名前負け。
夕佳亭(せっかてい)。高台にあるこの茶室からみる夕日の金閣は美しいらしい。
大原・三千院の庭などの修築で知られる金森宗和設計と伝わる。
以上で金閣見学は終了だが、紙数が余る(?)ので、26日夜飯を食べた中京区蛸薬師通の「地酒とおばんざい はなと」をご紹介。
専門の料理人が出す「京料理」と違って、昔から京都の一般家庭で作られてきた家庭料理のことを「おばんざい」というらしい。
店内は飾り物もあるが、気楽な雰囲気。
私は、鯛(?)定食
相方は、銀鱈の西京漬け定食。
次回は、「満開の京都(4) 二条城」、 前回は、「満開の京都(2) 知恩院、円山公園」