6月22日(金)はジョナ研があった。5月11日以来の開催である。
午後6時50分ごろ入ると、すでに先客がいた。Kun、Hon、Kazの各氏である。通常はこの時間ならHon氏ひとりだから、3人もいるのは珍しい。みんなよほどジョナ研が好きなのか、それともヒマなのか。
きょうは軽めでパスタを頼もうかと思ったが、キャンペーンメニューがあったので、結局それにする。
「中井広恵女流六段お誕生日・カラオケ&焼肉大パーティー」が2日後に迫っている。今回はKun氏の奥さんも参加するのがちょっとした話題だ。
「Kunさんの奥さんは美人なの?」
私が問うと、
「美人だよ」
とKun氏が即答した。これは明後日が楽しみである。
先に食事を終えていた3人は、早速将棋。バカだ。まずはHon-Kaz戦。Hon氏の三間飛車に、Kaz氏は変則的な囲い。しばらく見ていると、「ミレニアム」を構築した。もはや懐かしい囲いだ。
対するHon氏は△7二金・△7一銀型の変態穴熊ではなく、通常の銀冠。しかし相手玉の位置(8九)に感化されたか、自分も△8一玉と横にすべったが、これが悪手。「後手の角筋をあらかじめ避けた」ものだが、考えすぎだった。
7時46分、R氏が来た。R氏は仕事中だが、中抜けしたもの。その熱心さには頭が下がる。なお、きょうはW氏とFuj氏は休み。W氏は将棋関係の仕事、Fuj氏は家庭教師である。おふたりとも、本業以外でも忙しいのだ。
Hon-Kaz戦。終盤、後手が飛車を成ったが、この忙しいときに△8二玉の一手を入れなければならず、ここで形勢の針が動いた。
ふたりに構わず、私は「中井広恵と行く稚内ツアー」の土産話をする。今回はR氏、Kaz氏が不参加だったからだ。R氏は羨ましいな、という顔。だけど私たちが中井女流六段と談笑していたとき、R氏だって一家団欒、幸せなひとときを送っていた。だからおあいこである。
先日、ポケットにスマホを入れていたら、待ち受け画面がヘンなのに変わってしまった。そこで改めて、稚内ツアーでの中井女流六段の画像に変えた。それを私はみんなに見せびらかす。
おおー、と歓声ともため息ともつかぬ声が漏れる。こんなことぐらいしか私は自慢できないのだ。
ただしKaz氏は対局中なので、迷惑そうだった。とくに読み筋を乱すこともなく、私の土産話がHon氏への援護射撃にはならなかったようだ。以後は、Kaz氏が手堅くまとめて制勝した。
「Honさんが最初から△8二玉と入っていれば、むしろHonさんが有望だったんじゃないの?」
と、Kun氏の弁だった。
Kaz氏は中井女流六段のお誕生日パーティーに出られないとかで、「協力金」を出資してくれた。これは有効に使わせていただく。
続いて私とKun氏が将棋。Kun氏はもちろんだが、私も将棋が好きである。
角道を開けあったまま、後手の私はタテ歩取り模様に出る。Kun氏は角を換わって▲8二角。私は△9二香▲9一角成△8三角と耐える。次に△7一金~△9四歩~△9三桂~△8一金の馬殺しが狙いだ。
数手後、▲5六銀・▲7六銀と並んでおり、私は桂を持っていたので△6四桂と打ちたかったが、味を持たせて△3六歩と垂らしたのが手過ぎた。
▲2六飛△3七歩成は、と金を作ってもこちらが忙しくなった。
その後こちらの模様が悪くなったが、再逆転し、私が良くなった。
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部分図の局面で、私は△6八金▲同金△同成桂を進める。以下もいろいろあったが、何とか私が幸いした。
しかし局後、△6八同成桂で△8七銀(参考図)と縛る手をKun氏から指摘され、愕然とした。
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この手は△6八成桂以下の詰めろだが、これが妙に受けにくい。
そういえば、Kun氏が▲6八同金と取ったとき、「アッ」とつぶやいたのだ。あれはこの変化を見たのだ。私は全然気付かなかった。
Kun氏は将棋のセンスがいいが、こういうところに才能の差を感じる。
また、序盤で私が△7六飛と出たとき、▲9二馬(と香を取る)△同角▲7七香(で飛車が死ぬ)はどうか、とR氏の意見が出た。これも鋭い。私(たち)は全然気付かなかった。
続けて相横歩取りの研究に移る。前日21日は、A級順位戦・郷田真隆棋王VS三浦弘行八段戦と女流王座戦・石橋幸緒女流四段VS中倉宏美女流二段戦が相横歩取りになり、後手・三浦八段and石橋女流四段が△8五飛と指した。これに先手の郷田棋王と宏美女流二段が▲1一角成と応じ、ごく一部の間で話題になった。
プロの2人が指したのだから、▲1一角成も立派な手だろう。しかしやっぱり本手は▲8六飛でしょ、ということで、それ以降を研究する。
しかしどこまで行っても、むずかしい戦いだった。
私たちは引き続き、郷田-三浦戦の実戦を並べる。棋譜はKun氏のスマホに収められている。
△8五飛▲1一角成のあと、佐藤康光四段-中川大輔四段戦は、後手の中川四段(と石橋女流四段)が△3三角と指したが、三浦八段は△3三桂と単に跳ねた。なるほど、馬を遊ばせる手もあるのか。
以下は三浦八段の攻めがうまく繋がり、66手まで、三浦八段の勝ちとなった。
やはり▲1一角成はうまくないのではないか。
「これがジョナ研だなあ」
ひとしきり研究が終わると、Kaz氏が満足そうに、つぶやいた。
(つづく)
午後6時50分ごろ入ると、すでに先客がいた。Kun、Hon、Kazの各氏である。通常はこの時間ならHon氏ひとりだから、3人もいるのは珍しい。みんなよほどジョナ研が好きなのか、それともヒマなのか。
きょうは軽めでパスタを頼もうかと思ったが、キャンペーンメニューがあったので、結局それにする。
「中井広恵女流六段お誕生日・カラオケ&焼肉大パーティー」が2日後に迫っている。今回はKun氏の奥さんも参加するのがちょっとした話題だ。
「Kunさんの奥さんは美人なの?」
私が問うと、
「美人だよ」
とKun氏が即答した。これは明後日が楽しみである。
先に食事を終えていた3人は、早速将棋。バカだ。まずはHon-Kaz戦。Hon氏の三間飛車に、Kaz氏は変則的な囲い。しばらく見ていると、「ミレニアム」を構築した。もはや懐かしい囲いだ。
対するHon氏は△7二金・△7一銀型の変態穴熊ではなく、通常の銀冠。しかし相手玉の位置(8九)に感化されたか、自分も△8一玉と横にすべったが、これが悪手。「後手の角筋をあらかじめ避けた」ものだが、考えすぎだった。
7時46分、R氏が来た。R氏は仕事中だが、中抜けしたもの。その熱心さには頭が下がる。なお、きょうはW氏とFuj氏は休み。W氏は将棋関係の仕事、Fuj氏は家庭教師である。おふたりとも、本業以外でも忙しいのだ。
Hon-Kaz戦。終盤、後手が飛車を成ったが、この忙しいときに△8二玉の一手を入れなければならず、ここで形勢の針が動いた。
ふたりに構わず、私は「中井広恵と行く稚内ツアー」の土産話をする。今回はR氏、Kaz氏が不参加だったからだ。R氏は羨ましいな、という顔。だけど私たちが中井女流六段と談笑していたとき、R氏だって一家団欒、幸せなひとときを送っていた。だからおあいこである。
先日、ポケットにスマホを入れていたら、待ち受け画面がヘンなのに変わってしまった。そこで改めて、稚内ツアーでの中井女流六段の画像に変えた。それを私はみんなに見せびらかす。
おおー、と歓声ともため息ともつかぬ声が漏れる。こんなことぐらいしか私は自慢できないのだ。
ただしKaz氏は対局中なので、迷惑そうだった。とくに読み筋を乱すこともなく、私の土産話がHon氏への援護射撃にはならなかったようだ。以後は、Kaz氏が手堅くまとめて制勝した。
「Honさんが最初から△8二玉と入っていれば、むしろHonさんが有望だったんじゃないの?」
と、Kun氏の弁だった。
Kaz氏は中井女流六段のお誕生日パーティーに出られないとかで、「協力金」を出資してくれた。これは有効に使わせていただく。
続いて私とKun氏が将棋。Kun氏はもちろんだが、私も将棋が好きである。
角道を開けあったまま、後手の私はタテ歩取り模様に出る。Kun氏は角を換わって▲8二角。私は△9二香▲9一角成△8三角と耐える。次に△7一金~△9四歩~△9三桂~△8一金の馬殺しが狙いだ。
数手後、▲5六銀・▲7六銀と並んでおり、私は桂を持っていたので△6四桂と打ちたかったが、味を持たせて△3六歩と垂らしたのが手過ぎた。
▲2六飛△3七歩成は、と金を作ってもこちらが忙しくなった。
その後こちらの模様が悪くなったが、再逆転し、私が良くなった。
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部分図の局面で、私は△6八金▲同金△同成桂を進める。以下もいろいろあったが、何とか私が幸いした。
しかし局後、△6八同成桂で△8七銀(参考図)と縛る手をKun氏から指摘され、愕然とした。
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この手は△6八成桂以下の詰めろだが、これが妙に受けにくい。
そういえば、Kun氏が▲6八同金と取ったとき、「アッ」とつぶやいたのだ。あれはこの変化を見たのだ。私は全然気付かなかった。
Kun氏は将棋のセンスがいいが、こういうところに才能の差を感じる。
また、序盤で私が△7六飛と出たとき、▲9二馬(と香を取る)△同角▲7七香(で飛車が死ぬ)はどうか、とR氏の意見が出た。これも鋭い。私(たち)は全然気付かなかった。
続けて相横歩取りの研究に移る。前日21日は、A級順位戦・郷田真隆棋王VS三浦弘行八段戦と女流王座戦・石橋幸緒女流四段VS中倉宏美女流二段戦が相横歩取りになり、後手・三浦八段and石橋女流四段が△8五飛と指した。これに先手の郷田棋王と宏美女流二段が▲1一角成と応じ、ごく一部の間で話題になった。
プロの2人が指したのだから、▲1一角成も立派な手だろう。しかしやっぱり本手は▲8六飛でしょ、ということで、それ以降を研究する。
しかしどこまで行っても、むずかしい戦いだった。
私たちは引き続き、郷田-三浦戦の実戦を並べる。棋譜はKun氏のスマホに収められている。
△8五飛▲1一角成のあと、佐藤康光四段-中川大輔四段戦は、後手の中川四段(と石橋女流四段)が△3三角と指したが、三浦八段は△3三桂と単に跳ねた。なるほど、馬を遊ばせる手もあるのか。
以下は三浦八段の攻めがうまく繋がり、66手まで、三浦八段の勝ちとなった。
やはり▲1一角成はうまくないのではないか。
「これがジョナ研だなあ」
ひとしきり研究が終わると、Kaz氏が満足そうに、つぶやいた。
(つづく)