一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

12日の女流王座戦、3局

2012-07-14 00:04:32 | 女流棋戦
きのう13日のLPSA芝浦サロンは、中倉彰子女流初段と宏美女流二段の担当。久しぶりにお邪魔しようと考えていたのだが、結局行かなかった。やはり芝浦までは遠い。

12日は、里見香奈女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花-鈴木環那女流二段、甲斐智美女流四段-西山朋佳奨励会2級、島井咲緒里女流二段-山口恵梨子女流初段の無料中継があった。いずれも女流王座戦の本戦1回戦である。しかし、なんで3局もまとめて行うのか分からぬ。バラけて指せばいいのに。
女流王座戦本戦は持ち時間3時間なので、通常夕方に終局する。ちょうど仕事終わりと重なって、仕事中にスマホで観戦するには、まことに味がいいのだ。
女流3局の勝敗予想は、里見◎、西山◎、山口△、というところ。現役奨励会員に対する私の信用度は高い。誤解を恐れずに言えば、里見奨励会初段、西山奨励会2級は、勝つのは当然として、どういった勝ち方をするかに注目していた。なおこの日は、竜王戦本戦トーナメント・飯島栄治七段-佐藤天彦七段戦もあったが、一度も見なかった。
里見-鈴木戦は、意表の相居飛車。里見は振り飛車党だが、居飛車も勉強しているという。将棋はいろいろな戦法がある。貪欲に将棋を勉強している里見が早晩居飛車にも手を出すことは、自明であった。
里見14手目の△8六同飛に、鈴木の▲2六飛(引)が問題の一手。敗着であろう。オンナならここは断乎、▲3四飛と横歩を取らねばならなかった。
いくら里見が女流四冠とはいえ、横歩取りの経験値は鈴木が上である。それを外すことは、己の将棋観を否定することを意味する。鈴木は里見の研究におびえたのだろうか。とにかく▲2六飛は、鈴木らしからぬ手だった。
甲斐-西山戦は、相三間飛車。西山17手目の▲3八銀がよく分からない。なぜなら△8八角成~△2八角があるからだ。果たして本譜もそうなった。相振り飛車を指すとき、この筋はつねにあるから見落としではないと思うが、▲4一角に構わず△1九角成と香を取られては、これが予定の反撃だったとは考えづらい。
だが驚いたことにこの将棋、馬の出入りと飛車寄りの繰り返しで、千日手になってしまったのだ。甲斐、香得でもダメだったのか。
そして西山。こうなるんだったら、最初から▲3八銀と上がるなよ、といいたいところだ。
島井-鈴木戦も相振り飛車。島井ちゃんは実力があるのだが、ときどき指導対局で気の抜けた手を指すことがある。ムラがありすぎていまひとつ信用がないのだ。しかし本局は、落ち着いて指している。△7二金~△6二銀に、島井の工夫を感じた。
里見-鈴木戦は、里見優勢でどう指すかと見ていると、△1四角。控室でも出なかった手だそうで、こういったところにセンスのよさを感じる。
甲斐-西山戦・指し直し局は、千日手で正気に戻った西山が、馬を作って優勢。これは逃さぬ雰囲気だ。甲斐は女流王位…否、女王を失冠してから、すっかり勢いがなくなった。
島井-山口戦は、見応えのある攻防が続いているが、徐々に島井ペースになってきたようだ。
私は、3局をかわるがわる覗く。仕事もせずに、こんなことでいいのだろうか。
4時27分、ついに島井が勝利した。最後は見事な寄せだった。女流王座戦ベスト8は、来期シードで二次予選からの登場となる。これはうれしい勝利だったろう。
さらに里見-鈴木戦、甲斐-西山戦が相次いで終了。もちろん現役奨励会員の快勝だった。
2回戦はこのふたりが激突する。そして片方の山では、伊藤沙恵奨励会1級の名前もある。どうも第2期の女流王座戦は、この中から挑戦者が出るような気がしてならない。
奨励会員のタイトル保持者VS奨励会員の挑戦者。もしこうなったら、第3期からは女流王座戦のエントリー規定が変わってしまうのではなかろうか。
コメント (3)
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