一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

10月28日の東十条囲碁将棋教室(後編)・本気を出す

2014-11-02 03:12:06 | 東十条囲碁将棋サロン
(10月31日のつづき)

以下の指し手。△6七桂成▲同玉△7八銀▲5七玉△5六歩▲4八玉△5七金▲3九玉△3八香 まで、植山七段の勝ち。

▲2五歩で▲6八金は、△6七歩で早くなる。▲2五歩と打って、これで詰まされたらしょがないと開き直った。でも、一目詰まないと思ったのだが…。
植山悦行七段は△7八銀と中空に打った。まったく読んでいなかった手だ。これは読み切りか?
私は力なく▲5七玉だが、△5六歩が痛打。▲同玉は△5五香以下詰むので、私は▲4八玉。これで逃げてるんじゃないかと思ったが、△5七金▲3九玉に、△3八香と短く使う手があった。これで即詰み、投了した。
感想戦。▲5七玉と逃げたから△5六歩が生じたのであって、ここ▲5八玉はどうかとなったが、これには△6九銀不成が植山七段の用意していた手。
これを▲同玉は△4七馬で、以下▲5八金合が最善だが、△6七香以下詰む。また▲4九玉も△5八金▲3九玉△4八金打▲2八玉△2六香まで。
では上手勝ちかと思えばそうではなく、「▲6七玉は?」と植山七段が言った。
これに△7七金は▲5七玉で詰まない。また△7八銀不成は▲5八玉で、連続王手となる。
どうもこれで下手が逃れている、の結論に達したが、以上の変化は、すべて植山七段の研究によるもの。私はただうなずくだけで、プロの読みの深さに感心するばかりであった。

立て続けに将棋を指して、多少はBD-Rを買い損ねたウサを忘れることができた。
ほかを見ると、Tom氏がS君と再戦している。将棋は相穴熊。本当にS君は穴熊しか指せないようだ。あまりラクな将棋は指さないほうが将来のためだと思うのだが…。
局面は一手違いの終盤戦。お互いの玉があぶないが、手番はTom氏である。
しばし考えていたが、「ま、いっか」と▲2二金と放り込む。以下△同飛▲同銀成△同玉▲3二金(△同玉は▲4二飛△3三玉▲2二銀)まで、Tom氏の勝ちとなった。
S君がたまらず席を立ち、側のソファーに顔を突っ伏した。こんなじいちゃんに負けるはずがない、というところだが、この底力がベテランの味である。そう、私も含めて、みなはTom氏の力量をはかり間違えていた。ここ一番で出す力は、まだ現役そのものだったのだ。
S君はMiy氏と2局目も指していたようで、これも負け。2人に1勝3敗は、不本意だったろう。しかし私たちの周りには、一癖も二癖もある連中が多いのだ。S君もだいぶ強くなったが、みなを越えるには、まだまだ、というところなのだろう。
時刻は10時近くになる。W氏によると、Miy氏は中井広恵女流六段がフリーになったことや、石橋幸緒女流四段が引退・退会したことを知らなかったという。
またTom氏が藤森奈津子女流四段の引退を知らなかったとのこと。中井女流六段や石橋女流四段の件はまだしも、藤森女流四段の引退は、相当前の話である。
お2人とも、もっと将棋界に目を向けてください。
これでお開き。サロン前で三々五々解散したが、植山七段とW氏、私はいつもの中華料理屋で遅い夕食となった。
私は食欲がなかったが、セットメニューを頼んだりして、やっぱりそこそこ食べてしまった。
食後はしばしバカ話。W氏が私を「強い」と認めてくれたので、その根拠を具体的に聞いてみる。いわく、
「将棋が(手)厚くなった」。
W氏は自称永世1級だが、植山七段や大野八一雄七段によく講義を受けているので、妙に将棋に明るい。その彼がそう言うのだから、これは信じていいのではなかろうか。
「それは、私も前から、大沢さんの実力を認めていましたよ」
と、植山七段が対抗するのが可笑しかった。
この後も12月の企画など楽しい話が続くが、私がスマホを大仰に見て時間を確認したのがマズかったか、それをしおに散会となった。
Miy氏とTom氏も居心地がよかったようで、次回も来そうな雰囲気である。これなら私も、また東十条に通うことになるだろう。

…で、これでいつもは終わるのだが、冒頭の局面の検討で、Fuj氏がとても読みの入ったコメントを寄せてくれた。
これによると、植山七段の勝ちになっている。感想戦では、△6九銀不成に▲6七玉が巧妙な逃げ方で、これなら下手勝ち、が結論だったから、このコメントには驚いた。
Fuj説は▲6七玉に△5六金で、なるほどここに1枚捨てれば、下手玉が詰む。この筋は、感想戦では全然出なかった。これが通ったら、プロの結論を覆してしまうではないか。
さすがにFuj氏、植山七段に平手で何度も勝っている猛者である。私はほとほと感心したのであった。
コメント (4)
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