一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

里見女流二冠の復帰について思うこと

2014-11-12 19:42:28 | 将棋雑考
10日に日本将棋連盟のサイトで、里見香奈女流二冠が来年1月から女流棋戦に復帰する、との発表があった。ただし、4月から始まる奨励会三段リーグは引き続き休場する、とのことだった。
一読して私は、首をヒネった。里見女流二冠の年末までの休場は周知の事実で、来年から女流棋戦に復帰することにニュースバリューはなかったからだ。告知の時期も中途半端である。
ところが11日の読売新聞にも冒頭の記事が載っていて、私はいよいよ分からなくなったのである。これはそんなに大きなニュースか?
そのうち、これは「奨励会三段リーグ不参加」のほうが重要な事項なのだと思った。
確かにこちらは不可解で、1月から女流棋戦を対局できるのなら、それから3か月先の三段リーグも指せる、と考えるのが自然である。それを早々と休場発表したのが解せない。
来年の4月までは、まだ4か月半もあるのだ。これから体調がよくなるかもしれないのに、ちょっと白旗が早くないか?
そもそも里見女流二冠は、奨励会で指したいがために、女流棋戦の休場を覚悟で、奨励会入りしたのである。女流棋戦をこのまま休んでも、三段リーグには参加するのが本筋ではないか? しかし実際は逆だ。
いろいろ情報を収集すると、まだ里見女流二冠は、本調子でないらしい。要するに、体調は全然好転していないということだ。
それなら何で女流棋戦を指すのかといえば、先のマイナビ女子オープン五番勝負と同様、女流名人戦五番勝負を指す責務を果たすため、であろう。なるほどこれなら、個人の責任で賄える三段リーグの休場も合点がいく。
しかしそれなら、現在行われている女流王座戦五番勝負にも出場しなければ、筋が通らない。指す、指さない、の線引きが分からない。
まさか、今回の女流棋戦復帰は、いずれ指す三段リーグのための試運転ということだろうか? では体調次第では、4月以降の女流棋戦再休場もあるということだろうか。

まったくよく分からないが、どちらにしても里見女流二冠は、治療に専念したほうがいい。
本人は強い責任感があるのだろうが、実社会ではこの人がいなくなったら困る、という状況でも、いざそうなってみると、意外と大した影響はなかった、という場合が少なくない。
たとえば女流王座戦五番勝負は、奨励会員同士の戦いで、これはこれで好取組である。
倉敷藤花戦は山田久美女流四段が挑戦者になり、話題となった。
マイナビ女子オープンは、16歳の和田あき女流初段がベスト4まで勝ち進み、ニューヒロイン誕生の趣がある。
この2棋戦は、里見女流二冠が出場していたら起こらなかったといってもいい。つまり里見女流二冠がいなくても、物事はそれなりに進むのである。
病を押して出場して、病状が悪化したら元も子もない。里見女流二冠はいま一度、冷静に考えるべきである。
コメント
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