一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

13日の2局

2014-11-15 20:02:37 | 女流棋戦
13日は、女流王座戦五番勝負第2局・加藤桃子女王と西山朋佳奨励会二段の一戦と、マイナビ女子オープン・上田初美女流三段と渡部愛女流初段の一戦があった。
女流王座戦は現役奨励会員同士の対戦で、最強女性の決定戦でもある。しかし女流棋戦でこのカードが実現してはいけない。これでは女流棋戦の意味がなく、女流棋士の立場がない。この現実に、女流棋士はもっと危機感を抱かなければならない。
マイナビは、渡部女流初段の真価が問われる一戦。こちらの将棋も熱戦が期待できる。
両局とも無料中継があったので、ありがたくスマホで拝見する。まったく便利な世の中になったものだが、その代わり仕事が手につかず、痛し痒しだ。
将棋は西山奨励会二段と上田女流三段が中飛車に振った。
西山奨励会二段は早指しだが、本局も快調に飛ばす。47手目▲5六同飛に西山奨励会二段は少考で△5四歩だが、△5五銀と出る手もあったようだ。銀出の成否は微妙だが、△5四歩の着手は決まっていても、考えるフリをして加藤女王をビビらせる手はあったと思う。
上田―渡部戦は、渡部女流初段46手目△3三桂が強気の手。上田女流三段の▲6八角が好打で、流れを引き寄せた。数手後の端攻めが狙いだ。
かつて真部一男八段VS豊島将之四段の順位戦で、豊島四段が▲7七桂と跳ねた手に、真部八段が△3一角と打つ構想があったことを思いだした。左桂を跳ねるときは、かように注意が必要である。
55手目▲4六歩に、渡部女流初段は△4四銀。△4六同歩は▲4五桂の両取りがあったからだが、渡部女流初段は2012年9月に行われた日レス杯で、似たような局面で堂々と▲6五同歩と取り、桂の両取りをかけさせている。本局でその余裕はなかったようである。
加藤―西山戦は、加藤女王が少しずつリードしているようだ。やはり振り飛車に穴熊は天敵だが、そのまま振り飛車が土俵を割るのも、反穴熊派の私としては悔しい。
上田―渡部戦は、上田女流三段がリードしていたが、意外と難しい。▲9一馬で△6四桂を取ったが、これはなかなか指せない手。しかし渡部女流初段にも楽しみが出てきたようだ。

加藤―西山戦は、加藤女王が勝勢に近くなったようだ。
上田―渡部戦も、逆転して渡部女流初段が優勢になったが、86手目△4五桂がまた強気の手。私などは歩で桂を取る手に無上の喜びを感じてしまうから、ノータイムで△2四歩を打つ。実際それでよかったのかもしれないが、△4五桂の積極策こそ渡部女流初段の持ち味だ。
本局ではこれが敗着だったようだが、この類の手で勝利を引き寄せたことは何度もあったはずだ。本局は運がなかったとしかいいようがない。
午後5時前後に、相次いで西山奨励会二段と渡部女流初段が投了。勝った2人はもちろんだが、負けた2人も強いと思った。渡部女流初段はいろいろ課題があるが、きょうは相手が悪かった。ほかの女流棋士だったら、中盤に逆転して以降は、しっかり勝利を収めていたはずだ。まあ、今回のように一生懸命指していれば、タイトルもすぐに取れるだろう。
コメント
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