一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第4回宴会将棋(2)

2015-10-05 12:51:28 | 宴会将棋
焼き鳥の盛り合わせが運ばれ、Hon氏が串から肉を抜いている。私もつまむが、つい将棋に集中してしまう。
「これ(△8三銀)は最強の手です。最強の手」
植山悦行七段はそう言うが、こっちは泣きながら打っている。もうどう指されても上手マズイのだが…。

分岐第1図以下の指し手。▲4四角△3三角▲同角成△同金▲2二角△4四角▲7七桂△6四桂▲1一角成△7五歩▲4二銀△7六歩▲3三銀不成△7七歩成▲同金△同角成▲同玉△7六歩▲6八玉△5八桂成▲同玉△4六桂▲4七玉△3八金▲6一角△8一玉(分岐投了図)
まで、一公の勝ち。

「ここは歩がほしいんですよ」
と植山七段。「歩が入れば、▲8五歩△同歩▲8四歩(△同銀は▲6一角)がある。その歩をどこの筋で入手するかです」
それを聞いたTaga氏は▲7五歩と指しかけたが、結局▲4四角と打った。△3三角にはまた交換して▲2二角と打ち換える。私は△4四角から△6四桂と据えた。これで△7五歩を狙うが、やや攻めが細い。ただ植山七段は、厳しい攻めだと言った。
Taga氏は▲4二銀。△3三金を助けるつもりはないから、私は△7六歩から攻めあう。▲3三銀不成には手順に角を切り、再び△7六歩。植山七段は「この歩は決めないほうがよかったかも…」とつぶやいたが、ここまで来れば流れは上手だ。以下で下手玉を寄せることができた。

「この形(▲1一馬と▲3三銀)がヒドイですねえ…」
と植山七段が嘆いた。「どうしてこうなっちゃうんでしょう」
では分岐1図で、下手はどう指せばよかったのか。
正解は▲2五歩。△同歩に▲2九飛と回れば、1歩の入手が確実となる。その後、前記の手順を目指せば下手必勝だった。なるほどこれがプロの読みだ。私は全然気付かなかった。
戻って▲8五歩の変化も、私は△同歩と取り、下手玉への脅威になると思っていたのだからおめでたい。このように、アマ有段の私も、実はあまり考えていないのである。Ok氏やTagaとさほどレベルは変わらないのだ。

次はHon氏とOk氏の対局。私とTaga氏も再び指すことになり、今度は私の二枚落ちとなった。植山七段が、それはさすがに上手が無理でしょ、という顔をした。まさに将棋三昧だ。
Hon-Ok戦は相振り飛車。まあそうであろう。私は初手△6二銀から△3二金~△2二銀と普通に組む。しかし右金は△5二金と守り、△5三銀を△6四銀~△7五歩▲同歩△同銀と活用してみた。さらに△8六歩▲同歩△同銀。ここ、△同銀と取らず△8五歩▲同歩△8六歩と垂らす手もあるが、歩切れになるのが気に入らない。とはいえここまでは、上手としてまずまずの進行だと思ったのだが…。
Taga氏はなかなか▲8七歩と打たない。それどころか、▲8二歩と打ってきた。Taga氏、これは二枚落ちを相当勉強していると思った。
左の将棋は、Ok氏が十分の棋勢に見える。三段のHon氏に互角に戦っているのだから、Ok氏はすでに有段の棋力があるといってよい。
Taga氏は二枚目の8筋に2枚目のと金を作った。「と金だけで勝とうってことですか」と植山七段。
私は▲7三と、と王手で桂を取られる前に△8五桂と跳ねる。しかしこれは甘かったかもしれない。桂は下手に渡しても脅威ではないので、と金を清算したほうがよかった。
とはいえ△8六歩に▲8八金と凹まして、▲9九角の使い道がない。
さらに私は△8七と△6七にと金を作る。さらに△6六とと引いて、これは上手優勢と思った。しかし…。
Taga氏、▲8八金を▲7八金と寄せ、▲6七金とと金にぶつけたのが実戦的な好手だった。これは△同とと取るよりないが、▲1一角成と香を取られて、上手の抑え込みが崩壊した。
上手が疑問手を指したわけでもないのに、もう具合が悪い。まったく二枚落ちは始末が悪い。その後も私は手練手管で下手を誤魔化そうとするのだが、Taga氏はこらえる。やはり並の級位者ではない。
Taga氏、金頭に▲5四歩と打つ。これに△5二金引では▲5五馬で未来がないので、私は△6四金と出る。Taga氏は▲5三歩成(第1図)。ここで上手はどう指すか。

(つづく)
コメント (5)
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