2011年9月9日(金)、LPSA芝浦サロンで島井咲緒里女流二段(当時は女流初段)に教えていただいた指導対局を振り返る。
すでにこのころは芝浦サロンに行く意義を感じなかったが、各女流棋士との「○○勝負」も残っているので、惰性で行っている感じだった。この日は夜に駒込ジョナ研があり、R氏言うところの「芝浦定跡」となった。
午後5時すぎにサロンに入ると、島井女流二段は4面指しの最中だった。島井女流二段はこの年の7月に入籍したが、それでも人気抜群だった。
みんなのんびり将棋を指している。その中にTod氏の姿があり、なぜか二枚落ちで指していた。
島井女流二段が一息ついたところで、私は沖縄土産(リラックマぬいぐるみ)を、彼女に渡した。
「沖縄旅行中に島井先生の結婚を知っちゃってさァ、それを知らなきゃ、もっとお土産買ってきたのに…スミマセン」
これが精一杯の強がりだった。
Tod戦は、島井女流二段の勝ち。島井女流二段に教えていただく前に、私もTod氏と指すことにした。Tod氏は私とは平手で指したそうだったが、私が強引に飛車角を落とした。結果は私の勝ち。Tod氏はもっと勉強をしなければならない。
ここでようやく、島井女流二段との指導対局開始。もちろんチョコレート勝負で、ここまで3勝3敗である。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛に、私は▲6六歩。角道止めずの四間飛車の対抗手段で、私の得意形である。屈服しているように見えるが、後の▲6五歩を見ている。
島井女流二段は穴熊に組まず、△7二銀。私は▲6五歩とし、一本取ったと思った。この位を取れば、上手は高美濃に発展できない。
「いまとなってはこの勝負にどのくらいの意義があるのかなあ。ダンナに買ってもらえって話ですよね」
私はまたイヤミを言う。でも相手は幸せ一杯だからいいのだ。
島井女流二段△5五歩▲同歩△同銀に、私は▲7八金(第1図)と締める。
第1図以下の指し手。△4六歩▲同歩△5六歩▲同銀△同銀▲同金△7七角成▲同桂△3九角▲4九飛△2八角成▲6七銀△1九馬▲5四歩(第2図)
島井女流二段は△4六歩から攻めてくる。やっぱり島井ちゃんはこうでなくちゃいけない。
私は自然に応接し、▲6七銀と立つ。これで金銀の関係が密になった。さらに▲5四歩と垂らし、棋勢の好転を感じた。
ここから14手進んで第3図。
第3図以下の指し手。△5六馬▲同銀△5七金▲6七金打△同金▲同銀△5七金▲4三歩成△5六歩▲5二金△7一香▲4四角(第4図)
以下、一公の勝ち。
下手は▲4三歩成からもろもろの攻めがある。ぐずぐずできない島井女流二段は△5六馬から△5七金ときた。いやな攻めだが、下手陣は懐が広く、攻め合いでも一手余せると思った。
私は▲4三歩成から▲4四角。△6一金がいなくなれば▲7一馬があり、受けにくい。島井女流二段は△6二銀と受けたが私は着実に攻め、どうにか勝つことができた。
局後はTod氏と、駒込に向かった。このころ私は精神状態がガタガタだったが、駒込ジョナサンは健在で、ウェイトレスのAyakoさんもいた。何より両の奥歯がしっかりしていて、何でも食べられた。長い人生、「あのころは不幸のどん底だった」と嘆いていたときが、実は「いちばん幸せだった」ということがある。このころもそうだったのかもしれない。
すでにこのころは芝浦サロンに行く意義を感じなかったが、各女流棋士との「○○勝負」も残っているので、惰性で行っている感じだった。この日は夜に駒込ジョナ研があり、R氏言うところの「芝浦定跡」となった。
午後5時すぎにサロンに入ると、島井女流二段は4面指しの最中だった。島井女流二段はこの年の7月に入籍したが、それでも人気抜群だった。
みんなのんびり将棋を指している。その中にTod氏の姿があり、なぜか二枚落ちで指していた。
島井女流二段が一息ついたところで、私は沖縄土産(リラックマぬいぐるみ)を、彼女に渡した。
「沖縄旅行中に島井先生の結婚を知っちゃってさァ、それを知らなきゃ、もっとお土産買ってきたのに…スミマセン」
これが精一杯の強がりだった。
Tod戦は、島井女流二段の勝ち。島井女流二段に教えていただく前に、私もTod氏と指すことにした。Tod氏は私とは平手で指したそうだったが、私が強引に飛車角を落とした。結果は私の勝ち。Tod氏はもっと勉強をしなければならない。
ここでようやく、島井女流二段との指導対局開始。もちろんチョコレート勝負で、ここまで3勝3敗である。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛に、私は▲6六歩。角道止めずの四間飛車の対抗手段で、私の得意形である。屈服しているように見えるが、後の▲6五歩を見ている。
島井女流二段は穴熊に組まず、△7二銀。私は▲6五歩とし、一本取ったと思った。この位を取れば、上手は高美濃に発展できない。
「いまとなってはこの勝負にどのくらいの意義があるのかなあ。ダンナに買ってもらえって話ですよね」
私はまたイヤミを言う。でも相手は幸せ一杯だからいいのだ。
島井女流二段△5五歩▲同歩△同銀に、私は▲7八金(第1図)と締める。
第1図以下の指し手。△4六歩▲同歩△5六歩▲同銀△同銀▲同金△7七角成▲同桂△3九角▲4九飛△2八角成▲6七銀△1九馬▲5四歩(第2図)
島井女流二段は△4六歩から攻めてくる。やっぱり島井ちゃんはこうでなくちゃいけない。
私は自然に応接し、▲6七銀と立つ。これで金銀の関係が密になった。さらに▲5四歩と垂らし、棋勢の好転を感じた。
ここから14手進んで第3図。
第3図以下の指し手。△5六馬▲同銀△5七金▲6七金打△同金▲同銀△5七金▲4三歩成△5六歩▲5二金△7一香▲4四角(第4図)
以下、一公の勝ち。
下手は▲4三歩成からもろもろの攻めがある。ぐずぐずできない島井女流二段は△5六馬から△5七金ときた。いやな攻めだが、下手陣は懐が広く、攻め合いでも一手余せると思った。
私は▲4三歩成から▲4四角。△6一金がいなくなれば▲7一馬があり、受けにくい。島井女流二段は△6二銀と受けたが私は着実に攻め、どうにか勝つことができた。
局後はTod氏と、駒込に向かった。このころ私は精神状態がガタガタだったが、駒込ジョナサンは健在で、ウェイトレスのAyakoさんもいた。何より両の奥歯がしっかりしていて、何でも食べられた。長い人生、「あのころは不幸のどん底だった」と嘆いていたときが、実は「いちばん幸せだった」ということがある。このころもそうだったのかもしれない。