2日(金)は1か月ぶりに、「宴会将棋」があった。この何日か喉がいがらっぽく、前夜はちょっと熱もあった。ふつうなら宴会の出席を取りやめるが、そこを出席するのが、私の思慮のなさである。まあ今回はアレだったが、今度同じ状態になったら、潔く出席を見合わせる。
午後6時に仕事を終え、京浜東北線に乗る。蕨駅前の居酒屋「松祥」には6時45分ごろ入った。
いつもの個室には、植山悦行七段、Hon氏、Ok氏、それにTaga氏の姿があった。植山七段以下3人はいつものメンバーだが、Taga氏は珍しい。Hon氏は誰にでも声を掛けているのか。
テーブルの上には当然のごとく布将棋盤が出され、今はOk-Taga戦が行われている。つまみも何品か並び、すっかり盛況だ。
私は生ビールを頼み、例によって「ひとり乾杯」。みんな将棋に夢中で、乾杯どころではない。
将棋は、Ok氏が珍しく居飛車を採用していた。しかも穴熊に組んでいて、名前を伏せたら別人に思われそうだ。Taga氏は
「Okさんとは相振り飛車を予想して対策を練ってきたのに、外されました」
と不満そうだ。
第1図は▲6八飛まで。植山七段にどっちを持ちたいか聞かれたが、どちらも持ちたくない。
「大沢さんは(居飛車党だけど)穴熊を指しませんからね」
ここから、△6五歩▲同歩△7七角成▲同桂△5九角▲6七飛△6五桂▲同桂△同銀▲同銀△6六歩▲同飛△7七角成▲6九飛(第2図)と進んだ。
Ok氏、頃はよしと△6五歩と仕掛け、△5九角から△6五桂と捌く。一見互角の取り引きのようだが、後手は銀損である。それを指摘しても、Ok氏はピンと来ていないようだった。
ここからどちらもキレのない手順が続くので省略してもいいのだが、一応記しておこう。
第2図以下の指し手。△8七馬▲6六飛△7七馬▲6九飛△7八馬▲6六飛△5四桂▲5一銀△6六桂▲6二銀成△5八桂成▲6四銀△6八飛▲6三銀成△4八成桂▲5三桂成△3八成桂▲同金△4七金▲4二成桂△同金▲6一飛△3八金▲同銀△6九馬▲7七角△3八飛成▲同玉△4七金▲2八玉△3三金▲5一飛打△3七銀▲1八玉(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。
私は鶏の唐揚げを頼んだが、また将棋に夢中になりそうで、多くは食べられそうにない。
局面、Taga氏が銀の捌きを誤ったため、Ok氏のスピード感ある指し手に、一時は逆転した。
しかしOk氏の△6九馬が大悪手。Taga氏が▲7七角と打って、再び逆転した。
△3三金には▲同角成でも良かったが、▲5一飛打で後手は受けなし。Ok氏は形作り(本人談)で△3七銀と打ち、▲1八玉に投了した。
植山七段の解説によると、△2四歩と突いたからには、△1四歩が必須とのこと。先手にはいつでも▲1五桂があるので、それを防いでおくのだ。
また△6二飛も、将来▲5一銀のキズがあるので、△6一飛と引くのが形という。
△1四歩や△6一飛は、いずれも後の攻めを未然に防ぐもの。これは定跡書にはなかなか載っていないもので、とても参考になる。
2局目は私とTaga氏が指す。私は忘れてしまったのだが、以前私の飛車香落ちで、私が快勝したことがあったらしい。それで今回の手合いが微妙だが、私の飛車落ちになった。
対局開始。Taga氏は定跡通り来る。私も△6二玉型で待つ手はあったのだが、ふつうに指す。
「下手にこう来られると上手は勝ちにくいですよね。上手がどうゴマかすか、勉強させていただきましょう」
プロがアマの指し手を参考にするなど、笑止だ。これでは私が指しづらくなってしまう。
第1図以下の指し手。▲4五歩△同歩▲同銀△同桂▲2二角成△同金▲4五桂△4二銀▲4四歩△同銀▲5六桂△4三歩▲4四桂△同歩▲5三銀△4五歩(途中図)
▲4五同飛△4四歩▲同飛△4三銀打▲4九飛△5三金▲4三飛成△同銀▲3一角△4四角▲7七桂△4九飛▲4五歩△同飛成▲4七歩△3二金▲5六銀△3六竜▲5三角成△同角(第2図)
以下、一公の勝ち。
Taga氏は▲4五歩から仕掛ける。以下▲5三銀までと進み、ここで△同銀では▲同桂成△同金▲3一角で、下手の思うツボ。それで私は、△4五歩と桂を外した。
「なるほどそこで変化するんですか」
と植山七段。いや私はそんな大それた手は指していないのだが…。
しかしTaga氏は動揺したようで、▲4五同飛から△4三銀~△5三金まで、銀をボロッと取られてしまった。
さらにTaga氏は▲4三飛成の暴発。これで勝負あったが、この後私の△3二金に▲5六銀はTaga氏がミスった。ここは▲4六銀と打ち、△3六竜に▲5三角成△同角▲3七金と竜を取り返せば、もう一勝負だった。
感想戦。途中図の△4五歩に▲同飛と走ったのがまずかった。代わりに▲4二銀成と踏み込み、△4六桂▲5二成銀とするところ。次の▲6一角を防いで、私は△8三銀(分岐1図)と守るくらいだが、これでは上手辛い。
が、植山七段が「じゃあここから指し直しましょう」と言ったので慌てた。
ここから上手は勝てないが…。
(つづく)
午後6時に仕事を終え、京浜東北線に乗る。蕨駅前の居酒屋「松祥」には6時45分ごろ入った。
いつもの個室には、植山悦行七段、Hon氏、Ok氏、それにTaga氏の姿があった。植山七段以下3人はいつものメンバーだが、Taga氏は珍しい。Hon氏は誰にでも声を掛けているのか。
テーブルの上には当然のごとく布将棋盤が出され、今はOk-Taga戦が行われている。つまみも何品か並び、すっかり盛況だ。
私は生ビールを頼み、例によって「ひとり乾杯」。みんな将棋に夢中で、乾杯どころではない。
将棋は、Ok氏が珍しく居飛車を採用していた。しかも穴熊に組んでいて、名前を伏せたら別人に思われそうだ。Taga氏は
「Okさんとは相振り飛車を予想して対策を練ってきたのに、外されました」
と不満そうだ。
第1図は▲6八飛まで。植山七段にどっちを持ちたいか聞かれたが、どちらも持ちたくない。
「大沢さんは(居飛車党だけど)穴熊を指しませんからね」
ここから、△6五歩▲同歩△7七角成▲同桂△5九角▲6七飛△6五桂▲同桂△同銀▲同銀△6六歩▲同飛△7七角成▲6九飛(第2図)と進んだ。
Ok氏、頃はよしと△6五歩と仕掛け、△5九角から△6五桂と捌く。一見互角の取り引きのようだが、後手は銀損である。それを指摘しても、Ok氏はピンと来ていないようだった。
ここからどちらもキレのない手順が続くので省略してもいいのだが、一応記しておこう。
第2図以下の指し手。△8七馬▲6六飛△7七馬▲6九飛△7八馬▲6六飛△5四桂▲5一銀△6六桂▲6二銀成△5八桂成▲6四銀△6八飛▲6三銀成△4八成桂▲5三桂成△3八成桂▲同金△4七金▲4二成桂△同金▲6一飛△3八金▲同銀△6九馬▲7七角△3八飛成▲同玉△4七金▲2八玉△3三金▲5一飛打△3七銀▲1八玉(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。
私は鶏の唐揚げを頼んだが、また将棋に夢中になりそうで、多くは食べられそうにない。
局面、Taga氏が銀の捌きを誤ったため、Ok氏のスピード感ある指し手に、一時は逆転した。
しかしOk氏の△6九馬が大悪手。Taga氏が▲7七角と打って、再び逆転した。
△3三金には▲同角成でも良かったが、▲5一飛打で後手は受けなし。Ok氏は形作り(本人談)で△3七銀と打ち、▲1八玉に投了した。
植山七段の解説によると、△2四歩と突いたからには、△1四歩が必須とのこと。先手にはいつでも▲1五桂があるので、それを防いでおくのだ。
また△6二飛も、将来▲5一銀のキズがあるので、△6一飛と引くのが形という。
△1四歩や△6一飛は、いずれも後の攻めを未然に防ぐもの。これは定跡書にはなかなか載っていないもので、とても参考になる。
2局目は私とTaga氏が指す。私は忘れてしまったのだが、以前私の飛車香落ちで、私が快勝したことがあったらしい。それで今回の手合いが微妙だが、私の飛車落ちになった。
対局開始。Taga氏は定跡通り来る。私も△6二玉型で待つ手はあったのだが、ふつうに指す。
「下手にこう来られると上手は勝ちにくいですよね。上手がどうゴマかすか、勉強させていただきましょう」
プロがアマの指し手を参考にするなど、笑止だ。これでは私が指しづらくなってしまう。
第1図以下の指し手。▲4五歩△同歩▲同銀△同桂▲2二角成△同金▲4五桂△4二銀▲4四歩△同銀▲5六桂△4三歩▲4四桂△同歩▲5三銀△4五歩(途中図)
▲4五同飛△4四歩▲同飛△4三銀打▲4九飛△5三金▲4三飛成△同銀▲3一角△4四角▲7七桂△4九飛▲4五歩△同飛成▲4七歩△3二金▲5六銀△3六竜▲5三角成△同角(第2図)
以下、一公の勝ち。
Taga氏は▲4五歩から仕掛ける。以下▲5三銀までと進み、ここで△同銀では▲同桂成△同金▲3一角で、下手の思うツボ。それで私は、△4五歩と桂を外した。
「なるほどそこで変化するんですか」
と植山七段。いや私はそんな大それた手は指していないのだが…。
しかしTaga氏は動揺したようで、▲4五同飛から△4三銀~△5三金まで、銀をボロッと取られてしまった。
さらにTaga氏は▲4三飛成の暴発。これで勝負あったが、この後私の△3二金に▲5六銀はTaga氏がミスった。ここは▲4六銀と打ち、△3六竜に▲5三角成△同角▲3七金と竜を取り返せば、もう一勝負だった。
感想戦。途中図の△4五歩に▲同飛と走ったのがまずかった。代わりに▲4二銀成と踏み込み、△4六桂▲5二成銀とするところ。次の▲6一角を防いで、私は△8三銀(分岐1図)と守るくらいだが、これでは上手辛い。
が、植山七段が「じゃあここから指し直しましょう」と言ったので慌てた。
ここから上手は勝てないが…。
(つづく)