4日、映画「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」が公開された。主役の御手洗潔を演じる玉木宏、共演の広瀬アリスはテレビ各局にでずっぱりで、映画のPRに余念がない。しかしその中に、石岡和己役の姿がない。そう、この映画に石岡和己は出てこないのだった。
テレビで映画の予告が流れた時、石岡和己らしき人の姿がないので、怪訝に思った。
昨年3月にドラマ化された時は、石岡の役をKinKi KIDSの堂本光一が演じていた。御手洗を玉木宏が引き続き演じるのなら、堂本光一も続投する、と考えたのは当然である。
ところが映画では、石岡和己(堂本光一)がキッパリと無視されている。これはどういうことなのか。
ネットの噂によると、昨年のそのドラマ「傘を折る女」は、関東地方の視聴率が8.6%だったらしい。その低視聴率に怒ったジャニーズの上層部が、堂本光一の続投に首をタテに振らなかった、というのだ。
本当かねえ。
御手洗潔といえば、和製シャーロック・ホームズとして日本で三指に入る名探偵である。そして石岡和己もまた、ドクター・ワトソンの役回りとして、物語になくてはならない存在である。よくも主役級のキャストをバッサリ切ったもので、これ、「ドラえもん」にのび太が出ないようなものである。「男はつらいよ」にさくらが出ないようなものである。「相棒」に相棒が出ないようなものである。
今回の広瀬アリスのように、原作にない登場人物を加えるのは、彩りがでるからいいだろう。御手洗を「IQ300、脳科学者」と謳うのも私は首肯できないのだが、それもよしとしよう。だが主役級の登場人物は、かんたんに抹殺してはならないと思う。そのキャスティングは、より慎重でなければならないと思う。映画スタッフは、この要諦が全然わかっていなかった。
原作の島田荘司は、1981年「占星術殺人事件」でデビュー。同作品は推理小説マニアに圧倒的支持をもって迎えられ、私も島田作品のファンになった。
当然映像化も期待されたが、島田荘司が御手洗役に難色を示し、いままで実現されなかった(もうひとつの刑事・吉敷竹史シリーズは、鹿賀丈史でシリーズ化されたことがある。鹿賀丈史も玉木宏も、元美食アカデミーの主宰なのがおもしろい)。その島田荘司が、「彼なら…」とOKしたのが玉木宏だった。それだけに今回の映画化は、私たちファンにとっても特別なものであった。
しかるに他の配役の、粗雑な扱いである。島田荘司の心中、いかばかりだったか。
後世の島田荘司ファンがこの映画を見た時、準主役が出演しておらず、呆気に取られることだろう。映画関係者は、取り返しのつかない大悪手を指してしまったのだ。
待望の映画だったのに、つまらないものになってしまった。
※将棋ペンクラブ関東交流会まで、あと3日。
テレビで映画の予告が流れた時、石岡和己らしき人の姿がないので、怪訝に思った。
昨年3月にドラマ化された時は、石岡の役をKinKi KIDSの堂本光一が演じていた。御手洗を玉木宏が引き続き演じるのなら、堂本光一も続投する、と考えたのは当然である。
ところが映画では、石岡和己(堂本光一)がキッパリと無視されている。これはどういうことなのか。
ネットの噂によると、昨年のそのドラマ「傘を折る女」は、関東地方の視聴率が8.6%だったらしい。その低視聴率に怒ったジャニーズの上層部が、堂本光一の続投に首をタテに振らなかった、というのだ。
本当かねえ。
御手洗潔といえば、和製シャーロック・ホームズとして日本で三指に入る名探偵である。そして石岡和己もまた、ドクター・ワトソンの役回りとして、物語になくてはならない存在である。よくも主役級のキャストをバッサリ切ったもので、これ、「ドラえもん」にのび太が出ないようなものである。「男はつらいよ」にさくらが出ないようなものである。「相棒」に相棒が出ないようなものである。
今回の広瀬アリスのように、原作にない登場人物を加えるのは、彩りがでるからいいだろう。御手洗を「IQ300、脳科学者」と謳うのも私は首肯できないのだが、それもよしとしよう。だが主役級の登場人物は、かんたんに抹殺してはならないと思う。そのキャスティングは、より慎重でなければならないと思う。映画スタッフは、この要諦が全然わかっていなかった。
原作の島田荘司は、1981年「占星術殺人事件」でデビュー。同作品は推理小説マニアに圧倒的支持をもって迎えられ、私も島田作品のファンになった。
当然映像化も期待されたが、島田荘司が御手洗役に難色を示し、いままで実現されなかった(もうひとつの刑事・吉敷竹史シリーズは、鹿賀丈史でシリーズ化されたことがある。鹿賀丈史も玉木宏も、元美食アカデミーの主宰なのがおもしろい)。その島田荘司が、「彼なら…」とOKしたのが玉木宏だった。それだけに今回の映画化は、私たちファンにとっても特別なものであった。
しかるに他の配役の、粗雑な扱いである。島田荘司の心中、いかばかりだったか。
後世の島田荘司ファンがこの映画を見た時、準主役が出演しておらず、呆気に取られることだろう。映画関係者は、取り返しのつかない大悪手を指してしまったのだ。
待望の映画だったのに、つまらないものになってしまった。
※将棋ペンクラブ関東交流会まで、あと3日。