将棋ペンクラブから、「第28回将棋ペンクラブ大賞」二次選考通過作品が発表された。以下に記す。
●観戦記部門 一次選考通過19作品→二次選考通過5作品
藤田麻衣子 第28期竜王戦本戦トーナメント準々決勝 永瀬拓矢―佐藤康光 読売新聞
佐藤圭司 第73期名人戦七番勝負第2局 羽生善治―行方尚史 朝日新聞
渡辺弥生 第46期新人王戦3回戦 八代弥―佐々木勇気 しんぶん赤旗
馬上勇人 第5期女流王座戦五番勝負第3局 伊藤沙恵―加藤桃子 日本経済新聞
先崎学 第1期叡王戦三番勝負第2局 郷田真隆―山崎隆之 ドワンゴ
藤田麻衣子さんは文才豊かな実力派で、私は大いに買っている。本局は熱戦ということもあったが、指し手の取材に、より熱いものを感じた。藤田さんは昨年優秀賞を獲ったが、今年はワンランクアップなるか。
佐藤圭司氏の観戦記はあまり読んだことはないが、本作は大舞台にふさわしく、雅な描写が素晴らしかった。
渡辺弥生さんは、女流棋士会ブログでエスプリに富んだエッセイを発表している才女である。観戦記もおもしろく、読んで得した気分にさせてくれる。本作でも、両対局者への観察眼がいかんなく発揮されていた。
馬上勇人氏は女流王座戦の担当者にして、特級のアマ強豪。観戦記のツボも心得ていて、本作では、指了図の区切りが抜群にうまかった。
先崎学氏は貫禄の二次予選通過。今回の私の採点は、「優」8、「良」10、「可」1だった。上の4本は、私は「優」をつけたが、本作は「良」だった。本作は一読して抜群におもしろく、最初はノータイムで「優」をつけた。ただ、ネットでの発表なので、将棋ファン以外の読者も想定しており、くだけた表現が散見された。それが先崎流の思いやりであり大いに評価しつつも、私はやや鼻についてしまった。それで「良」に変えてしまったのだ。ただし秀作であること変わりはなく、本作が二次選考を通過したことに、私はホッと胸をなでおろした。
なお、私が事前に挙げていた「二推し」の作品は、いずれも二次選考通過ならず。両観戦記者には、次回の登場を期待している。
●文芸部門 一次選考通過4作品→二次選考通過3作品
北野新太「透明の棋士」ミシマ社
白鳥士郎「りゅうおうのおしごと!」SBクリエイティブ
佐藤康光「長考力 1000手先を読む技術」幻冬舎
「透明な棋士」は、ネット発のエッセイが印刷物になった、異色作品。全体に温かさがあふれていて、読後感が心地いい。
「りゅうおうのおしごと!」は、完結していない作品だったので、あえて評価しなかった。
「長考力」は、超一流棋士のよくあるエッセイだが、やはり手堅い出来になっている。なお、本のタイトルは中身とあまり関係ない。
●技術部門 一次選考通過5作品→二次選考通過2作品
大平武洋「ネット将棋攻略!早指しの極意」マイナビ
鈴木大介「将棋戦型別名局集 四間飛車名局集」マイナビ
以上の二次選考通過作品をもって、7月16日(土)に最終選考会が行われ、大賞、優秀賞が決定する。
●観戦記部門 一次選考通過19作品→二次選考通過5作品
藤田麻衣子 第28期竜王戦本戦トーナメント準々決勝 永瀬拓矢―佐藤康光 読売新聞
佐藤圭司 第73期名人戦七番勝負第2局 羽生善治―行方尚史 朝日新聞
渡辺弥生 第46期新人王戦3回戦 八代弥―佐々木勇気 しんぶん赤旗
馬上勇人 第5期女流王座戦五番勝負第3局 伊藤沙恵―加藤桃子 日本経済新聞
先崎学 第1期叡王戦三番勝負第2局 郷田真隆―山崎隆之 ドワンゴ
藤田麻衣子さんは文才豊かな実力派で、私は大いに買っている。本局は熱戦ということもあったが、指し手の取材に、より熱いものを感じた。藤田さんは昨年優秀賞を獲ったが、今年はワンランクアップなるか。
佐藤圭司氏の観戦記はあまり読んだことはないが、本作は大舞台にふさわしく、雅な描写が素晴らしかった。
渡辺弥生さんは、女流棋士会ブログでエスプリに富んだエッセイを発表している才女である。観戦記もおもしろく、読んで得した気分にさせてくれる。本作でも、両対局者への観察眼がいかんなく発揮されていた。
馬上勇人氏は女流王座戦の担当者にして、特級のアマ強豪。観戦記のツボも心得ていて、本作では、指了図の区切りが抜群にうまかった。
先崎学氏は貫禄の二次予選通過。今回の私の採点は、「優」8、「良」10、「可」1だった。上の4本は、私は「優」をつけたが、本作は「良」だった。本作は一読して抜群におもしろく、最初はノータイムで「優」をつけた。ただ、ネットでの発表なので、将棋ファン以外の読者も想定しており、くだけた表現が散見された。それが先崎流の思いやりであり大いに評価しつつも、私はやや鼻についてしまった。それで「良」に変えてしまったのだ。ただし秀作であること変わりはなく、本作が二次選考を通過したことに、私はホッと胸をなでおろした。
なお、私が事前に挙げていた「二推し」の作品は、いずれも二次選考通過ならず。両観戦記者には、次回の登場を期待している。
●文芸部門 一次選考通過4作品→二次選考通過3作品
北野新太「透明の棋士」ミシマ社
白鳥士郎「りゅうおうのおしごと!」SBクリエイティブ
佐藤康光「長考力 1000手先を読む技術」幻冬舎
「透明な棋士」は、ネット発のエッセイが印刷物になった、異色作品。全体に温かさがあふれていて、読後感が心地いい。
「りゅうおうのおしごと!」は、完結していない作品だったので、あえて評価しなかった。
「長考力」は、超一流棋士のよくあるエッセイだが、やはり手堅い出来になっている。なお、本のタイトルは中身とあまり関係ない。
●技術部門 一次選考通過5作品→二次選考通過2作品
大平武洋「ネット将棋攻略!早指しの極意」マイナビ
鈴木大介「将棋戦型別名局集 四間飛車名局集」マイナビ
以上の二次選考通過作品をもって、7月16日(土)に最終選考会が行われ、大賞、優秀賞が決定する。