一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

9月3日の大野教室(中編)

2017-09-13 12:28:30 | 新・大野教室
だからといって、これで将棋を終わりにするのも味がわるい。私たちは続けて指すことにした。
ただ、ここまで早いペースで飛ばしてきた私のアドバンテージがなくなるので、それが不満ではあった。

局面は進んで、第2図から△3三桂打▲同桂成△同桂▲2三銀△同歩▲同歩成△同玉▲3五桂△3二玉▲4三桂成△同玉▲4四歩△同銀▲同馬△同玉▲6二飛成(第3図)と進み、以下Homma君の勝ち。
私の△3三桂打では△4四歩▲4六馬と収めるのがふつうだろうが、私は4五に歩を打ち、△4六桂と金取りに打ちたかったのだ。
それで△3三桂打と逆襲したのだが、▲2三銀が鋭かった。いやこの手も視野に入れていたのだが、数手後の△4四同銀までで、私がいいと判断していたのだ。
だがHomma君の▲4四同馬が好手で、以下Homma君の勝ちになった。

敵に情けをかけて仇になったという例だった。
洋間では、大野八一雄七段が女性と八枚落ちで再び対局中。
「これでどうやって勝てというの」
と大野七段が困惑顔だ。女性はかなり力を付けたようだ。
私はTaga氏と一局指す。Taga氏は筋のいい振り飛車党だが、急所で読みを欠くのが惜しい。
本局は先番Taga氏の四間飛車に、私は迷ったすえに玉頭位取りとした。

Taga氏は4筋の位を奪還にきたが、第1図から▲4五歩△4四歩に▲6五歩が悪手で、私は△4五歩と取って優勢となった。
第1図では▲3六歩もあった。もし△同歩なら▲3五歩△4三銀▲3六金でどうか。
実戦なら▲3六歩に△4四銀と繰り出すが、本譜の進行は決定的にダメで、私が1歩得をしながら△4五歩と取り込めては、後手勝勢といってもよい。
もっともアマ同士だから以下の進行もいろいろあったが、最終的には私が勝った。

女性には現在W氏が詰将棋を出題していたが、いよいよ私と八枚落ち卒業試験となった。
序盤、女性は早くも▲6六角と出る。これを受けていてはキリがないが、△7四歩!と力強く指したら、なぜか成ってこなかった。
局面は進んで第1図。

第1図以下の指し手。▲4四飛△5四金上▲同飛△同金(第2図)

私の△5五金に女性は▲4四飛と浮いたが、△5四金上で飛車が詰んでしまった。▲4四飛では▲3六飛がよく、次の飛車成りが約束されて下手必勝。
待ったをしてあげようと思ったが、これは卒業試験だし、▲5四同飛と金を入手しても下手が勝ちだから、このまま進めることにした。

第2図以下の指し手。▲6二金△4三玉(この2手をプレイバック)
第2図以下の指し手。▲3三桂成△3七飛▲3八銀(この1手をプレイバック)
第2図以下の指し手。▲3三桂成△3七飛▲3四歩△4七飛成▲6二金△4一玉(第3図)

女性は長考後▲6二金と打ったが、△4三玉でこの金がスカタンになった。
私「待ちましょうか」
傍らで見ていた大野七段が、「2手戻しましょう」と続けた。卒業試験なのに、仇討ちに加勢するような助っ人もいて、上手はごまかしができない。これは私が負けるようになるんだな、と思った。
第2図に戻って▲3三桂成。これが「玉は包むように寄せよ」に則った一手で、下手が優勢を持続している。
私は△3七飛に期待した。果たして女性は▲3八銀と上がったが、またも大野七段が「(成桂に)ヒモをつけましょう」。
女性「?」
私たちがふつうに使っている将棋用語が、初心者には分からないことがある。むかしHis氏が初心者に将棋を教えている時、「角の頭は丸いから…」と教え、生徒を困惑させたことがあったものだ。
本譜は冷静に▲3四歩と指し直され、私はいよいよ苦しくなった。ここで△6三玉と早逃げするのが本手なのだろうが、馬で追いかけられた時に、どこかで歩の合駒をしたい。
それで△4七飛成としたのだが、女性は▲6二金と網を絞り、ついに私は土俵際まで追い込まれた。

第3図以下の指し手。▲4三歩(投了図)
まで、女性の勝ち。

ここで女性は熟考し、▲4三歩と控えて打った。これが好手で、次の▲4二成桂が受からない。先ほどの講義を応用したのだろうか、素晴らしい。私はここで投了した。
本局、途中は怪しい局面も生じたが、最後は地力で▲4三歩を発見したのだから、ケチはつけられない。八枚落ちは卒業でいいと思った。

(つづく)
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