一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

9月3日の大野教室(前編)

2017-09-12 12:39:59 | 新・大野教室
3日(日)は埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。今日は昼からの出動で、大野八一雄七段に教わるつもりである。
午後1時半ごろ教室に入ると、大野七段は指導対局の真っ最中だった。
「あれ大沢さん、4時からじゃないとは珍しいね」
と、手合い係のW氏。実際そうで、女流棋士との指導対局会を除けば、昼からの入場は6月23日以来である。
「うっかり来ちゃった」
盤に空きがあったので、私はさっそく指導を受ける。
角落ちの手合いで相居飛車になり、私はいつもの▲2五飛戦法。持久戦模様になったが、私は7筋方面で金銀を盛り上がり、これはこれで好きな展開になった。
ただ▲8六歩~▲8五歩がやや図々しく、大野七段に△6三金~△7二飛と反撃され、また形勢を損ねた。
そこで大野七段に決め手があれば投了も考えたが、幸いなかったようだ。私は小康を保ったが、非勢なことに変わりはなく、どこまでいっても苦労する将棋が続いた。

第1図以下の指し手。▲4三銀成△2二玉▲4二成銀寄△8七歩成▲6七金△4七角▲2八飛△8八成桂▲4八金△7八成桂▲5九玉△3六角成▲2四歩△同銀▲3二成銀寄(第2図)

私の左では、女性が八枚落ちで教わっている。かなり上手陣を攻めて、勝勢だ。
▲4三銀成を△同玉は▲4二金まで。△2二玉に▲4二成銀寄だが、この成駒は相手に渡すと銀になるから、大した攻めにならない。
大野七段は△4七角。左右挟撃形を築かれ、これは負けたと思った。

第2図以下の指し手。△2七歩成▲3三成銀寄△同銀▲同成銀△2二銀▲同成銀△同玉▲2四銀(投了図)
まで、一公の勝ち。

大野七段△2七歩成。これも厳しいが、私は▲3三成銀寄とし、とりあえず詰めろ。ここで大野七段の動きが止まったが、何か誤算があったのだろうか。そんな局面にも見えないが。
△3三同銀▲同成銀でまた大野七段が考え、強く△2二銀。私は平凡に▲同成銀と取り、△同玉に▲2四銀と置く。これで上手は受けなしで、何と私が勝ってしまった。

「△2七歩成が甘かったねえ」
と大野七段。局面を戻して、第1図からの▲4二成銀寄に、大野七段は△3一香を示した。
これで下手の攻めがピタリと止まり、上手勝ち。
私は私で、第2図からの▲3三同成銀の局面でも、△2一香や△2二歩で、下手の攻めが切れていると思った。△2二銀が真の敗着と思う。
大野七段からは数ヶ月ぶりの勝利で、今年になってからは初めてではないか。しかし本局も最後まで負けてたから、あまりうれしくなかった。

ここで3時休み。和室に行くと、Og氏とHomma君が感想戦をやっていた。Og氏が優勢だったが、終盤悪手を指して、うっちゃられたらしい。
感想戦ではおもしろい変化がポンポン飛び出して、おもしろい。

たとえば変化図の△4八歩が詰めろ。△2八銀成▲同玉△3九銀▲3八玉△2八金までだ。△4八歩がこの時利いている。
詰めろ逃れには▲2五桂と跳ねるしかないが、それでもOg氏が勝っていたようだ。
女性は大野七段に八枚落ちで快勝し、そろそろこの手合いの卒業が近づきつつある。
次は卒業試験だねえ、と誰かが言う。だがその試験官は私らしい。
「この教室は(試験官のランクが)アベコベだから」
まあこれはジョークに決まっているが、後で彼女と指すことになると思う。
3時休みが終わり、2局目は新顔の少年との対戦。手合いは上手の飛車香落ちの案が出たが、ほかの上手は飛車落ちで指したとのことで、私もそうさせてもらう。
少年は振り飛車。私は金銀を厚く盛り上げたが、少年に2筋から逆襲され、成駒を作られてしまった。
私はこちらを焦土化させ、中央で盛り上がる。これに少年が間違え、私の勝勢。
しかし私も油断して、少年に角を渡したのがマズく、一遍に勝負形になってしまった。

が、第1図で△6七歩成が好手で、辛くも上手が残したようだ。
少年は筋がよかったが、手離れが悪すぎる。指そうとしてはやめ、指そうとしてはやめの繰り返し。ひどい時は、一手指すのに3、4回手を戻したことがあった。
この指し方では、大会に出た時「待った」と見做される。少年は今後気をつけたほうがよい。

大盤では大野七段が女性に講義をしていた。居飛車VS振り飛車の序盤の講義をしたあと、▲2八飛・△2二角の形から、▲2四歩と垂らす形を教えていた。「垂らしの歩」を覚えると、数段棋力が上がる。
私の3局目は、Homma君と対戦。Homma君は若手の有望株で、最近また力をつけた。さっきもOg氏に勝ったのがその証左だ。
Homma君の先手で、彼の三間飛車に、私は迷って天守閣美濃に組んだ。
左では、最近大野教室に通い始めた男性が、今日も熱心に指している。初段を目指す氏は、今は勉強すればするほど強くなり、楽しい時期であろう。
私の将棋はやや手詰まりになったが、△8四角としているのに△7三桂と跳ねたのがまずく、角が窮屈になってしまった。
だがHomma君も考える。私は9分45秒残しているが、Homma君はすでに秒読みだ。
この対局時計は数字が見えにくいが、秒読みは音で分かる。残り5秒を切った。が、Homma君は指す気配がない。
「おいHomma君指せよ!」
しかしHomma君は微動だにせず、時間が切れてしまった。

(つづく)
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