一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

桃の木物語

2012-07-26 00:43:51 | プライベート
桜の花と桃の花、花びらはよく似ていて、違うのは桜色と桃色であることぐらい。そして両者の大きな違いは、桃は実がなることである。
拙宅の庭には桃の木があるのは何度も記した。初代の桃の木は、戦後拙宅に勤めていたお手伝いさん(!)が、庭に桃のタネをペッと吐いたら、それがニョキニョキ生えてきたもの。
私が小学生のころはその木に犬のリードをくくりつけていたから、(犬の小便のせいか)花も咲かず、実もならなかった。
しかし犬が死んでからは、それを待っていたかのように満開の花が咲き、目ン玉が飛び出るくらいの甘い実がなった。
しかしその桃の木は昭和58年6月の深夜、日本を縦断した大型台風の直撃を受けて、バリバリと折れてしまった。その日の昼、台風が来るから実をもいでおいたほうがよい、と父が言ったが私は受け容れなかった。それがアダとなった。
太い幹はグニャリと曲がり、凄まじい重力がかかったことを物語る。青い果実は葉っぱともどもポリバケツ2杯分になり、哀しいまでに桃の香りが漂っていたのを思い出す。
その後、折れた木の脇から新芽が生えてきたが、約10年後、その木も根元から枯れてしまった。
そこで私は山梨県の種苗業者を訪ね、1本1,500円の苗木を買ってきて、同じ庭に植えた。
品種は「白鳳」。土との相性が悪いと枯れてしまうかもしれない、と業者の言葉だったが、それは杞憂に終わり、桃の木はすくすく育っていった。自分の背丈ほどだった苗木が、いまや5メートルを越すまでになった。収穫が主なら背丈は低いほうがいいが、花を楽しむには、丈は高い方がいい。そしてこれが現在の「3代目」である。
昨年は新芽の時期に大掛かりな伐採をしてしまったため、花自体が咲かないという異常事態に陥ったが、今年はそこそこ花が咲き、それに比例してそこそこ桃の実がなった。桃は桜と違って、実の成長も楽しめるのがよい。桃の実は女性の尻を表わし、幸福をもたらすという。たしかに、あのピンクの実を眺めているだけで、幸せな気持ちになるものだ。
もっともそこに至るまでさまざまな苦労がある。夏になると、幹や葉っぱにびっしりとアブラムシがわいてくるからだ。
仕方がないから、あまり気は進まないが、農薬を撒くことになる。夏の間は、仕事の合間に農薬。それもこれも、美味い桃の実を食べるためである。
と言ってもこちらは専門業者じゃないから、すべての害虫を駆除できない。桃の実が大きくなっているころには、どこかを食われている。しかし売り物ではないから、実の一部を味わうだけでいいのである。この時期は、桃の木全体が甘い香りに包まれる。
そんな先日のことだった。庭の反対側にあるベランダに、桃のタネが落ちていたという。最初は、カラスの仕業だと思った。しかしカラスが桃の実をくわえて飛んで、ベランダで食べる姿がイメージできない。
とにかく、桃のタネがベランダに落ちている状況が2、3日続いた。桃の実は綺麗に食べられ、タネだけが残っている。カラスはこんなに綺麗に食べるものだろうか。
ある日の朝、庭に落ちていた未熟の桃数個が、やはり綺麗に食べられていた。
いやこれはおかしい、カラスの仕業じゃないぞ、とウチのオフクロや近所のおばちゃんが騒ぎ始めたころ、その「犯人」が分かった。
それは「ハクビシン(白眉芯)」だった。ハクビシンとは聞き慣れぬ名で、東京23区に住んでいる者には別世界の話だと思っていた。しかし25日の「FNNスーパーニュース」でも取り上げられていたが、近年ハクビシンは、東京23区内でたびたび目撃されているらしい。
ハクビシンはジャコウネコ科の哺乳類で、外来種。民家の屋根裏に棲み、果物が大好物。夜行性で、木登りが得意。美味しい果樹を見つけると獣道を作り、夜な夜な果実を食べにくる。どの点をとってもウチにとって不愉快な事項で、どうにもやっかいな珍獣が現われたものだ。
桃の実を横取りされるのは不愉快だが、それ以上に、我が家に棲みつかれたらオワリだ。オヤジは憤慨して、桃の実を全部取っちゃおう、と言った。
私としては、熟している実を取るのはやむを得ないこととして、まだ青い実なら、ハクビシンの目を誤魔化せるのではないか、というスタンスである。
しかし私の希望はオヤジに一刀両断され、却下。こういうときのオヤジとオフクロは、まったく融通が利かない。
グズグズしている私を横目に、オヤジは脚立から木に飛び移り、器用に桃をもいでいく。その実はまだ青すぎる…というものまでもいでいく。
チッ…。ギラギラッ容赦ない太陽が、強火で照りつけるこれからの季節に、実がピンク色になってやっと美味しくなるところだったのに、無念極まりない。気が付けば、青い果実が自転車のカゴ一杯になっていた。
桃の木は、緑一色になってしまった。
私は来年のことを考える。来年も桃の実はなるだろうが、ハクビシンが来年も舞い戻って来ないとも限らない。
FNNスーパーニュースによると、ハクビシンに狙われた果樹の持ち主は、果樹を切ってしまったという。ウチはそんなことはしないが、いざ同じ問題に直面したらどうするか。また青い実のうちに、全部もいでしまうのだろうか。
ああしかしその前に、来年になれば、我が頭はいっそう薄くなっているだろうし、老眼や乱視も進行しているだろう。オヤジも私も一つ歳を取る。まさに八方塞がりで、来年のことを考えることなど憂鬱にしかならない。
では、きょうは特別に、その桃の写真を添付しよう。

その翌日に、枝ごと切ったのがこれ。

桃の実4姉妹。左から、室谷由紀女流初段、山口恵梨子女流初段、中村桃子女流1級、藤田綾女流初段。
25日夜に、熟していた桃を食べた。品のいい甘さ、というべきか。気のせいか農薬の香りもして、こよなく美味かった。
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三十一たび大野教室に行く(後編)

2012-07-25 12:46:30 | 大野教室
午後6時、植山悦行七段はMinamiちゃんを連れて帰宅。翌朝が早いらしい。
これで大野教室の残りは、大野八一雄七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、私の5人となった。大野教室は5時までだし、私もふつうの客なら帰るところだが、私には食事会の参加がある。
しかしちょっと早いので、Hon氏に練習将棋を申し込む。するとHon氏、
「イエ私はちょっと…きょうは疲れていて…」
と断る。
「エエッ!?」
これは意外だった。「ちょっと待ってよHonさん。Honさんに断られちゃさ、何かオレが将棋好きみたいじゃない。恥かかさないでよー」
私がボヤくと、周りが爆笑した。
「大丈夫。みんな大沢さんが将棋好きだって知ってるから」
とW氏が返した。
そこへFuj氏が私に将棋を誘ってくる。好きだなあ、Fuj氏。彼の将棋への情熱には、私も一目置く。
振り駒で私の後手。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、また私は考え込んでしまう。
そこで先日のジョナ研のように、4手目をHon氏に決めてもらうことにした。
「横歩取りの将棋を見たいんで…」
ということで、△8四歩。中座飛車へと進行した。ただし玉形は△5二玉-△5一金-△6二銀とした。私は中座飛車はあまり指さないが、玉の囲いは、△4一玉型の中原囲いより、△5二玉型のほうが優れていると思う。
横歩取りの将棋は、Fuj氏もあまり経験値がないから、お互い手探り状態での指し手となった。
私は△5四角と据え、△8六歩▲同歩△9八歩の香取りを狙う。
Fuj氏は焦り気味に▲3四歩△同銀▲2四飛と走ってきたが、私は△2三金と上がって受ける。対してFuj氏は▲3四飛! △同金に▲2三角がFuj氏期待の一着だったが、私は△2七角成。と同時に△3四の金を、△8四飛の横利きで守った。これで優勢になったと思った。
以下終盤で、▲5五桂に私が△3一桂と受けておけばよかったものを、ほかの手を指したため、Fuj氏に馬を切る勝負手が生まれていたのだが、これをFuj氏が見送り、最後は私の快勝となった。
「大沢さん、私のときは本気を出すなあ…」
とFuj氏がボヤく。私の前日の成績が0勝5敗だったことを踏まえての発言だが、心身ともにズダボロ状態の私に負けるFuj氏のほうがおかしい。「これで大沢さんとは12勝10敗になりました」
Fuj氏、一時期は私との対戦成績で「ダブルスコア…」が常套句で、最近はその言葉が聞かれないと思ったら、ずいぶん私が追い上げていたらしい。
これで対局は終わり。きょうは生徒も少なく、アッサリ終わった感じだ。きょうの成績は3勝2敗だった。
午後7時、中華料理屋へ食事に行く。参加者は冒頭の5人。
食事が済むと、駅前の喫茶店に場所を移した。4人掛けのテーブルにひとつ椅子を足して、計5人が座る。野郎ばかり、むさくるしいことこの上ない。
デザートセットを頼んで、社団戦の話。先日の社団戦にはHon氏、Fuj氏が参加したが、チームの活気が感じられなかったという。
社団戦は実力伯仲だから、メンタルな部分が大きな要素を占める。気持ちが萎えていては、勝利はないものと覚えてほしい。
公式棋戦の話になる。銀河戦で、長沼洋七段がだいぶ勝ち抜いているという。私は「将棋世界」を購読してないし、日本将棋連盟の棋戦情報も見ていない。いま、誰が勝っているのか、ほとんど分からないのだ。
「長沼七段は(いまのところ)、NHK杯で羽生二冠に最後に勝った棋士です」
とFuj氏。相変わらずの博識ぶりだ。
羽生善治NHK杯が同棋戦で敗退したのは、5年前の4回戦。そこから羽生NHK杯は、20連勝しているのだ。ほかの棋士は何をやってるのかと思う。
今夜は8時からネット将棋最強戦が行われている。対局者は佐藤康光王将と深浦康市九段。そこでHon氏のリクエストで、大野七段の生解説が行われることになった。
まだ大野教室での食事会がいまほどメジャーじゃなかったころ、食事会のメンバーは大野七段とW氏、Hon氏だけだった。このときHon氏が、大野七段の解説で最強戦を鑑賞することを、ことのほか楽しみにしていた。
今回は私もそのおこぼれにあずかったというわけだ。
将棋は、相居飛車から相銀冠。棋士は本当に銀冠が好きだ。一手一手も難解で、大野七段も容易に変化手順が出ない。
ごちゃごちゃした戦いののち、佐藤王将がいつの間にか勝っていた。
W氏からちょっと衝撃的な話を聞いて、11時散会。私が昨年秋体調不良だったとき、大野七段と生徒のみんなには大変お世話になった。感謝に堪えない。
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三十一たび大野教室に行く(中編)

2012-07-24 00:16:34 | 大野教室
(再掲)
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2四玉、3三桂、3四歩、3五金、3六成銀、4五歩、5三銀、5四歩、6三金、6四歩、7三桂、7四歩、8二飛、9一香、9四歩 持駒:なし
下手・一公:1六歩、1九香、2六角、2七歩、2九桂、3九飛、4三銀、4六歩、6六歩、6七銀、6八金、7六歩、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩4

大野八一雄七段は△2六同成銀と取りかけて、△2四玉。以下の手順を記そう。
▲3五角△同成銀▲2六歩△4六歩▲1七桂△4七歩成▲3六歩△2六成銀▲3五歩△1六成銀▲3四歩△3八歩…以下、大野七段の勝ち。
私は▲3五角と切った。ここはこの一手。しかし次の▲2六歩~▲1七桂が、筋違いの攻め方だった。大野七段は成銀を活用し、上部を開拓する。
私は飛車を封じ込まれ、自陣に蟄居してしまった。最後は上手の入玉が確定し、ここで私は投了した。
感想戦。大野七段の教えでは、▲3五角△同成銀のあと、すぐ▲3六歩と突き出すのがよかったという。以下△2五成銀▲2六歩△同成銀▲3五歩。これはダンスの歩が決まって、下手勝勢。下手はヘンに桂を跳ねないのがいいらしい。実戦ではこうはならないかもしれないが、極めて有力な手順だった。
中盤まで丸負けの将棋をせっかく盛り返したのに、惜しいことをした。
3局目はHas氏と。前回はHas氏の四間飛車に右四間飛車で対抗したが、私の攻めが単調で、完敗した。今回は負けられない。
やはりHas氏の四間飛車に、私は米長玉四枚銀冠。清水市代女流六段の指し方をイメージした。
しかし私は清水女流六段にはなれなかった。▲5二とと、角取りに寄ったのがお手伝いの疑問手。幸便に△8六角と飛び出され、この角を取れない。仮に▲同銀右なら△同歩▲同銀△7八竜で負けだ。
しかしこんなところに角を威張られてはダメである。直後に△9七銀とされ、▲同桂△7七角成▲8八銀△7八馬▲同銀△同竜まで、私の投了となった。
夕方から植山悦行七段が来ている。きょうは将棋会館で、研修会員相手に、駒落ちの指導対局をしてきたという。
研修会員は最低でもアマ三、四段の棋力。その少年少女を相手に、植山七段は二枚落ちで指導しているという。これはアマからおカネを貰って指す指導対局ではない(正確には月謝を払っているが)。上手にとっても真剣勝負である。そこで上手はどんな秘手を繰り出すのか、一度教えを乞うてみたいものだ。
4局目はHonma君と。Honma君の先手で四間飛車。Honma君は▲5六歩を省略して▲9六歩だったので、私は△7五歩から山田定跡で仕掛けた。
数手後、私は△8八竜と角を取り、▲同竜に△3六桂! ▲同歩なら△5五角の王手飛車で後手勝ち。▲4六歩▲5六歩を突いていない際に生じる変化である。
Honma君は▲1八玉と耐える。しかしこれがあるなら、私の△8八竜では先に△3六桂だった。これに▲1八玉では△4九竜~△3九角。▲3六同歩はそこで△8八竜~△5五角で、いずれも明快な後手の勝ちだった。
本譜、私は△1五歩と攻める。▲8六竜△1六歩▲3六竜。ここで私は△1七銀と打ちこんだが、▲同桂△同歩成▲2九玉で、妙に寄りがないのには参った。
「さびてますねぇ」
この場面をたまたま見ていた植山七段がつぶやいた。「△3九角で一手必至でしょう」
「あっ!!」
そうか…。▲3九同金は△1七銀▲同桂△同歩成▲2九玉△1八角▲同香△同と、まで。玉の逃げ道を封じる△3九角は、終盤の手筋だ。この手を逃すとは、たしかにどうかしている。いや、これが私の実力か。
実戦は私が勝ったが、負けたような気分だった。
植山七段は昼間の指導対局を並べている。二枚落ちの将棋で、勝ちの局面から落手を指して負けたという。上手△1九竜△3五歩△3七玉・持駒金香歩…、下手▲2七歩▲5九銀▲6九金・持駒銀香…の局面がそうで、私たちはその手を探すのだが、なかなか当たらない。
ここで植山七段は△3六金と打ったという。とたんに▲3九香と打たれ、ここで投了。△3九同竜は▲4八銀打の王手竜で下手勝ち。△2八玉も▲3六香で、これも上手に勝ちはない。△3八香は▲4八銀打△2八玉▲3八香△同玉▲3九香で、これも上手ダメ。
△3六金は、思わずなるほど~、と唸ってしまう、いかにもプロらしいココセだった。
(つづく)
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三十一たび大野教室に行く(前編)

2012-07-23 00:05:55 | 大野教室
8日(日)は「大野教室」に行った。前日に続いて連チャンである。ほかにやることはないのかと思う。人が休んでいるときに、私は仕事を勉強しなければいけない立場。しかしやったことがない。結局、仕事から逃げているのだ。私ほど堕落した人間はいないと思う。こんなバカは、死ねばいいのだ。
きのうより若干遅い午後2時05分ごろ入ると、W氏、Fuj氏、Ue氏、Minamiちゃん、少年クンが大野八一雄七段に指導を受けていた。スタッフのW氏、きょうはふつうに指導対局を指している。
奥の部屋では、Has氏とHonma君が一般対局を指している。なるほどこのくらいの生徒数なら、W氏が大野七段に教えてもらっても大丈夫だ。
そのW氏、飛車落ちの対局だが、妙に捌けている。あと数手で終わる雰囲気だ。何があったのかと思う。
Fuj氏も角落ちの手合いで大野七段に優勢。Fuj氏はきのうも大野七段に勝っていた。よく勉強する人には、自然と勝ち星が転がり込んでくるようだ。
私も大野七段に教えていただく。左の席は、小学生低学年と思しき少年である。私は初対面。男の子だが、島井咲緒里女流二段に似たかわいらしいコだ。大野七段とは二枚落ちだったが、いいところ四枚落ちの手合いというところ。しかし大野七段は優しく指導している。大野教室は、初心者も有段者も問わないのだ。
大野七段と私との角落ち指導対局は、相居飛車戦になった。大野七段に中央を制圧され、△5六歩▲5八歩を利かされては苦しくなった。私は▲4八金-▲2九飛と辛抱し、次の▲5九飛回りを見せる。
大野七段は△2五桂だが、私は▲同桂△同歩▲同飛。次、△2三銀の頭に▲2四歩と打つ手があるから、大野七段は△3三桂だが、▲8五飛と労せず回れては、一遍にこちらがよくなった。この辺、大野七段に何か誤算があったのかもしれない。
以下数手指して、3時休み。Hon氏も途中から入って、きょうの生徒はこれで全部。計9名はまずまずであろう。
上の指導対局、W氏もFuj氏も勝った。私はどうか。
再開後、私は▲2四歩△同銀を利かせ、▲6三銀と、△5二飛取りに打つ。自陣は△5九銀と、▲4八金取りに打たれていたが、ここで金を逃げていたら、△6八銀成と、こちらの金を剥がされ紛れてしまう。攻めるは守るなり、である。
さて▲6三銀に対して△5五飛もあったが、大野七段は△4八銀不成。そして▲5二銀成△同金。この局面はざっとこんな感じ。
上手・大野七段:1一香、1四歩、2四銀、3二玉、3三桂、3四歩、4四歩、5二金
下手・一公:8一竜 持駒:飛、金
ここで私は▲3一飛を利かす。△4三玉は▲3一飛成以下寄りなので△2三玉だが、そこで私の放った▲2二金が詰将棋ばりの妙手だった。△同玉の一手に▲1一飛成まで、大野七段の投了。
「▲6三銀に一回△5五飛と浮くんでしたか」
「それは▲5四桂と打つ予定でした」
と、感想戦が始まった。それが終わると、「じゃあもう一局行こうか」
と再戦。きょうは生徒が少なめなので、特別である。もちろん、お代わり料金は発生しない。
2局目も私は居飛車の布陣。本当は飛車も振ってみたいのだが、いつも厚く抑え込まれて、うまくいかないのだ。
もっとも本局も抑え込まれて、投了寸前。1局目に緩めてもらって2局目に惨敗するのはいつものパターンだが、きょうは大野七段が疑問手を指してくれて、こちらにチャンスボールが来た。
その局面が下である。

上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2四玉、3三桂、3四歩、3五金、3六成銀、4五歩、5三銀、5四歩、6三金、6四歩、7三桂、7四歩、8二飛、9一香、9四歩 持駒:なし
下手・一公:1六歩、1九香、2六角、2七歩、2九桂、3九飛、4三銀、4六歩、6六歩、6七銀、6八金、7六歩、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩4
(△2六歩▲同角△2四玉まで)
(つづく)
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北尾まどか女流初段は、女優の鈴木杏に似ている。

2012-07-22 02:41:31 | 似ている
6月27日(水)に東京・竹橋で行われた、第6期マイナビ予選一斉対局公開抽選会が終わったとき、北尾まどか女流初段が、足早に会場を後にした。
この抽選会は、当初の予定より終了が1時間遅れたわけだが、私のような暇人にはどうってことないにしても、多忙の北尾女流初段にとっては、文字どおり不測の事態だったのだろう。
私がその日帰宅すると、読売新聞の夕刊に、どうぶつしょうぎの記事と、北尾女流初段のインタビューが載っていて、ビックリした。
いまやどうぶつしょうぎは全国区。先日のNHKEテレ「将棋フォーカス」でも、どうぶつしょうぎが取り上げられていた。
全国紙や全国放送が取り上げてくれることは、広告効果に換算すれば数千万円に相当する。
かつて私は広告代理店に勤めていたが、クライアントがつねに熱望するのは、自社商品の「記事化」だった。広告よりも、第三者における冷静な記事のほうが、信頼度が高いからである。よって、これらは北尾女流初段、うれしい取材だったろう。
北尾女流初段、実業家との二足の草鞋で大変だと思うが、それに見合った収入があるのだから、働きがいもあろう。これからも将棋界の発展のために尽力してもらいたい。

そんな北尾女流初段は、女優の鈴木杏に似ていると思う。
鈴木杏は1987年4月27日生まれの25歳。小学生のころから、子役として活動していた。鈴木杏は、キリッとした瞳と、キッと結んだ唇が利発そうだ。私は観たことはないが、2001年放送の「金田一少年の事件簿(第3シーズン)」の、七瀬美雪役のイメージがある。
北尾女流初段とは、眼とアゴのラインが似ていると思う。
私は以前、北尾女流初段と女優の若村麻由美が似ていると発表して、一部の読者から顰蹙を買ったが、鈴木杏なら、どこからも文句は来るまい。今回は自信を持って発表するものである。
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