25日から京都府「仁和寺」で、第37期竜王戦第3局である(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)。ここまで藤井聡太竜王勝ち、佐々木勇気八段勝ちで本局。前局は佐々木八段の完勝に近い快勝だった。これは佐々木八段が1勝以上に大きく、「藤井竜王にタイトル戦でも勝てる」と自信を付けたのが大きい。
第3局は藤井竜王の先手で、飛車先の歩を突いてスタート。藤井竜王に横歩取りのイメージはないが、もしやるなら角道を開けるのだと思う。だから藤井竜王には角換わりの思惑があったと思う。
対して佐々木八段の対策が難しい。ふつうに指していたら、藤井竜王の「先手番角換わり勝率9割」のぬかるみにハマってしまう。
佐々木八段は端歩を突いて様子を見たが、これが深謀遠慮の手で、9筋を突き越せれば振り飛車の可能性が残る。
藤井竜王はこういうとき挨拶をしないのだ。すると佐々木八段は堂々と端歩を突き越した。さらに一手損で角を換わる。これは、そのまま居飛車もあるが、いよいよ飛車を振る可能性が高い。
果たして、佐々木八段は向かい飛車に振った。予想が現実のものとなったが、これはかなり驚いた。
居飛車党の振り飛車といえば、最近では佐藤天彦九段が筆頭で、いまやすっかり振り飛車党である。そして成績もいい。また23日のA級順位戦では、稲葉陽八段が飛車を振った。
そして今期名人戦第5局では、豊島将之九段が四間飛車に振ったことを思い出す。
これはひじょうにいい傾向である。昭和の大棋士・大山康晴十五世名人が横歩取りの将棋を指さなかった理由は、ウソか本当か分からぬが、「研究された将棋で負かされたくない」だった。
ずいぶん大袈裟に聞こえるが、昨今のAIによる研究を見ればまさにそうで、局面によっては詰みまで研究されている戦型があっては、指す気が失せるというものである。
膨大な研究を外すためにも、居飛車党はもっと飛車を振るべきである。以前からの私の主張が現実のものとなりつつあり、私はうれしい。
話を局面に戻すが、豊島九段の名人戦は、ノーマル四間だった。ただこれは角の処理が意外に面倒で、たしか藤井猛九段の角交換四間飛車は、この懸念を払拭するために生まれた。
その意味で、佐々木八段があらかじめ角を盤上から消したのは、後顧の憂いを解消するためにも、重要な手だった。
今度は藤井竜王がその対策を披露する番である。藤井竜王はいったん寄った玉を元に戻す。しかしこれじゃ明らかな2手損で、たぶんアマが指したら批判されると思う。
藤井竜王はその位置に金を上がり、対居飛車の形みたいになった。ただこれ、やはり玉と金は逆のほうがいいと思う。じゃないと、対振り飛車でこの形を指していた将棋ペンクラブ・Akuさんに注意できなくなってしまう。
その後、藤井竜王が好点に角を打つと、佐々木八段も四方に利く角を打った。
そして、藤井竜王は8筋に飛車を回る。これが、玉の手損からの構想の完成形だったわけだ。
佐々木八段はありがたく馬を作り、藤井竜王が端に手を付けて、佐々木八段の封じ手となった。
常識的には取る一手だが、なかなか難しい。というところで、26日はワールドシリーズもあって、いろいろ忙しい。もっとも私はバイトだが。
第3局は藤井竜王の先手で、飛車先の歩を突いてスタート。藤井竜王に横歩取りのイメージはないが、もしやるなら角道を開けるのだと思う。だから藤井竜王には角換わりの思惑があったと思う。
対して佐々木八段の対策が難しい。ふつうに指していたら、藤井竜王の「先手番角換わり勝率9割」のぬかるみにハマってしまう。
佐々木八段は端歩を突いて様子を見たが、これが深謀遠慮の手で、9筋を突き越せれば振り飛車の可能性が残る。
藤井竜王はこういうとき挨拶をしないのだ。すると佐々木八段は堂々と端歩を突き越した。さらに一手損で角を換わる。これは、そのまま居飛車もあるが、いよいよ飛車を振る可能性が高い。
果たして、佐々木八段は向かい飛車に振った。予想が現実のものとなったが、これはかなり驚いた。
居飛車党の振り飛車といえば、最近では佐藤天彦九段が筆頭で、いまやすっかり振り飛車党である。そして成績もいい。また23日のA級順位戦では、稲葉陽八段が飛車を振った。
そして今期名人戦第5局では、豊島将之九段が四間飛車に振ったことを思い出す。
これはひじょうにいい傾向である。昭和の大棋士・大山康晴十五世名人が横歩取りの将棋を指さなかった理由は、ウソか本当か分からぬが、「研究された将棋で負かされたくない」だった。
ずいぶん大袈裟に聞こえるが、昨今のAIによる研究を見ればまさにそうで、局面によっては詰みまで研究されている戦型があっては、指す気が失せるというものである。
膨大な研究を外すためにも、居飛車党はもっと飛車を振るべきである。以前からの私の主張が現実のものとなりつつあり、私はうれしい。
話を局面に戻すが、豊島九段の名人戦は、ノーマル四間だった。ただこれは角の処理が意外に面倒で、たしか藤井猛九段の角交換四間飛車は、この懸念を払拭するために生まれた。
その意味で、佐々木八段があらかじめ角を盤上から消したのは、後顧の憂いを解消するためにも、重要な手だった。
今度は藤井竜王がその対策を披露する番である。藤井竜王はいったん寄った玉を元に戻す。しかしこれじゃ明らかな2手損で、たぶんアマが指したら批判されると思う。
藤井竜王はその位置に金を上がり、対居飛車の形みたいになった。ただこれ、やはり玉と金は逆のほうがいいと思う。じゃないと、対振り飛車でこの形を指していた将棋ペンクラブ・Akuさんに注意できなくなってしまう。
その後、藤井竜王が好点に角を打つと、佐々木八段も四方に利く角を打った。
そして、藤井竜王は8筋に飛車を回る。これが、玉の手損からの構想の完成形だったわけだ。
佐々木八段はありがたく馬を作り、藤井竜王が端に手を付けて、佐々木八段の封じ手となった。
常識的には取る一手だが、なかなか難しい。というところで、26日はワールドシリーズもあって、いろいろ忙しい。もっとも私はバイトだが。