一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第37期竜王戦第2局・2日目

2024-10-21 23:30:13 | 男性棋戦
第37期竜王戦第2局の2日目である(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)。佐々木勇気八段の封じ手は、端に角を上がる手だった。あ、そっち!? 全然気が付かなかった。
なんかこの角、端を攻められて悪そうだが、その前に捌けるからいいのか。果たして藤井聡太竜王は、角交換を迫った。その狭間に佐々木八段は6筋に歩を利かす。これが結構キツイ手で、佐々木八段が一本取ったように見えた。
角交換が済んで一段落。すると、ABEMA AIの評価値は、一瞬「佐々木68:32藤井」となった。すぐに「佐々木56:44藤井」と訂正されたが、先に進めば、佐々木八段がさらに良くなるということではないか? だがもとはといえば藤井竜王が角頭に歩を叩いたのだから、このあたりまでは竜王自身の読み筋だったはずだ。だが、それほどでかしていない。どこかに誤算があったのだろうか。
とはいえ先手は現状、8筋の歩成を防がなければならない。が、佐々木八段は左桂を跳ねた。これが本局一の名手だった。
私がプロの将棋を鑑賞していて、読みが数手同じになることがある。だがその一方で、まったく読みにない手が出現することがあり、本局でいえばこの桂跳ねや封じ手の角上がりになるのだが、私はそのたびにプロの読みの凄さ、構想力に感心するのである。
佐々木八段は桂を交換し、銀桂交換の駒得を果たし、「佐々木73:27藤井」となり、ここで佐々木八段の優勢がハッキリした。佐々木八段、あとは自身がしっかり指せば勝てると見たはずで、このあたりは考えていて楽しかったと思う。
佐々木八段、好点に角を打って、勝勢となった。自玉は一手右に上がっていたのが大きく、藤井竜王の反撃を受けるも、3筋に逃げて捕まらない。
藤井竜王、やむない歩受けに、佐々木八段が上から銀をかぶせ、藤井竜王が投了した。佐々木八段は持ち時間も1時間以上余し、余裕の快勝劇だった。
投了図を見ると、佐々木八段が相手の猛攻を受け流し、鋭い攻めで相手玉を受けなしにしている。まるで藤井竜王の将棋を見ているようだった。
さて、2局が終わってイーブンになってみると、佐々木八段に急に視界が開けた感じだ。先手番なら矢倉でいけるメドが立ったのも大きい。局後の談話は「これで第5局までいける」だったが、この謙虚さも微笑ましかった。
いっぽう藤井竜王は「完敗でした」とサバサバしたもの。藤井竜王はたまに完敗することがあり、今後の将棋にまったく心配はない。
第3局は25日、26日。間が短いのは佐々木八段に有利な気がするが、どうなるか。
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第37期竜王戦第2局・1日目

2024-10-20 00:02:40 | 男性棋戦
19日、20日は、第37期竜王戦第2局である(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)。第1局は藤井聡太竜王の勝ち。佐々木勇気八段はここが早くも正念場で、これ以上の負けは許されない。
対局場所は福井県あわら市。福井県といえば、恐竜、永平寺、おろし蕎麦あたりが有名か。ほかは水ようかんが有名で、1人前350円前後のそれが福井県のあっちこっちで売られている。
個人的に藤井竜王におすすめなのは「えちぜん鉄道」で、勝山永平寺線と三国芦原線を合わせて53キロあり、ローカル民鉄としては乗りごたえがある。勝山永平寺線の終点勝山で降り、駅前の食堂で蕎麦をたぐり、直通バスで恐竜博物館に行けば、上記の観光がほぼ叶う。
さて、対局である。佐々木八段の先手で、5手目に佐々木八段が矢倉を志向した。角換わりか相掛かりを予想していたから、けっこう意外である。
本譜に戻り、これに後手が追随するはずもなく、藤井竜王は右金をまっすぐ上がり、雁木模様に構えた。
ふつうに矢倉に組み合えば先手に先攻されて、後手が芳しくない結論が出ているのだろう。だから後手は矢倉に追随しない。だからプロの将棋界から「相矢倉」は死語になった。
対して佐々木八段は指す手が難しい。矢倉を目指したからには角を▲7九(から▲6八or▲4六)にやらねばならないが、昔はそれに端攻めの意味もあったからよかった。しかしいまの矢倉は中央志向だし、第一後手は居角が多いので、先手は玉を入城しにくい意味もある。郷田真隆九段は、「玉を入城するために角をどかす、その面倒臭さがいい」と述べていたが、藤井竜王相手にそんな牧歌的な手は指せないところである。
結局佐々木八段は右玉に構えた。お互い飛車を引き、気が付けば相居飛車の力戦形である。やはりそうなってしまうのか。
佐々木八段が6筋の歩を突きあげて、戦いが始まった。
藤井竜王は8筋から反撃する。このあたりは一手一手が難しく、いくらでも考えたいところだろう。
藤井竜王が角頭に歩を叩き、ここで封じ手。
この歩を金で取ると、8筋の継ぎ歩が厳しい。また6筋に角が上がる手は5筋に歩を打たれ、銀損を免れない。
よって封じ手は角を引く一手に見えるのだが、どうなのだろう。ABEMA AIの形勢バーは、「佐々木51:49藤井」。まったく互角のまま、2日目につづく。
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めいとOKスーパー、吉野家の話

2024-10-19 22:37:45 | 新・大野教室
きょう10月19日は、めいの20歳の誕生日だった。めいが振袖で遊びに来て、みんなで記念写真を撮った。
オヤジはめいが生まれたとき、「この子が20歳になるまで行きていたいから」と、ピタッとタバコを止めた。
オヤジがこんにちまで長生きできたのは、めいのおかげだ。ありがたいことである。
対して私は、なんたる堕落。本当なら私が、オヤジに孫の姿を見せてあげなければならなかったのに。
よろこびも半分の私であった。

   ◇

私のバイト内容は至極退屈なので、キャンディーでもなめないとやってられない。あまりなめすぎると太るから注意だがそこはそれ、キャンディーがなくなってきたので、18日のバイトの帰りは、有楽町で途中下車した。もちろん、OKスーパーに寄るためである。
ところが店に入る直前、OKスーパーの割引カードが入った財布を忘れていたことが分かった(現金とSuicaは別の場所に入れてあった)。このカードがあれば、103分の3%が割引になるのである。
とりあえずOKスーパーに入りお菓子売り場に行ったが、生梅飴(OK価格・税別103円)が陳列棚からなくなっていた。もう、梅の季節は終わってしまったのだろうか。
あとはいつも買うパインアメ(同135円)だが、カードがあるのとないのとで、1袋あたり4円以上違う。これがどうにも耐えられず、私はさんざん迷った末、買うのを止めた。
ところがこのOKスーパーは、一度店に入ると、何かを買わないと表に出られない構造になっている。
それで、さんざん迷った挙句、OK価格83円(税別)のカップ麺を買った。これならカードの差額が2円で済むからだ。
まったく、つまらぬミスをした。家を出るときは、財布の有無を確認しなければいけない。

ところで18日に有楽町で降りた理由は、吉野家に寄るためでもあった。
吉野家では100円引きキャンペーンは終わってしまったが、50円引きのクーポン券を配り始めた、とネットに書いてあったからだ。今回はそれをもらうべく、吉野家を利用したというわけだ。
ところで吉野家、どの店でも同じ味と思われそうだが、実は違う。ベースのつゆは同じだが、客が多く、一日に何度も肉を投入している店こそ、つゆに脂が染みこんで旨くなる。吉野家有楽町店は客が多く、日本でいちばん旨い吉野家、と聞いたことがある。
18日も客が多かったが、私はカウンターの角に空きを見つけ、座った。しかし角だからスペースがなく、もう片方の角に客が座られると、至近距離になってしまう。
そのひとつ向こう側では、すでに食事を終えた男性がいる。こうちが席を立てばそこに客が座れるのだが、この男、ナプキンで口をばか丁寧に拭いたあと、新たなナプキンでメガネを拭いたりして、一向に席を立つ気配がない。
そのうち私の席のすぐ左に男が座り、万事休した。
すると先ほどの男が、なんだかニヤッと笑いながら席を立ったように、見えた。
私は頼んだ牛丼をかっ食らい、会計である。するとアジア系の外国人が「ポイントカードはありますか」と聞いた。その類のカードもないので否定すると、そのまま会計になり、私は店を出ざるを得なくなった。
え? クーポン券の配布はどうなったのか。
実は、レジの横にクーポン券らしきものが束で置いてあった。どうも客が持って行っていい感じなのだが、注文の品によっては持ち帰り不可かもしれず、そこは店員に聞かねばならないだろう。
だがその確認が、私にはできないのである。クーポン券をもらうために入店したと思われるのがイヤなのだ。
それにそもそもこのクーポン券らしきもの、100円引きキャンペーンがある前から、そこに置いてあったのだ。
なんか、何度も値引きのチャンスがあったのに、みすみす逃していた気がする。
そしてよく考えたら、私はふつうに吉野家に入って、ふつうにおカネを払っただけだった。
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妊娠中のタイトル戦をどうする

2024-10-18 14:43:53 | 将棋雑記
最近ビックリしたのが、15日対局予定の第46期女流王将戦第2局で、挑戦者の福間香奈女流五冠が、体調不良を理由に不戦敗になったことだ。
棋士に不戦敗はよくあることでそれ自体に驚きはないが、コトはタイトル戦で、それでも容赦なく不戦敗になったことに驚いた。
思えば先月28日は、第4期白玲戦第4局が、西山朋佳白玲のコロナ罹患により、延期になった。
コロナは「延期」という免罪符があるのに、単なる体調不良は、そのまま不戦敗になる。福間女流五冠としてはなんともやるせないが、これも規則だから仕方ないのか。
ただ、労せずして勝星をもらった西山白玲も気持ちは複雑なはずで、次の女流王将戦第3局に勝てば、「第2局の不戦勝が大きかった」と言われるだろうし、負ければ「実質2連敗」と言われる。白玲戦第4局延期の負い目もあるだろうし、相手は妊婦である。西山白玲も戦いにくい状況になってしまった。
そこへもってきて、あす19日の白玲戦第5局も、福間女流五冠の体調不良により、不戦敗となった。
それはそうで、15日の時点で体調不良だったなら、19日もそれを引きずっていてもおかしくない。
ただ前述のとおり、福間女流五冠は妊娠中で、それが原因での体調不良とも取れる。実際に福間女流五冠は、先月11日の朝日オープン戦・片上大輔七段戦を、妊娠による体調不良を理由に不戦敗になっているのだ。
女流棋士に妊娠は切っても切り離せないが、実はこれまで、妊娠中のタイトルホルダーは、中井広恵女流六段しかいない(たぶん)。
ただ中井女流六段が妊娠したときはタイトル戦も少なかったし、そのころは連盟の配慮?もあまりなかった?ので、中井女流六段もけっこうギリギリまで対局していたようである。
しかし福間女流五冠の2024年は、日程が凄まじい。上記2タイトル戦に加え、23日からは第14期女流王座戦五番勝負が始まる。この挑戦者が西山女流三冠で、つまりトリプルタイトル戦になるのだ。
このように西山女流三冠のスケジュールも凄まじく、これでは西山女流三冠が体調不良を押してでも、棋士編入試験第2局を指さずにおれなかった理由が分かる。
さて福間女流五冠は11月17日からの休場が決定しているわけだが(女流王座戦第2局以降は休場明けに指す)、その前に福間女流五冠は、11月5日から始まる第32期倉敷藤花戦三番勝負を指さねばならない。
倉敷藤花戦も、例年なら第2局、第3局は倉敷市で「勤労感謝の日」前後に行われるのだが、今期は日程を前倒しし、すべて関西将棋会館での対局となっている。主催者も、精一杯の配慮を見せているのだ。
それは分かるのだが、妊婦さんは国民全体で守っていかなければならない。いっそのこと、このまま休場を前倒したらどうだろうか。いやこの感じだと、休場当日まで福間女流五冠の不戦敗が続くとも限らないからだ。
そうなればすべてのタイトル戦の予定がゴチャゴチャになるが、福間女流五冠は、だましだまし対局を行える状況ではないと思う。
対局は、どうにでもなる。コトは人命にかかわるものである。日本将棋連盟の決断を待つ。
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第36期女流王位戦リーグ入り予想の答え合わせ

2024-10-17 23:34:53 | 勝敗予想
当ブログの8月4日に、第36期女流王位戦予選のリーグ入り者の予想を行った。このたびリーグ入り者6名がすべて決まったので、答え合わせをしよう。
まず、8月4日の記事を再掲する。


【1枠】
本命は香川愛生女流四段。対抗は反対の山の清水市代女流七段。香川女流四段は初戦で加藤圭女流二段と当たる可能性があり、加藤女流二段も女流順位戦A級の実力者だけに、こちらもリーグ入りの可能性がある。
香川女流四段を第一に推しておく。

【2枠】
山根ことみ女流三段と鈴木環那女流三段の勝者がリーグ入りっぽい。ただし山根女流三段は和田あき女流二段と、鈴木女流三段は加藤結李愛女流二段と当たる可能性があり、なかなか難しい。
百名山登山中(勉強中)の山根女流三段を推しておく。

【3枠】
中井広恵女流六段が本命。同じ山の本田小百合女流三段、反対の山の磯谷祐維女流初段が対抗だろうか。
ここは中井女流六段を推さないとしょうがない。

【4枠】
売り出し中の内山あや女流初段を本命とする。対抗は反対の山の山口恵梨子女流三段。
ちょっと存在感があるのが久保翔子女流1級で、なんかスルスルと勝ち上がってきそうな気がする。
とはいえやはり、リーグ入りは内山女流初段だろうか。

【5枠】
上田初美女流四段が本命。ひとつ勝つと、千葉涼子女流四段と当たる可能性があり、ここが最初の関門となる。
反対の山からは誰が出てくるか予想が難しいが、石本さくら女流二段だろうか。それでもやはり、上田女流四段が勝つと思う。

【6枠】
6枠は本命なし。強いて言えば今井絢女流初段だが、今井女流初段も元奨励会にしては、絶対的な強さがない。とはいっても、今井女流初段がリーグ入りしなければしょうがないと思う。


1枠は、一推しの香川女流四段が加藤女流二段に敗れた。しかし加藤女流二段も女流順位戦A級、女流王位リーグ入りの実績もあり、この結果も予想されたところである。
反対の山では予想通り清水女流七段が勝ち上がってきたが、加藤女流二段が見事に勝ち抜いた。
2枠はまあまあ予想通りだったが、3回戦で中倉宏美女流二段が鈴木女流三段に勝ったのが大殊勲。山根女流三段とのリーグ入りの一局はYouTubeで放送があり、私はもちろん宏美女流二段を応援したが、力を出し切れず、負けた。
3枠は、中井女流六段が決勝進出したのはいいとして、反対の山で和田はな女流1級が決勝に進出し、しかも決勝戦で中井女流六段に勝ってしまったから驚いた。
和田女流1級は、女流棋士で五指に入る攻め将棋である。本局は、それがツボにはまった、ということだろう。
4枠は、実力も伯仲している中、内山女流初段が勝ち抜いた。
5枠は、上田女流四段を破った千葉女流四段と、石本女流二段を破った村田智穂女流二段の決戦となった。結果は千葉女流四段の勝ち。千葉女流四段は元女流王将で棋力に衰えはなく、この結果は納得できるところである。
6枠は、今井女流初段がリーグ入り。なんだかんだいっても、元奨励会1級の実力は、頭ひとつ抜きんでていたか。
以上、リーグ入り者を整理してみる(赤字は予想的中)。

1枠:加藤圭女流二段
2枠:山根ことみ女流三段
3枠:和田はな女流1級
4枠:内山はな女流初段
5枠:千葉涼子女流四段
6枠:今井絢女流初段

リーグ戦を5局指せるのは大きい。頑張って、台風の目になってもらいたい。
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