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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(208) 甲越 川中島血戦 35

2024年09月23日 20時23分22秒 | 甲越軍記
 去る四月十一日、川中島での戦いの最中に怪異な現象が起きて、両軍共に引き上げたことについて、山本勘助晴幸は晴信に「景虎、心憎く思えども、彼の軍備えは聞きしに違わず、なかなか容易な敵ではありませぬ
この度、幸いなことに景虎は越中に出陣とのこと、景虎の戦の様をぜひとも間者を放って逐一知りたいと思います」と言えば、馬場民部少輔、内藤修理正、前に進み出て「当世の諸大将、智愚剛臆の評を聞くに、抜群の秀でるあり、聞きしより劣るあり
景虎の軍略が名高いとはいえ、当家との対陣の様子を見れば、若大将であるからか、それともわが軍を恐れているからなのか、軍立て危うく見えるのは軍慮が足りないのか、深き謀があるからなのか、某らの量り知るところにあらず
大敵も怖れぬ、山本氏がかくまで申されるのなら、定めて深き思慮があるのでしょう
されども、この間者は大切であります、一つは越中の地理に人情に詳しい者であること、その二は、景虎に見破られて虜になったとしても、その場を切り抜ける弁舌巧みな利口者でなければ、当家の威信は地に落ちて笑いものになるでありましょう」と申せば、晴信も「もっともなことである」と同意する
そして晴信が選んだ患者は、故小幡入道日浄の六男、小幡弥三左エ門尉
勇猛にして弁才にて軍学に秀でる者、それに曹洞宗の会下大益という隠れ無き知識にて戦場さえも怖れぬ悟道徹底の僧を添えて、越中に忍ばせて遣わす。

そもそも全国の諸大将らは、それぞれに他国へ間者を三人、五人と忍び込ませてるのは常であり、それらを忍術者と申す
忍術者は敵国の風俗から地理、大将や兵の強弱、諸将の不和を伺い、神主、行者、百姓、などに身をやつして、あるいは隠形の術をもって敵の城中に出入りすることも可能とする

越後の国には、すでに武田の忍術者が入っている、その者は盲目の琵琶法師で、石坂検校と言う
平家物語を得意の名手で、聞く人に感を催させると名高く、戦の合間に石坂を屋敷に招いて平家物語を語らせる諸将も多く、盲目であることで安心して、ついつい軍の秘密まで漏らす諸士多く、それを石坂は一部始終つなぎを通じて晴信の耳に入れるのであった。

ある時、景虎は石坂検校の噂を聞き、「是非、平家物語を聞きたいものよ」と招き入れた
石坂は、この時来たりと喜び、精神を徹していと面白く語れば、座の一同は皆、心身を入れて聞きほれていたが、なぜか景虎一人が落涙して見えた
大将も石坂の語りに感激して涙を流したのだと、皆思い、石坂検校も座すところで景虎に問えば、景虎は「今、石坂が語った物語を聞いていて、わが朝(天皇が治める国=日本のこと)の武勇の盛んなりし時代を考えれば、鳥羽院の時代には内裏に妖怪現れて、帝を御悩ましけるを、八幡太郎義家が殿上の下の口に侯して鳴弦して(弓の弦を強くはじきながら鳴らして魔を払うまじない)、「我は鎮守府将軍八幡太郎義家なり」と名乗れば、たちまち妖怪は姿を消してしまった、帝もその後は平癒なされたのである
、その後は頼政が兵破りの矢をもって妖怪を射落とすと言えども化鳥なおも動き回って暴れるのを、猪の早太が九度も刀で貫き、ようやく退治したのであった
義家が鳴弦して妖怪を追い払った時から四十六年後のことであったが、武徳がはるかに劣ることは明白である
ましてや我らは頼政よりも四百五十年遅れて来た、我もまた頼政よりもなお劣ることを覚えずにはいられない、それを思うと悔しさでついつい涙が出てきたのである」との仰せを聞いて居並ぶ将士はみな「名将の武の志厚き事須臾(しゅゆ=すこしの間)も忘れることは無いのだ」と感じ入った。

景虎は、石坂に過分なる引き出物を与えて、思う仔細あって「当国に足をとどめるべからず」と国境から追放した
皆は、これをいぶかしがったが、後に武田の間者が捕らえられてはじめて、石坂が武田の間者であったことを知った
そして、あの時、景虎が平家物語の鵺(ぬえ)の一段の間に、石坂が間者であることを見抜いていたのだと、今更ながらに知り景虎の叡智を恐れた。








大相撲新時代 大の里大関になり、名大関貴景勝が引退 炎鵬再始動

2024年09月23日 06時31分33秒 | 大相撲
 この度の大雨災害で甚大な被害に遭われた能登地方、新潟・山形県境の皆様にお見舞い申し上げます。
一刻も早い日常生活への復帰をお祈りいたします。
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 入門当時から大器と注目していた大の里が、予想にたがわず入門9場所(1年半)という新記録で大関を射止めた(のは間違いない)。
この3場所で2度の優勝、優勝した場所の横綱照ノ富士にも勝っているし、通算でも照ノ富士に勝ち越している(霧島、豊昇龍が一度も勝てない照ノ富士に)
もう大関で留まる力士ではない、ケガさえしなければ横綱も来年には射止めるだろう
幕下10枚目付け出しは、数々のアマチュアタイトルを取った証
幕下は15枚目付け出しの伯桜鵬の一場所通過には負けたが、二場所で通過
十両通過も二場所の伯桜鵬にまたも遅れて三場所だった
しかし入幕のあとは11勝、11勝で二場所で三役小結にスピード出世
小結ではいきなり12勝で初優勝、関脇昇進、先場所は彼なりの不調だったが9勝、そして今場所は二度目の優勝で関脇二場所で大関昇進となった。

この間の成績は、幕下10勝4敗 十両で24勝6敗 幕内5場所で57勝18敗という凄さ、ライバル大関琴櫻でさえ6場所で63勝27敗、大の里は5場所で57勝だから、勝率は.760で.700の琴櫻を上回っている
幕内最高優勝2回、敢闘賞3回、殊勲賞2回、技能賞3回
まさに記録ずくめで相撲界の大谷になろうとしているかのようだ
次は最短横綱を狙う
横綱になったら、大鵬、北の湖、白鵬並みの最上級横綱になってもらいたい
因みに入門以来最短での横綱昇進は、同じ石川県出身の輪島で15場所という記録、大の里が5場所以内に横綱を射止めれば、これも新記録となる。
石川県勢が1.2となれば石川県は近年の相撲大国と言えるだろう
余談だが、貴景勝と同じく、椎間板ヘルニアで序の口まで転落した石川県出身の炎鵬は先場所から再出場となり、二場所連続6勝1敗で、来場所は三段目に上がりそうだ。

十両はケガから回復した尊富士が順当に優勝をして、来場所は幕内復帰が期待される、今の相撲界では大の里に続く大型力士期待の星だ
尊富士を破った嘉陽もこれから面白い存在になるかもしれない
大の里、白熊と同じ新潟能生の海洋高校相撲部出身、三人目の入幕が期待される。

貴景勝は残念ながら今場所をもって引退となったが、大の里の台頭を見て責任を果たせたと思う、椎間板ヘルニアで痛みをこらえての出場を続けた

序の口から始まった苦労人の貴景勝は幕内昇進15場所で大関に昇進した
小結、関脇ともに2場所で通過したが、大関昇進2場所で関脇に陥落、しかし関脇で12勝を挙げて特例で大関復帰、4回の幕内最高優勝をして、横綱昇進のチャンスも2回あったが、当時最強のモンゴル勢に阻まれて横綱にはなれなかった。
まだ28歳と言う若さで、霧島、翠富士と同年、若隆景、若元春兄弟よりも若い一番脂がのった年代だが(病気というか怪我と言うか)には勝てなかった
28歳の大関引退は史上2番目に若い大関の引退だそうだ。

以下はちょうど一年前の9月18日の記事です、初めて大の里の名前を出した
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前文略

去年の今頃は大関さえ何年もなり手が無いのではないかと思うほど上位陣は体たらくだった。
だが霧馬山、大栄翔、若元春、豊昇龍がライバル心を燃やして競うようになっていきなり相撲界は動いた。
そして霧馬山、豊昇龍のモンゴル勢二人が相次いで大関昇進、またしても日本人力士は置いて行かれた。
だが今場所は若手の琴ノ若が関脇に昇進してきて、新・関脇トリオが誕生した

ここから新大関が誕生かという期待は?である
それよりも、ここで足踏みしているうちに下から活きの良い日本人力士が次々と追い上げて来た。

私が先々場所から名付けた若手三羽ガラス、湘南乃海、豪ノ山、伯桜鵬は十両から入幕2場所で三役を狙える地位まで上がって来た。
残念ながら一番手と見られていた19歳の伯桜鵬は肩の故障で手術を受けるので、早くても来年の初場所までは休場だ。
おそらく幕下からの再出発となるが、まだ入門して4場所目、しかも若くて強い
20歳のうちに幕内上位まで上がってくるだろう。
お互い東西の5枚目、豪ノ山6勝2敗、湘南乃海5勝3敗と良い前半戦だった。
この3人にとどまらない再入幕21歳なりたての熱海富士も7勝1敗、15枚目だから二桁は間違いない。
「優勝できない男」元大関33歳の高安も7勝1敗この二人が先頭を走っている。

幕内だけ見ていてもだめだ、私は毎日幕下上位から見ているが、十両の下位が面白い。
ここにも新・入幕三羽ガラス同様の新十両クァルテットの強者が入幕を狙っている。
一番が幕下10枚目付け出しでデビューした大の里、入門3場所目で十両昇進でこの活躍、今日まで8戦全勝だ
新十両8連勝は佐藤(大関貴景勝)以来だと言うことだ。
あとの3人も天照鵬(向中野)21歳6勝2敗、朝紅龍(石崎)24歳5勝3敗、高橋24歳4勝4敗、楽しみだ。(*高橋は白熊)

さらにさらに幕下6枚目にも大物がいる、尊富士(たけるふじ)24歳
これは序の口から始まった生粋の相撲取りだ序の口から6場所で幕下6枚目
4戦全勝ですでに勝ち越しを決めた、通算成績も幕下以下と言えど36勝3敗と圧倒的だ
ちょっと輪島を思い出すような筋骨隆々、しかも勝負師の顔だ、来場所新十両は、ほぼ確定だろう。

先場所は思いがけず錦木33歳、北勝富士31歳が優勝まであと一歩という活躍をした。
今場所は、もう引退待ちかと思った元大関の高安33歳が7勝1敗、御嶽海30歳も5勝3敗と最近では健闘している。 遠藤32歳も5勝3敗 正代は良くないが時々優勝争いの力士を食うから目が離せない。

若手にも大型力士が控えている、まだ粗削りなので稽古をたっぷりして、相撲を覚えれば活躍できる惜しい力士たち
北青鵬21歳204cm、関脇琴ノ若25歳、金峰山26歳、琴勝峰24歳あたりだ

大相撲の戦国時代はまだまだ続きそうだ、豊昇龍も大関二場所目がカド番になりそうなピンチだ、3勝5敗 大関霧島、貴景勝は共にカド番で、5勝3敗
9日目から大関、関脇、小結同士の上位のつぶし合いが始まる。

今後1年6場所、大関を狙える期待の星は目白押し
その中で横綱になれるのは今後3年以内で1~2人だろう
現在の大関は下からの追い上げで3人とも横綱にはなれないだろう
上記にあげた若手で横綱まで手に入れられそうな力士は現在の番付では、湘南乃海、琴ノ若、大の里、伯桜鵬、尊富士、豪ノ山、熱海富士の中からではないだろうか。 天照鵬も化ける可能性はある
特に期待するのは湘南乃海、琴ノ若、大の里、伯桜鵬、尊富士
最初に幕内優勝そして大関になるのは誰だろうか。

北青鵬も相撲の基本を宮城野親方(白鵬)から学び獲れれば横綱の目はある。
当然、ここに名が無くてもモンゴル力士の強烈なのが出てくる可能性は高い

部屋別で見れば元稀勢の里の二所ノ関部屋、ここには大ノ里が所属
元白鵬の宮城野部屋は伯桜鵬、北青鵬、輝鵬、天照鵬が所属
この理論派の二人の元横綱が新横綱を育てることができるか、楽しみだ。