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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(227) 甲越 川中島血戦 54

2024年10月18日 13時34分49秒 | 甲越軍記
 かくして 上杉謙信は 上杉憲政に頼まれて北條を討つべく 上野の国へ 兵を出した
 武田信玄は 上杉謙信が 越後を離れているので、 いよいよ 信濃の 小笠原 攻めをするのに 良い機会と 天文 20年 8月 2日 甲州を出発した そして 信州 小県郡へ 打ち出した、武田佐馬介信繁を大将に、長坂釣閑斎、内藤修理正、 日向大和守をつけて 深志(松本)の小笠原を 抑えさせた
 同月 5日には 旗本の 前 備え、 馬場、渡部、甘利、飛田、牧瀬、野上、平林 早川 、金丸、椎名、 米倉 など諸将を従い 小笠原勢の刈谷原の城に攻め寄せた 城将太田弥助は大剛の勇将、 これに従う助勢たちは 皆勇士なれば 鉄砲を放ち 矢を放ち 雨あられのごとく、 武田勢 打ち倒される者 数知れず、 進むことも ままならず
 信玄公は 大いに 気を苛立ち、深志より 援軍が来ることは必定、 その上 上杉 入道謙信、 奇妙な男であればこそ 不意に こちらに やってくるとも 分からず そうなれば 味方は 危機に陥る、 急ぎ 攻め落とすべしと申される
 さりとて 太田弥助が守る 城は堅固で 抵抗も強く たやすくは 近づけぬ 米倉丹後守は 何度も武功をあげた大望の勇士、 戦に慣れて 責める工夫にも 力を 表す 男であれば 刈谷原の城 から 打ち出す 鉄砲 激しく 寄せ手の盾も 鎧も 堪えることができない この鉄砲を 防ぐこと肝要と 兵を 四方に やって 竹を 集めさせ それを束にして その長さ 7尺 これに 矢ハザマを開けて 中に 足軽を入れ 鉄砲を防ぎ しかも 身体 自由にして 進むも退く自由 の 機械を 作った
 これを 持って 刈谷城に 攻め込むと城方の兵は これを知らず 鉄砲を ますます つるべ 撃ちに するが 竹束で 弾は滑り 役に立たず、 この機械 早くも城の真下まで 押し付けて すでに 石垣に取り付け 木戸に進み 一時に 攻め落とさんと「 えいえい 」と 声を上げ 責め立てる
 太田 弥助は これを 防ぐ術なしと知り、 いざ 敵を 追い払わらわんと城戸を八の字に開き 一文字に打って出て 縦横無尽に戦う
 そしてさっと引き 武田勢付け入りに せんと わめき 叫んで 追い立てれば、 弥助 再び 打って出て 薙ぎ払い 追い払い 引いて入る、寄せてくれば打って出て すでに 九度、武田勢を 押し返した 
寄せ手は先手を入れ替え 打ち立てれば 太田 いかに剛勇の将といえども 小笠原の 援軍は佐馬介信繁に 抑えられて くること できず、 その上 、城の兵は皆 疲れ果て 役に立つものは 少なし、 今は 落城 近くにあると 思い定め十三日城中にて 最後の酒宴を 催し、 されば 打って出ると城兵を 前後に 立てて城戸を開いて ついて出る
 寄せくる敵を押し 破り 今日を限りに戦うと ここに 武田方、 荻原弥左衛門尉 は 太田 弥助と縁者であれば、九度の戦い九度まで使者になり、 馬場民部少輔の 備えに入り 敵の首を 2つ 打ち取った
 馬場、甘利の勢は 今こそ 城を落とす時と ますます 盛んに責め立てる、城方死力を尽くして 戦うが すでに 疲労の極致 太田 弥助は 少しもひるまず二十騎余りで 馬場の備えへ 割って入り 四方八面に 成り立てて 死人の 山を築いた
 誠に目覚ましい 働きである、 されど 敵は新手を送り出し 四方から 攻め立てる 太田も 疲れて ひとまずは城中に入り 息を整える、 しかし 馬場勢は 無理押しで 結露を開き城中に 追いかけてくれば 、城方も 必死に 伏せげども寄せ手は 行方にも重なって ついに 門を 押し 破って どっと攻め込む
 荻原弥左衛門も 同じく城に 攻め入ったが 太田が引くのを見て 声をかけると。 太田 弥助は 取って返し、 鎌槍を引き絞って 荻原の 兜を 引っ掛けて 倒さんとするのを 弥左衛門は 心得たりと鎌槍を タグって 手元に近づき 引き込みければ 引きながら 馬と馬の間に 両者は転がり落ちた
転び落ちるとき 荻原は 弥助の急所を蹴った 太田は致命どころを 蹴られて 弱るところを 引きしいて 首を取る
城将 太田が 打たれて城兵は もはや こらえることできず 城はついに落ち 信玄公 勝鬨を上げて 刈谷原の 城を 破却した 
萩原弥左衛門は十度の掛け合いに十回とも比類なき手柄をあげ、取った首級は十一級、しかも城将まで討ち取り、感状を賜る

またこの度の城攻めに奇妙な器械を作り、堅固なる城を攻め落とした米倉にもはなはだ褒め称えた。

この竹束を用いる先方はわが国では米倉が最初である、これを牛竹把と称す
後世に及んで植竹葉把の製法ありける。

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