おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(5月25日)は10:30~17:30に 株式会社 マーケティング研究協会 で公開セミナー
アドラーに学ぶ! マネジメント心理学
を20名の受講者を対象に行っていました。
研修を行いながら検査入院疲れを自覚していました。
平素のように体力が戻っていないようです。
さて、「入院時に観察したこと」シリーズの3回目、最終回です。
今回はナース編です。
入院中に一番お世話になったのは、何と言っても看護師さんです。
検温、血圧測定の他に、患者の要望の聴き取りから、医師や検査技師との連絡・調整など、日中担当、夜勤の方など私は延べ10人以上のナースとやり取りをしたと思われます。
その中でも印象に残っているのがNさんとHさんです。
Nさんは、「入院診療計画書」に担当看護師として名前のある方で、私が17日(水)の入院直後にやってきて「Nです」と名札を見せながら私とカミさんに挨拶しました。
珍しいお名前なので、私は「もしかしてルーツは九州ではありませんか?」と言うと、「どうしてわかるんですか?」と驚いて、「父親が鹿児島の出身なのです」と明かしました。
「同じ苗字の方が鹿児島にいて、知り合いなものですから」
私は、初対面の方に名前を巡ってやり取りをするのが習わしになっています。
これは、デール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)の「人に好かれる6原則」から学んでいるものです。
この第3原則に「名前は、当人にとって、最も快い、 最も大切なひびきを持つ言葉であることを忘れない」とあります。
ところで、Nさんは私の入院にあたっての要望を聞く際に「検査内容とスケジュールをあらかじめ知りたい」を「入院診療計画書」に「検査が安全に進むようにわかりやすく理解が得られるまで説明いたします」と書いてくれていました。
このことは、検査を行う3日間、毎日メモで渡されました。
Hさんは、2日目の午後から姿を表しました。
名札を見せながら「Hです」と名乗ったのですが、眼鏡を外していたために名札が読み取れませんでした。
すると、「俳優のH・Kと同じHです」とわかりやすく伝えてくれました。
この人の強みは笑顔とスキンシップでした。
18日の4時間に及ぶ点滴の時も、時々顔を出してくれ、私が足元にある本を取ってくれるようお願いすると、私に手渡す際に「だいぶ重くて分厚い本を読んでますね。何ですか?」と関心を示しました。
「これは『夏目漱石全集』です。全3巻に漱石のすべての作品が凝縮されていて、この本はそのうちの第2巻、今『こころ』を読んでいるところです」
点滴液を交換する際は、「これが最後ですからね。よく頑張ってくれてますね」と言って、そっと私の左太ももに手を添えてくれました。
当日の検査のほとんどを終えて病室に戻ると、微笑みながら「お疲れ様でした」と肩にそっと触れてくれました。
私は、見舞いに来ていたカミさんに「Hさんはキャバクラででもバイトをしていたのかな?」と言うと、彼女は「ジジ殺しのコツを知っているのよ」というコメントをしました。
なるほど。
退院の日の20日(土)の朝は、朝食の前に「手術室から応援に来ました」という看護師さんが検温と血圧測定に来ました。
土曜日で休みのため、ほとんどの顔ぶれが替わっていました。
朝食が終わり、私が一人で荷造りを終えて、「退院の準備が終わりました」とナースコールをすると、やってきたのは何とHさんでした。
私はてっきり、見知らぬ人が来ると思い込んでいたのに、Hさんが笑顔で来てくれたのが喜びでした。
私はHさんと並んで歩き、ナースセンターの人たちに挨拶をし、エレベーターに乗る前に「私はHさんに最後に見送られて退院できて幸せです」と言いました。
Hさんは手を振りながら私を見送ってくれました。
ドアが閉まってからもHさんの笑顔がしばらく残像として存在していました。
これで「終わりよければすべてよし」とも言える私の3泊4日の検査入院の物語を終わります。
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