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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

先週の3泊4日の検査入院でただでは起きない精神を発揮しての記事です。

5月17日(水)から20日(土)まで検査入院をしていた体験で同室の患者を観察できたのは、とても面白かったです。

私とカミさんが5月17日(水)の11時過ぎに病棟の8階をぐるっと回って案内されて病室に入ったとき、私のほかに2人の患者がいました。

私には窓際(入口から入って左奥)の4畳半くらいのスペースがあてがわれ、窓から外が見えることをありがたく思いました。

午後になると、右側のスペースにいた人が退院となり、間もなく足元のスペース(入口から右奥)に新しい患者(Yさん)が娘に伴われて入ってきました。

この方は、肺の手術後の人と思われ、しばらく食事が出ても食べられないでいました。

何回かナースコールをして痛みを訴えていました。

2日ほどすると、少し元気になって、看護師に娘夫婦が検査技師だと話し始め、病気のことではない話題で30分ほど話し続けていました。
よほど話がしたかったのでしょう。
長話につき合った看護師も大変。

私が困ったのは、このYさんではなく、入口右側に以前から入っていたKさんです。

糖尿病患者らしく、食事前にいつも血糖値を測っていました。

このKさんのいびきとひとり言は、はなはだ迷惑でした。

いびきは耳栓をしていても効果がないほどで、私の入院中は大きなストレス要因でした。

Kさんは、寝ていても迷惑をかける人であるだけでなく、起きていても存在感の大きい人でした。

急に大きな声で、「さ、起きるか! 食事まであと1時間半だな」と、部屋中に響く声の大きさでひとり言を発し、うがいの音も大音響、食事中もぺちゃくちゃうるさいのです。

私は最初、何度か「いい加減にしてくれませんか」と注意しようと思ったのですが、途中から方針を変更し、どういう状況と目的でひとり言を言うのかしっかりと観察することにしました。

普通は、ひとり言は自分自身に語りかけるものですが、Kさんのそれは、声量と内容がつぶやきレベルのものではありません。
看護師さんたちと話す声よりも大きいのです。

私はこんな仮説を立てました。

「Kさんは、この病室内で主(あるじ)でいたいのではないか?」

ここで、10数年前に劇団昴に久米 明が主人公のウィリー・ローマンを演じる『セールスマンの死』を観に行ったときのことを思い出しました。

久米の登場場面に限って露骨に咳払いをする観客がいました。

殴ってやりたいほどの怒りを覚えました。

舞台が終わって、共演者の石波義人さん(現在は劇団四季俳優、ヒューマン・ギルド会員)にその客のことを聞いてみたら、その人は劇団民藝の滝沢 修をずっと応援していた人なので、『セールスマンの死』のウィリー・ローマンを久米 明が演じるのを苦々しく思っていたのではないか、とのことでした。

だとすると、演技にブーイングを与えるような目的で咳払いをしていたことになります。

そこで、同室のKさんの、場を支配するためにひとり言を使う目的がより鮮明になってきたのです。

アドラー心理学の知恵を入院中に使って観察してみるのも面白いものです。

次回はドクター編です。

<お目休めコーナー>5月の花(21)

 

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