おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日は9:20発の新幹線で京都に来て、13:30~19:00に 京都開催 アドラー・カウンセラー養成講座 の3日目を行っていました。
新幹線から見えた富士山の雄姿に勇気づけられた感がありました。
夜は、関西に住む友人と京都らしい店で食事をしました。
さて、ヒューマン・ギルドの過去のメルマガに書いた原稿のブログに転載する第4回目、人間理解に役立つ優越コンプレックスの話です。
アドラー心理学で発想したら(4):自己決定性(4)― 優越コンプレックス
「僕ねー、純ちゃんと友達なんだ」
2002年11月、『勇気づけの心理学』(現在は『勇気づけの心理学 増補・改訂版』、金子書房)の出版記念講演会を終えた後、ヒューマン・ギルド近所の居酒屋「竹ちゃん」での懇親会の席上でのことです。
そう自慢げに周囲の人に言いふらしていた方はK大学経済学部のご出身で、「純ちゃん」とは、その時期の内閣総理大臣、小泉純一郎氏のことでした。
よく聞くと、同じ経済学のゼミで同期だったそうなのです。
「じゃ、今でも昵懇なのですか?」
私が尋ねると、その方が否定したため、周囲の人たちはとたんに白けました。
「だったら、自慢しなさんな」というところです。
このように、人脈や過去の能力、家柄をことあるごとにひけらかす人がいます。
人によれば、同じ話を5度も6度も聞いていることがあります。
アドラー心理学では、この種の人を「優越コンプレックス」の人と呼びます。
アドラーは、このようなふるまいを『性格の心理学』(アルテ)で虚栄心として表現しており、弟子のウルフは『どうすれば幸福になれるか 上・下』(一光社)で「プラス・ジェスチャー」と言っています。
周囲の人たちに対して自分のプラス部分をひけらかす、ということでしょうか。
実は、優越をひけらかす「優越コンプレックス」と、アドラーが“異常に高められた劣等感”で“ほとんど病気”と言った「劣等コンプレックス」とは、共通点があります。
ルーツが一緒で、両者には共に根深い劣等感が潜んでいることです。
身の回りには「優越コンプレックスの人」が自慢話めいたことを何度も何度も語ることがあります。
そんな場面に遭遇したら、「あ、この人は劣等感が強い人なんだ」と判断し、子守唄を聞くように聞き流せばいいのです。
<お目休めコーナー>5月の花(25)
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