アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(10月26日)のブログでは、『勇気づけのリーダーシップ心理学』(学事出版、1,600円+税)から転載して、T教頭が黒衣としてかかわった卒業式の模様を書きました。

今回はその後日談です。

後日談

S小学校を訪問する機会があったとき、たまたまT教頭とお話しをする機会ができました。
その際私は、感動的な卒業式についてお尋ねすると、T教頭は、こんな事実を語ってくれました。

T教頭がグラウンドを整備しているとき、2人の6年生が近づいてきて、卒業式に今までとは趣向が違ったことをやりたい、内容は、屋上から垂れ幕を垂らして、S小学校や、担任の先生方に劇的な感謝を伝えたい、と言うのです。
細目については、まだ漠然としているようでした。

そこで、T教頭は、児童達の意志が固いことを確かめた後に、次の4点を助言しました。

(1)計画は、教師はもとより父母にも絶対に知られないように進めること
(2)6年生に2クラスある中で、1つのクラスだけでことを進めるのではなく、2つのクラスが協力して行うこと
(3)不要になった敷布が倉庫に眠っているので、垂れ幕用にそれらを提供してもいいこと
(4)この話は、教頭の自分しか聞かなかったことにすること

私は、「俺たちの卒業式」の裏話に感動したのですが、2つほど疑問が湧いてきました。

1つは、校長や一部の教師に報告しないと、教頭の立場が悪くなるのではないか、ということであり、2つ目は、子どもたちが完全に計画を秘密のうちに進められるか、という点でした。

私の疑問に対して、T教頭は次のように答えてくれました。

「岩井さん、私の立場からすると、校長に報告した方が立場は楽ですよ。でも、もし自分が児童たちの計画を伝えてしまったら、絶対に反対されますよね。それと、子どもたちのことについては、リスクはあるけれども徹底的に信頼するしかなかったですよね」

黒衣に徹するT教頭は、リスクを犯しても児童を信頼し続けたのです。

<お目休めコーナー>10月の花(22)

人気ブログランキングへ 
(クリックして勇気づけを)



コメント ( 2 ) | Trackback ( )