おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日は、13:30~16:30に 平日開催のカウンセリング演習、12人がご参加でした。
その前後に2人の教育分析。
私は確実に人を育てていることを実感しました。
さて、飛び飛びの3回で16年近く前の巻頭言から「人を育てる」をテーマに紹介する第3回目です。
過去の巻頭言から(8):人を育てる(3)(2002年3月号)
ある地域でご婦人方を対象とする講演会に講師として招かれました。
そこには、30歳台と思われる男性が5人ほど参加していました。
講演が一段落してから質疑応答の時間になりました。
数人の女性から質問があった後、主催者が「今日は男性もお越しなので、どなたからか、ご意見やご質問をお願いしましょう」と、一番若そうな男性を指名しました。
その男性は、2つほど質問・意見を出しました。
そのうちの一つが「講演を聴いていて結局のところ何がおっしゃりたかったかはっきりしませんでした。今日の講演のポイントを一つに絞るとしたらどんなところなんですか?」と私に質問しました。
「私は一つにまとめるということをやりたくありません。人それぞれに受け止め方があって、あなたから質問を受けて『これが言いたかったことです』と言ってしまったら、受け止める側が持ち帰りたいことに影響を与えてしまいます。どんな受け止め方をしてもいいのです。何を持ち帰るかは、聴く側にあって、私の側にありません。ですから、ここでまとめることはしたくありません」と答えました。
その男性は不服そうでしたが、私は信念を持って答えられたことに満足していました。
2月21日は、金沢市教育委員会から招かれ400人を対象に講演をした前後に、私の使命は「種蒔く人」だと確信しました。私の種を人はどう受け止めてくれるかわかりません。
しかし、私は種を蒔き続けたいのです。
どんな花になるかは分かりません。
人々に勇気を与えるものであれば、それこそが私の願うところです。
ところで、私の蒔いた種を実感する出来事が最近ありました。
私が、新宿区内の専門学校で非常勤講師をしていた当時学生だったMさんから2月の上旬にメールをいただきました。
とても嬉しく拝読し、Mさんの了解を得て文面をこのニュースレターに掲載させていただきます。
私の蒔いた種が10数年後このような形でフィードバックを受けるとは、意外でもありました。
また、種蒔く人の信念を強めることができました。
岩井俊憲様
突然のメールで申し訳ありません。
私は12年程前にN福祉教育専門学校にて、岩井先生の講義を受けさせて頂いたMSと申します。
確か講義内容は「人事教育論」という講義だったはずです(先生に「ヒューマン・ギルドで働かせてください!」と大胆な事を言った生徒を覚えていらっしゃるでしょうか)。
卒業後は、転職も経験しましたが、一貫して採用に係わる仕事をしており、現在も川崎市内にある中小企業で総務・採用担当として勤務しております。
…もう私も32歳になりました、笑。
先生の講義は、当時の私にはまさに自分の価値観が一変する程のインパクトがありました。
そしてその講義を受けた事が今の仕事をする上での礎になっています。
講義自体は半期という短い時間であったのに、これだけ自分の人生に影響する出会いになるなんて…。
この年齢になってこういう事をいうのは恥ずかしいのですが、私にとって人生の転機だったのかなと思います。
講義の最後の日、握手した事、そして先生が私に下さった封書の中に「講義が無事に終わったのは貴方のお陰です、ありがとう」と書いて下さった事、決して忘れる事の出来ない思い出です。
その後も幾度となく「先生にご連絡を…」と考えましたが、私も社会人になっていましたし、依頼する事がないのに連絡をしてもご迷惑になるだろうと控えていました。
会社でも各種研修をする機会が多いのですが、研修予算が安く、なかなか先生に講師依頼をする機会を得られず、現在に至っております。
その間、『先見経済』の「勇気づけのリーダーシップ」を上司から時折、冊子を譲って貰い、昔を懐かしみながら読んだりはしていましたが。
今回もネットにて研修関連の検索をしておりましたら、御社のHPに当たり、思わず懐かしさが込み上げ、ご迷惑も顧みず、メールを出させて頂いた次第です。
今年の新卒採用活動もいよいよ始まりました。
会社にとって、そして学生にとって、より良い採用・就職活動の手助けが出来るよう頑張っていくつもりです。
長々と申し訳ありませんでした。またお会い出来る日を楽しみにしております。
F株式会社 総務部
MS
勇気の種が12年の年月を経て花として開いていることを確認できたエピソードでした。
<お目休めコーナー>12月の花(14)
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