アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。 
昨日(4月15日)は、22:25~22:50にNHK Eテレで「100分de名著』の「マルクス・アウレリウス 自省録」の3回目を見ました。
岸見一郎さんが解説者なので、アドラー心理学とつながるだけでなく仏教ともその境地に共通点があるような印象を受けました。
テレビではかなり抑えられていますが、テキストを読むと、アドラー心理学の理解がより深まります。
ご関心のある方は是非、テキストをお買い求めになるといいです。

マルクス・アウレリウス
『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著)
岸見 一郎
NHK出版

また、3回目が17日(水)の5:30~5:55、12:00~12:25に再放送されますので、録画してご覧になることをお勧めします。
 
 
さて、「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの10回目です。

最近『「承認欲求」の呪縛』(大田 肇著、新潮新書、780円+税)という本を読んでいます。

「承認欲求」の呪縛 (新潮新書)
太田 肇
新潮社

著者は、長らく経営学者として承認欲求の「光」の部分に注目していました。

ところが、承認欲求には濃い「影」の部分が存在することにも気づき始めました。

私たちが連想できる成人式での乱行や、SNSへの変態動画投稿などのみならず、もっと深刻なのは、 普通の人が無意識のうちに承認欲求にとらわれていく「承認欲求の呪縛」です。

著者が調べているうちに、子どもから大人まで、実に多くの人がこの呪縛に陥っていることが判明しました。

認められたことがきっかけでウツや不登校になったり、欠勤・退職に追い込まれたりする例も少なくなく、そのことによって、個人の問題にとどまらず、組織や社会もが蝕まれます。
 
昨今大きな社会問題になっている職場やスポーツ界のパワハラ、過労死・過労自殺、役所や大企業の組織不祥事などが いずれも「承認欲求の呪縛」と深く関わっているとわかり、この問題に強い危機感を抱き、世の中に警鐘を鳴らそうと思ったようです。

「承認欲求の呪縛」にかかると、不幸な状況を招きやすくなり、そのことが個人の問題にとどまらず、組織や社会をも蝕むことを強く警告するのがこの本です。

私は「承認欲求」の抱える問題をひと言で片づけます。

それは「内発的動機づけ」の核となる「自律」とは程遠い、他者からの統制の中に身をゆだねてしまう「外発的動機づけ」に他ならないからです。

自分の価値が他者の承認によって成り立つような、勇気づけとは遠い存在になってしまいます。

◆「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの今までの9回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に
3 月26日付けブログ  日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト
4月12日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(9):野球指導におけるリスペクトとトラスト

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