アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

「幸福につながるアドラー心理学の知恵」のカテゴリーの「日本人としてあなたは幸福ですか?」シリーズの9回目です。

今までの8回は、次のとおりです。

3月23日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(1)
3月24日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(2):経済も凋落傾向に 3
月26日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(3):私たちの生活 
3月28日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(4):勇気をくじかれた若者
3月29日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(5):憧れに疎遠な若者たち 
3月30日付けブログ 日本人としてあなたは幸福ですか?(6):ひきこもり100万人時代
4月3日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(7):幸福の3つの条件
4月11日付けブログ   日本人としてあなたは幸福ですか?(8):啓蒙すべきはトラストとリスペクト

「個人に勇気を! 組織に活気を! そして、日本を元気に!」のスローガンをもとに組織と個人の関係を取り上げていて、今回はスポーツを代表して野球の指導に関わるトラストとリスペクトのことを話題にします。


昨年の4月にパリーグのプロ野球某球団の育成選手とコーチに対して 感情のコントロール法 の研修を行ったことがあります。

講座が終わってから、現役時代に読売巨人軍に在籍していたことがあるコーチが私のところにやって来てこう言いました。

「『嫌われる勇気』を読んで、選手の指導にも生かそうとしているのですが、《課題の分離》のことでどうしても選手に対して遠慮してしまうことがあるのですが、いかがでしょうか? 練習するのは選手の課題、と捉えてしまうと、コーチとして何もできなくなります」

私は、板書しながら次のように答えました。

「《課題の分離》は、アドラーの起源ではなく、もともとヒューマン・ギルドで開発・普及している「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」がオリジナルです。協力に至る《共同の課題》に進むためのワン・ステップで、野球の指導にあたっては、相互尊敬・相互信頼の関係がコーチと選手の間にあるならば、選手のニーズに沿って可能です」

ここでのポイントは「相互尊敬・相互信頼」の関係です。

まさにリスペクトとトラストですね。

◆「感情のコントロール法」セミナー は、次のとおり開催されます。

日 時:6月30日(日)9:30~17: 30  受講料:会員 19,440円 (税込)、一般 22,680円(税込) 会 場:ヒューマン・ギルド研修室


このリスペクトとトラストについて、それらの言葉こそ出ていませんが、この2つがベースになっているアスリートに対する指導法を吉井理人ロッテ投手コーチが語っている記事を読みました。

主要部分は、次のとおりで、勇気くじきに代わる勇気づけの指導法そのものです。

特に私がアンダーラインを施した部分にご注目ください。

 学生スポーツの指導 アスリート第一徹底を  辛言直言 吉井理人ロッテ投手コーチ
2019/4/10 2:00日本経済新聞 電子版

――選手の自主性を高めるために指導者は何をすべきでしょうか。

「選手とのコミュニケーションが大切です。ほったらかしではだめです。選手が自分のことを自分の言葉で話せるように指導します。プレーを振り返り自分できちんと評価させます。内省させ、問題意識を持たせます。そうすれば責任を持って練習をします」

試合後、監督やコーチが選手の前で『ここはダメだった』『こうしろ、ああしろ』と一方的に話すことがあります。その間、選手は頭を使いません。良かった点、悪かった点、次に向けてどうしたいかを選手に聞いて話させるのがよい指導法だと考えます。間違った答えだと思っても一度やらせてみる。社会人になると失敗が許されなくなってきますが、学生時分に部活で間違いを犯しても十分取り返せますよ」

――技術向上、体力向上について根性論も根強く残っています。

「トレーニングには負荷を高めて、根性を出して乗り越えなければ、強くなれないオーバーロード(過負荷)の法則があります。夏の暑い日に屋外でやみくもに走らせるような練習は論外ですが、練習内容を選手に理解させた上での根性論は必要だと思います。練習には強度と量のバランスが大事なのです」

「全力で投げ込んでばかりいれば肩を故障しますし、反復練習が不十分で基本動作を身につけないまま試合に出てケガをすることもあります。反復練習は50%の力でも効果があるので、指導者が選手それぞれの状況を見極めることが重要です」

――高校野球では連投で肩を壊すような選手が後を絶ちません。

「(甲子園出場を)人生の最大の目標にして頑張っている高校生もいます。トーナメント方式の高校野球は日本の野球文化でもあり、簡単には変えられないと思います。ただ、球数制限や大会時期をずらすこと、リーグ戦導入など仕組みを見直す意見が出ていることはいい傾向だと思います」

――指導者の適性にも問題がありませんか。

「特に少年野球や中学校で、コーチングの知識を持った人が指導するシステムをつくった方がいいと思います。少年野球では野球好きのいわゆるお父さんコーチも多く、専門知識がなく、技術も我流です。サッカーなどには指導者資格がありますが、日本では特に幼少期のコーチングに改善の余地があると感じます」

「若年世代への指導では『勝利優先主義』か、礼儀を含めた『人間教育』のどちらかに偏り過ぎず、人間として最も重要な自分で判断できる能力を高めるよう目指す必要があります

私がよく言っているオーバー・コーチング、オーバー・ティーチングに対する批判とも読み取れますが、いかがですか?

◆上司・部下、コーチ・選手の間の「相互尊敬・相互信頼」の関係についての必読書は、何と言ってもこの本です。

「勇気づけ」でやる気を引き出す!
アドラー流リーダーの伝え方
岩井 俊憲
秀和システム

 

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