付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「The MANZAI」 あさのあつこ

2007-12-07 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 とりあえず最新の4巻まで読んでみた。熱烈なファンではないけれど、なんとなく新刊書棚で見かけると買ってしまうのですね。手軽に読める厚さなので、本当に中学生向きの青春小説ですね。

 小柄な瀬田歩はとにかく目立たないように生きていきたいと思っていた。しかし新しい中学に転校し、その望みは打ち砕かれた。サッカー部の次期キャプテンと噂される秋本貴史に、放課後の駐輪場へ呼びだされたのだ。
 呼出の理由に心当たりはないものの「なぐられっぱなしだけはいやだ」と巨漢の貴史相手に覚悟を決める歩だが、彼の言葉はまったく予想外だった。これだったら意味もなく殴られた方が何倍もマシだった。
 貴史は歩とコンビを組んで漫才をやりたいというのだ……。


 イヤだイヤだといいつつその掛け合いが周囲にはウケてしまうし、話の流れですることになってしまった女装はやけに似合ってしまう。漫才コンビ結成を拒否し続けるも、いつの間にか既成事実が積み上がっていく上に、まったく意に反する三角関係の成立と、歩の御先は真っ暗。
 自分の人生を自分で決められない中学生ならではのもどかしさが良く出てます。

【漫才】【ボーイ・ミーツ・ボーイ】【中学生】【恋愛】
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「ロシアは今日も荒れ模様」 米原万里

2007-12-07 | エッセー・人文・科学
 先日亡くなられた通訳者、米原万里さんのロシアに関するエッセーとか記事をまとめたもので、時代的にはゴルバチョフからソ連が崩壊し、エリツィン(酔っぱらい加減が最高!)が大統領になったあたりまで。まだプーチンは出ていません。
 後半は真面目な社会分析みたいな話とかインタビューの比重が増えてきますが、前半はひたすらウォッカとかウォッカとかウォッカの話。民族問題とかマナーに疎い日本の政財界や文化人への皮肉もたっぷり効いていて面白いし、シェスタコービッチの話なんか涙なくしては食事中には読めません……☆
 ロシアの国民性とか社会が成立している背景についてとか、いろいろ考察してますが、これってロシア相手の外交をするにせよ経済取引を試みるにせよ基本事項。やはり読んで損はありませんでした。でもシェスタコービッチ……。

【シェスタコービッチ】【ウォッカ】
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