今よりも少し未来の、たぶん日本。電脳インフラが行き渡り、誰もが自覚することなく電脳を使っている世界。子供たちは電脳メガネと呼ばれるウェアラブルコンピューターを使ってインターネットに常時接続し、現実の街並とバーチャルな街並を重な合わせた世界でペットを飼ったり、ゲームをしたりしていた。
父親の転勤で金沢から大黒市に引っ越してきた小学6年生、小此木優子は電脳ペットのデンスケが謎の電脳生物と共に壁の中へと消えていくのを目撃し、それを追ううちにコイル探偵局員と名乗る小学生フミエと知り合う。
彼女らの前に現れ消えるのは黒い電脳生物イリーガル、そしてイリーガルの秘密について何か知っているらしい、もう1人の転校生天沢勇子だった……。
少年ドラマシリーズの流れを汲む、視聴者である子供が見知った世界からちょっと外れたところで発生する事件を描く物語。
『攻殻機動隊』のように「電脳空間の利用が日常茶飯事/生活の一部となった世界」で生きる少年少女を主人公に、「電脳空間の宝捜し」「廃棄データからの情報抽出」「違法改造ツール」「ハッキングによる情報戦」「闇マーケット」「記憶の植え付け」「電脳生命体」「管理者と非管理者の対立」「現実空間と電脳空間のギャップ」といった、サイバーパンクSFとかで登場したようなイベントやアイテムを一通り、「日本の子供の世界」と解釈して取り込んだ上で、「ボーイ・ミーツ・ガール」「信頼していた者の裏切り」「対立していた者たちの呉越同舟/協力体制の構築」から「さらなる真の敵の出現」と物語の王道を突き進んでいきます。もう、草薙素子が出てこないのが不思議なくらい。
第1話から夫婦でワクワクしながら見守っていたけれど、仲間うちで一気に人気沸騰したのは第12話『ダイチ、発毛ス』、通称“ヒゲの回”から。「ヒゲ達のウワサによると紀元5550分、ヤサコ様が約束の地にお導きくださるそうです」の優子の語りから始まるこの回だけが特別にすごいわけではないのだけれど、1話完結の番外編的な作りで、しかもスラップスティック的な展開に勧めやすかったからです。
本年度のSF映像作品としては『天元突破グレンラガン』とタメを張りますね。どっちが上になるのか。グレンラガンは決着したので、あとは電脳コイルのたたみ方を見守るだけです。(19.10/22)
電脳コイルも終了。
怒濤の展開で盛り上げ、キレイにすとんと落としましたね。さまざまな人やモノやシステムが内包していた問題が一気に噴出して、助けようとする者、すべて消し去り無かったことにしようとする者、問題を拡大させて破滅させようという者、さまざまな勢力のぶつかり合いの中、イサコを救おうとヤサコは崩壊しつつある電脳空間に飛び込みます。
そしてコイルの本当の意味が明らかになり、父親は正体を明かし、ヤサコとイサコそれぞれの記憶の中に封印されていた真実が明らかになります。
うん。やっぱりNHKのジュブナイルSFってスゴイわ。
【日常からの不思議】【電脳空間】【サイバー戦】【ヒゲ】【記憶】
父親の転勤で金沢から大黒市に引っ越してきた小学6年生、小此木優子は電脳ペットのデンスケが謎の電脳生物と共に壁の中へと消えていくのを目撃し、それを追ううちにコイル探偵局員と名乗る小学生フミエと知り合う。
彼女らの前に現れ消えるのは黒い電脳生物イリーガル、そしてイリーガルの秘密について何か知っているらしい、もう1人の転校生天沢勇子だった……。
少年ドラマシリーズの流れを汲む、視聴者である子供が見知った世界からちょっと外れたところで発生する事件を描く物語。
『攻殻機動隊』のように「電脳空間の利用が日常茶飯事/生活の一部となった世界」で生きる少年少女を主人公に、「電脳空間の宝捜し」「廃棄データからの情報抽出」「違法改造ツール」「ハッキングによる情報戦」「闇マーケット」「記憶の植え付け」「電脳生命体」「管理者と非管理者の対立」「現実空間と電脳空間のギャップ」といった、サイバーパンクSFとかで登場したようなイベントやアイテムを一通り、「日本の子供の世界」と解釈して取り込んだ上で、「ボーイ・ミーツ・ガール」「信頼していた者の裏切り」「対立していた者たちの呉越同舟/協力体制の構築」から「さらなる真の敵の出現」と物語の王道を突き進んでいきます。もう、草薙素子が出てこないのが不思議なくらい。
第1話から夫婦でワクワクしながら見守っていたけれど、仲間うちで一気に人気沸騰したのは第12話『ダイチ、発毛ス』、通称“ヒゲの回”から。「ヒゲ達のウワサによると紀元5550分、ヤサコ様が約束の地にお導きくださるそうです」の優子の語りから始まるこの回だけが特別にすごいわけではないのだけれど、1話完結の番外編的な作りで、しかもスラップスティック的な展開に勧めやすかったからです。
本年度のSF映像作品としては『天元突破グレンラガン』とタメを張りますね。どっちが上になるのか。グレンラガンは決着したので、あとは電脳コイルのたたみ方を見守るだけです。(19.10/22)
電脳コイルも終了。
怒濤の展開で盛り上げ、キレイにすとんと落としましたね。さまざまな人やモノやシステムが内包していた問題が一気に噴出して、助けようとする者、すべて消し去り無かったことにしようとする者、問題を拡大させて破滅させようという者、さまざまな勢力のぶつかり合いの中、イサコを救おうとヤサコは崩壊しつつある電脳空間に飛び込みます。
そしてコイルの本当の意味が明らかになり、父親は正体を明かし、ヤサコとイサコそれぞれの記憶の中に封印されていた真実が明らかになります。
うん。やっぱりNHKのジュブナイルSFってスゴイわ。
【日常からの不思議】【電脳空間】【サイバー戦】【ヒゲ】【記憶】